TOPIXが4日続落、銀行やその他金融など金融株下げ-輸出支えに

東京株式相場は、TOPIXが4 日続落。自己資本規制による希薄化懸念の強さに加え、中小企業に融資 返済を3年程度猶予する政策が検討されていることから、収益環境悪化 への懸念で銀行株が売られた。利息返還請求の増加傾向などからその他 金融株も安い。

T&Dアセットマネジメントの渡辺博文ファンドマネージャーは 「うまくビジネスができずに資金繰りに困る会社に3年の返済猶予を与 えれば、3年後に資金を回収できるかは不透明だ」と指摘。中小企業と の取引の多い小規模の地方銀行にとっては、「致命的な打撃になる」と 見ている。この日の東証1部業種別33指数のTOPIXに対する下落 寄与度1位は銀行指数。同指数採用84銘柄中、77銘柄が安かった。

一方、米国の小売売上高が市場予想を上回るなど、景気に対する不 安が後退したことでキヤノンや信越化学工業など輸出、素材関連株は上 昇。株価指数を下支えした。

TOPIXの終値は前日比1.09ポイント(0.1%)安の931.43。 日経平均株価は53円15銭(0.5%)高の1万270円77銭と続伸。

欧米、アジアなどの株価指数が昨日、年初来高値を相次いで更新す るなど世界的株高の流れに乗り、日本株相場は朝方から買いが先行。し かし、金融株が午前半ばからじりじりと下げ、午後に下げ幅を拡大させ るとTOPIXはマイナス圏に転じた。円高への根強い警戒や大型連休 前でもあり、海外株高に乗り切れない日本株の姿が浮き彫りとなった。

郵政問題・金融担当相への就任が有力視されている国民新党の亀井 静香代表は15日の記者会見で、景気悪化で困っている「中小企業の返 済を3年程度猶予するモラトリアムを実施すべく本格検討する。就任し たら、早速金融庁を含めて検討開始する」との方針を示した。

電気の時代のろうそく警戒

カブドットコム証券の山田勉マーケットアナリストは、「亀井氏の 考えは銀行経営や経済原則を抜きにする話で、猶予で銀行の不良債権化 が進むと、貸し渋りが景気に悪影響を与えかねない」と話している。国 民新党は、日経225先物の廃止も訴えており、「電気の時代にろうそ くに戻れということを言いかねない議論が通るようなら、金融機関は受 難の時代に入る」と、山田氏は警戒感を隠さなかった。

このほか民主党のマニフェストでは、中小企業支援として使い勝手 の良い特別信用保証の復活が盛り込まれており、実現すれば貸金業者の 必要性は低下する見込み。日興シティグループ証券では、利息返還請求 の増加傾向が続いているとし、15日付でプロミスの目標株価を520 円 へ引き下げた。プロミスは東証1部値下がり率1位となり、その他金融 は東証1部の業種別下落率で1位となった。

総選挙での民主党圧勝翌日の8月31日、鳩山政権の正式発足であ るきょうと、株式市場は重要な節目で2度失速した。T&Dアセットの 渡辺氏は「閣僚がはっきりしたことで、午前は政治刷新による経済活性 化期待が再び高まった。しかし、時間の経過とともに批判が増え、投資 マインドも下がるだろう」と今後の株安を予測していた。

輸出関連は下支え

もっとも、電機など輸出関連株や素材株の上昇に支えられ、日経平 均は上昇して終了。8月の米小売売上高は、変動の大きい自動車を除く ベースで1.1%増とブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト 予想の中央値(0.4%増)を上回った。日興コーディアル証券エクイテ ィ部の西広市部長によると、「バーナンキ米連邦準備制度理事会(FR B)議長のリセッション(景気後退)終了発言など、世界景気の回復に よる下値不安の無さ」が、こうした業種への買いにつながったという。

東証1部の売買高は概算で19億5251万株、売買代金は同1兆 3816億円。値上がり銘柄は506、値下がり銘柄は1045。東証業種別 33指数では値上がり14、値下がり19。

マネックスG急落、キヤノンは連騰

個別の材料銘柄では、足元の売買代金の低迷の割に株価は高止まり だとし、JPモルガン証券が格下げしたマネックスグループが急落。 2010年3月期の業績予想を下方修正した加賀電子は3カ月ぶりの1000 円割れとなった。東証1部売買代金上位では、みずほフィナンシャルグ ループ、オリックス、住友信託銀行、大和証券グループ本社など金融株 の下げが目立った。

半面、米ヒューレット・パッカードとの業務提携で中期成長リスク が大幅に低減したとし、野村証券が投資判断を「買い」へ上げたキヤノ ンが売買を伴い大幅続伸。大和証券SMBCが化学セクターの石化事業 で短期注目とした三井化学は3日ぶり急反発し、クレディ・スイス証券 が格上げしたオリンパスは続伸。液晶パネル用ガラス基板を来年めどに 1割増産すると一部で報じられた日本電気硝子は3日ぶり反発。

新興3市場は高安まちまち

国内新興3市場は高安まちまち。ジャスダック指数の終値は前日比

0.14 ポイント(0.3%)安の50.24と反落。大証ヘラクレス指数は

3.42ポイント(0.5%)安の625.42と3日続落した。東証マザーズ指 数は0.62ポイント(0.1%)高の463.93と続伸。

個別では、10年3月期の連結営業利益予想を増額修正したノジマ が値幅制限いっぱいのストップ高比例配分となった。午後に第2四半期 業績の予想を増額したアズジェントもストップ高。売買代金上位ではS HO-BI、グリー、ダヴィンチ・ホールディングスが安い。

半面、金融庁から信託免許取り消しなどの行政処分を受け、東証か ら監理銘柄(確認中)に指定されたジャパン・デジタル・コンテンツ信 託はストップ安比例配分。売買代金上位では、フェローテック、サイバ ーエージェント、ブイ・テクノロジーが高い。

--取材協力:伊藤 小巻 Editor:Shintaro Inkyo Makiko Asai

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