NECエレ・ルネサス:統合で契約、親3社が2000億円支援

システムLSI(高密度集積回 路)メーカー国内3位のNECエレクトロニクスと同2位で非上場のル ネサステクノロジは16日、来年4月の経営統合を基本契約したと発表 した。親会社の日立製作所、三菱電機、NECから計2000億円の支援 を受け、昨秋以来の不況で傷ついた財務基盤を改善して合併する。

統合比率はNECエレ1に対し、ルネサス1.189。新会社「ルネサ ス・エレクトロニクス」への出資比率は、NECが間接保有を含めて 35%、日立31%、三菱電25%-の順。NECエレクを存続会社とし、 新会社の上場は維持される。

支援は二段階形式。来年4月1日の統合前に日立と三菱電がルネサ スの増資780億円を引き受け、統合時に新会社の増資1220億円を、N ECも含めた3社が1株当たり917円で引き受ける。

日立の広報担当者、鬼頭宗女氏によると、ルネサスの増資780億円 は日立55%、三菱電45%という現出資比率に応じ配分される。新会社 の増資1220億円の引き受け株数を基に計算すると、2000億円の内訳は 日立825億円、三菱電675億円、NEC500億円となる。

NECエレとルネサスの前期(2009年3月期)売上高は計1兆 2492億円。このためルネサス・エレクは半導体メーカーとして東芝の 1兆232億円を抜き国内でトップ、世界では米インテル、韓国サムスン 電子に次ぐ3位となる見込みだ。

みずほインベスターズ証券の石田雄一アナリストは、NECエレク とルネサスは「日本の自動車業界への依存度が高かった」と指摘。「新 興国など海外での厳しい競争に対応し投資を実行して行くには、2000 億円に続く調達が必要になるかもしれない」とコメントしている。

公的資金は活用せず

両社は今春の統合発表時に、7月末をめどに正式契約するとしてい たが、契約の前提となる資産査定が長引いたとして、契約期限を9月中 に延期していた。

統合発表時に日立の川村隆会長兼社長は、公的資金の申請も検討す るとしていた。しかし、日立の鬼頭氏は16日、今回の支援に公的資金 を活用することは「今のところ考えていない」と述べている。

出資比率は4割以下に

ルネサスには現在、日立が55%、三菱電45%を出資し、NECエ レに対するNECの出資比率は間接保有を含め70%。しかし、来年4 月の統合で新会社への出資比率は各社とも40%を割り、来期(11年3 月期)以降は3社連結業績への影響は抑制される見込みだ。

前期でルネサスは過去最大2033億円、NECエレが826億円の純 損失をそれぞれ計上。今期もNECエレは90億円の純損失を予想。ル ネサスは非上場で予想非開示だが、日立はルネサスへの55%出資に基 づく持ち分法投資損を500億円と想定、逆算すればルネサスは今期で 900億円程度の損失を出す見通しとなっている。

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