FRBに失業とインフレ期待が圧力-国債購入終了8月決定は吉か凶か

バーナンキ米連邦準備制度理事会 (FRB)議長は、米経済は恐らくリセッション(景気後退)を脱し たと発言した。同議長はしかし、インフレ抑制の決意を世界に示すた め、低成長を受け入れざるを得ないかもしれない。

議長は15日の講演後の質疑応答で、「テクニカルな観点から見る と、現時点でリセッション(景気後退)は終わっている公算が大きい ものの、まだ当分の間は、景気の勢いが非常に弱いと感じられる状態 が続くだろう」と語った。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は6月、失業率が来年末まで 9%を上回り、インフレ率は当局が望ましいとする水準を下回るとの 予測を公表した。一方で当局は、FRBの資産膨張がインフレを引き 起こすことへの投資家の懸念に対応し、緊急措置の一部解除に乗り出 した。

JPモルガン・チェースのニューヨーク在勤エコノミスト、マイ ケル・フェロリ氏は「米金融当局は難しい状況にある」として、「成長 とインフレの両面で、現状は最適とは言い難いが、インフレ抑制姿勢 について市場の信頼を失う恐れから、改善を急ぐわけにもいかない」 と指摘した。

FOMCは8月に、3000億ドル規模の米国債購入プログラムを 10月で終了することを決めた。今月22、23両日の会合では1兆4500 億ドル規模の連邦機関債と住宅ローン担保証券(MBS)の買い取り プログラムの期間は延長するかもしれないが、8月の決定の後にこの プログラムの規模を拡大する公算はほとんどない。

元FRB理事のローレンス・マイヤー氏は、「8月の会合での米 国債購入終了の決定は金融緩和終了の明確な道標だった」と話す。

失業率

失業率が高水準にとどまれば、米金融当局の措置が十分だったか との問いが浮上するだろう。バーナンキ議長は15日、「景気が実際に、 緩やかな成長基調に戻ったとしても、潜在成長率とほぼ同水準の低い 成長ペースであれば、残念ながら、失業率低下には時間がかかるだろ う」と語った。失業率は最終的に「下がるが、時間がかかる」と強調 した。

金や米国債の市場がインフレ期待の高まりを示唆するなかで、地 区連銀総裁の中には連邦機関債とMBS買いのプログラム1兆4500 億ドル全額を実施する必要すらないとの声もある。

バーナンキ議長は、米経済への「向かい風」の1つとしてタイト な与信環境を挙げた。モルガン・スタンレーの世界経済共同責任者、 リチャード・バーナー氏は与信環境が改善せず、消費者は支出を抑制 し続け、景気拡大がどうしても、企業に採用再開を促す水準に達しな いリスクを指摘。「そういうわけで、当社はV字型の回復を予想してい ない」と述べた。

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