グリーンスパン氏:FRBの刺激策解消で議会の反対を懸念

米連邦準備制度理事会(FR B)のグリーンスパン前議長は16日、金融政策を通じた景気刺激措 置を解消するFRBの取り組みを議会が妨げることに懸念を表明した。 前議長はその上で、インフレによって債券市場が「圧倒」される恐れ があると述べた。

グリーンスパン氏はワシントンから回線を通じてドイツ銀行証 券の東京の顧客向けのインタビューに答え、「心配なのは米国の政治 だ。FRBの刺激策解消を議会が受け入れるかどうかに不安がある」 と言明。その結果、「インフレが頭をもたげることになれば、長期債 市場が圧倒されてしまう」との見方を示した。

米国の失業率が25年ぶりの高水準にあることから、FRBの刺 激策解消の取り組みは、議会の抵抗に遭う可能性がある。FRBは現 在0%近辺にある政策金利のフェデラルファンド(FF)金利誘導目 標を引き上げ、物価の安定促進を図ろうとしている。8月の失業率は

9.7%に達した。雇用削減数はリセッション(景気後退)入り以降の 合計がほぼ700万人に上り、戦後のリセッションでは最悪となって いる。

グリーンスパン氏はまた、米国債の増発がドルの価値低下につ ながる恐れがあることに言及し、米国は「非常に危険な」水準にある 債務を圧縮しなければならないと述べた。

インフレ見通し

同氏は、インフレが危険水準となるのは来年以降になるとも指 摘。「世界的なディスインフレが進行中であり、短期間続く見通しだ。 われわれの経済モデルによると、インフレ率は来年初めまでに年率ベ ースで1%を下回る水準に低下する」ものの、その後上昇に転じると の見通しを示した。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値 によると、労働省が16日発表する8月の消費者物価指数(CPI) は前年同月比1.7%低下の見込み。7月は同2.1%低下と、トルーマ ン政権下だった1950年以来の大幅な落ち込みとなった。

ブルームバーグの集計データによると、東京時間午後零時21分 現在、米10年物国債の利回りは3.44%。今年これまでの平均は

3.15%と、過去5年間の平均4.16%を下回っている。

成長見通し

グリーンスパン氏はさらに「今後半年の予想を立てるのは比較 的簡単なようだ。インフレのない良好な経済成長になろう。状況は上 向いており、目先の見通しは良好なようだ」と語った。

同氏は先月、7-9月期の米国内総生産(GDP)は2.5%増加 し、プラス成長を回復すると指摘した上で、「第2の下降波」が押し 寄せるリスクはなお残っているとの見方を示していた。

同氏はインタビューでさらに「今回のリセッションは、少なく とも住宅価格が安定するまで終わらない」と説明。そうなりつつある 兆しがようやく見られているようだと指摘した。

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