米国債:2年債続落、鉱工業生産上昇で売り-2年債0.99%

米国債市場では2年債が続落。過 去3週間で最大の下げとなった。株価が上昇したほか、米連邦準備制 度理事会(FRB)が発表した鉱工業生産指数が予想を上回り、比較 的安全とみなされる国債の売りが膨らんだ。

2年債は4日連続で下落。鉱工業生産は前月比0.8%上昇と、ブ ルームバーグがまとめた予想の中央値である0.6%上昇を上回った。 社債発行に伴うヘッジ目的の国債取引が増加した。財務省は来週実施 する2、5、7年債入札の詳細を17日に発表する。

クレディ・スイス・セキュリティーズUSAの金利ストラテジス ト、アレックス・リー氏は「短期国債からリスク資産に資金が動いて いる。株式相場が非常に堅調で、安全資産とみなされている米国債の 勢いを削いでいる。17日に入札規模発表を控えていることも、期間が 短めの国債が軟調になった理由だ」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時16分現在、2年債利回りは前日比5ベーシスポイント(b p、1bp=0.01ポイント)上昇の0.99%。これは7bp上昇した 8月26日以来で最大。2年債(表面利率1%、2011年8月償還)価 格は3/32下げて100 1/32。10年債利回りは2bp上昇の3.47%。

7月の鉱工業生産は1%上昇に上方修正された。

RBCキャピタル・マーケッツの金利ストラテジスト、クリスャ ン・クーパー氏は「市場は鉱工業生産統計を製造業回復を示す新たな 兆候とみなしている」と語った。

8月の米消費者物価指数(CPI)は前月比0.4%上昇。食品と エネルギーを除いたコア指数は前月比0.1%上昇と、市場予想と一致 した。

早期利上げ観測

ヘッジファンドを顧客とする調査会社、メドレー・グローバル・ アドバイザーズのリポートも売り材料となった。同リポートを読んだ 人物によると、FRB内には早ければ次の米連邦公開市場委員会(F OMC)会合で金利を引き上げるべきだとの声がある。

ソロス・ファンド・マネジメントの元チーフ政治ストラテジスト で、下院銀行委員会で政治顧問を務めたこともあるリチャード・メド レー氏が1997年に同社を創設した。同社の広報担当、ハンナ・リト ル氏はコメントを避けた。

社債発行

社債発行に絡むヘッジ目的の国債売りも出た。この日はエクセロ ン傘下のエクセロン・ジェネレーションやFNCファンディング、フ ォード・モーター・クレジットなどが社債を発行。起債に詳しい複数 の関係者によると、この日の起債総額は少なくとも88億ドル。

モルガン・キーガン(テネシー州メンフィス)の債券セールス・ トレーディング・リサーチ責任者、ケビン・ギディス氏は「社債発行 が活発になっている。起債に絡んだ国債売りがみられる」と指摘した。

企業は起債に際し、米国債を売り持ちして、社債の利回り上昇に 備える。起債が終わると、国債の持ち高を解消する。

ブルームバーグ調査

ブルームバーグが世界の端末ユーザー1851人を対象にまとめた9 月の調査(実施7-11日)によると、世界経済への信頼感は調査開始 以来の最高を更新した。リセッション(景気後退)終息の兆候や景気 刺激引き揚げを急がないとの当局者の発言が追い風になった。

9月のブルームバーグ・プロフェッショナル・グローバル信頼感 指数は58.54と前月の58.12から上昇した。同指数で50は楽観的な 見方と悲観的な見方の境目を示す。

同指数によると、米国債利回りは今後6カ月間に上昇するとの見 通しが示された。10年債利回りの上昇見通しを示す指数は66.2と、 前月の64.8から上昇した。6月には73.7と、ブルームバーグが同 調査を始めた2007年11月以降で最高を記録した。

PIMCO

債券ファンド最大手の米パシフィック・インベストメント・マネ ジメント(PIMCO)のビル・グロス共同最高投資責任者(CI O)は8月、米国債や機関債など政府関連債の保有比率を5年ぶりの 高水準に引き上げた。

PIMCOのウェブサイトによると、グロス氏は運用資産1775 億ドル(約16兆円)の「トータル・リターン・ファンド」に占める政 府債の割合を7月の25%から44%に引き上げ、2004年8月以来の高 水準とした。一方、住宅ローン関連証券の比率は47%から38%に低 下した。

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