9月15日の海外株式・債券・為替・商品市場

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では円が主要通貨の大半に対して下落。 朝方発表された8月の米小売売上高が3年ぶりの高い伸びを示したこ とから、投資家は円を売って高リスク資産に買いを入れた。

ドルはユーロに対して一時上昇していたものの反転、年初来の安 値まで売り込まれた。株価が世界的に上昇し、トレーダーがインフレ に対するヘッジ策として金に買いを入れたのが背景だ。

主要通貨のうち南アフリカ・ランドは円に対して最も値上がりし た。投資家は低金利の円で資金を調達し、高利回りのランドに投資し た。

スコシア・キャピタルの通貨ストラテジスト、サチャ・ティハニ 氏は「円が売りを浴びたものの、リスク回避型トレードで想定される 範囲だ」と述べ、「雇用状況を考えると、経済の持続性を確信するに はまだ一歩及ばない」と説明した。

ニューヨーク時間午後4時11分現在、円はユーロに対して前日 比0.5%安の1ユーロ=133円63銭。前日は132円94銭だった。円 はドルに対して前日比ほぼ変わらずの1ドル=91円8銭。前日は90 円94銭だった。ユーロはドルに対して0.4%上昇して1ユーロ=

1.4670ドル(前日1.4618ドル)。一時は昨年12月18日以降の高値 となる1.4686ドルまで上昇した。

円はランドに対して1.1%下げて1ランド=12円33銭。対メキ シコ・ペソでは0.6%下げて1ペソ=6円84銭だった。

米小売売上高

米商務省が発表した8月の小売売上高(速報値)は季節調整済み で前月比2.7%増加と、過去3年間で最大の伸びだった。ブルームバ ーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は1.9%増だっ た。変動の大きい自動車を除くベースでは1.1%増加した。

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長はこの日、スピ ーチ後の質疑応答で、米リセッション(景気後退)は恐らく終了した が、この先の経済成長は失業率の急低下につながるような力強いもの ではないだろうと警告した。

連邦公開市場委員会(FOMC)は昨年12月以降、事実上のゼ ロ金利政策を継続。今年、住宅ローン関連証券を1兆4500億ドル買 い取ることを承認した。

プロスペクター・アセット・マネジメントのレナード・カプラン 社長は「市場参加者はFRBによる流動性吸収が適切な時期を逃し、 インフレを引き起こす可能性があると予想している」と述べた。

英ポンド

イングランド銀行(英中央銀行)のキング総裁はロンドンでの議 会証言で、中銀預金金利の引き下げを「検討している」と語った。

ポンドはユーロに対して0.9%安。対ドルでは0.6%下げた。

英中銀は先週、政策金利を0.5%で据え置き、1750億ポンド規模 の資産買い取りプログラムの続行を表明した。

この日のユーロは一時ドルに対して下落する場面もあった。ドイ ツの欧州経済研究所センター(ZEW)が発表した9月の独景況感指 数によると、期待指数は57.7と、8月の56.1から上昇したものの、 ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値 (60.0)を下回った。

◎米国株式市場

米株式相場は上昇。米小売売上高やニューヨーク連銀製造業景況 指数が市場予想を上回る内容だったことを好感した。資産家ウォーレ ン・バフェット氏が、自ら率いる投資・保険会社が株式を買っている と表明したことも相場の支援材料になった。

アルコア、キャタピラー、ゼネラル・エレクトリック(GE)は いずれも急伸。ダウ工業株30種平均の上昇をけん引した。米商務省 が発表した8月の米小売売上高やニューヨーク連銀が発表した9月の 同地区の製造業景況指数が買い手掛かりとなった。

ハイテクのヤフーやeベイはアナリストの買い推奨で値上がりし た。銅相場の反発を背景に、株式公開している産銅会社最大手のフリ ーポート・マクモラン・カッパー・アンド・ゴールドも買われた。

S&P500種株価指数は前日比0.3%高の1052.63。終値ベース でのほぼ1年ぶり高値を維持した。ダウ工業株30種平均は同56.61 ドル(0.6%)上昇の9683.41ドルで終了した。

シルバークレスト・アセット・マネジメント(ニューヨーク)で 80億ドルの資産運用に携わるスタンリー・ナビ氏は、「株式に対し おう盛な投資意欲が見られる」と指摘。「最新の経済指標によると、 ファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)は強く企業業績が予想以 上に改善することを示している。株式市場から目立った資金引き揚げ は起こらないだろう」と述べた。

8月の小売売上高(速報値)が季節調整済みで前月比2.7%急増 し、過去3年間で最大の伸びとなった。政府の自動車買い替え奨励策 により自動車の売り上げが急増し、ブルームバーグ・ニュースがまと めたエコノミスト予想中央値の1.9%増も上回った。ニューヨーク連 銀の9月の製造業景況指数は、ほぼ2年ぶりの高水準となった。

バフェット氏の株買い

主要株価指数はバフェット氏の発言を受け上げ幅を拡大した。同 氏はカリフォルニア州での会議で、自ら率いる投資・保険会社バーク シャー・ハサウェイは「こうしている間にも株式を購入している」と して、株式投資で「多くの見返りを得ている」と述べた。

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長はこの日、米国 のリセッション(景気後退)は恐らく終了したが、この先の経済成長 は失業率の急低下につながるような力強いものではないだろうと述べ た。

バーナンキ議長はワシントンでのスピーチ後の質疑応答で、「テ クニカルな観点からみると、リセッション(景気後退)は今の時点で は恐らく終了しているだろうが、実感ではしばらくの間なお非常に弱 い景気が続くだろう」と述べた。

アルコアは8.1%、GEは4.2%、キャタピラーは6%と、軒並 み大幅上昇した。

アナリストの買い推奨

ヤフーは5.4%高。インターネット検索2位の同社の投資判断に ついて、サンフォード・C・バーンスティーンが「マーケットパフォ ーム」から「アウトパフォーム」に引き上げ、株価が「低過ぎる」と 指摘した。

eベイは1.3%値上がり。UBSがインターネット競売最大手の 同社の投資判断を「ニュートラル(中立)」から「買い」に引き上げ、 eベイのビジネスは「難局を脱しつつある」と述べた。UBSはさら にeベイの株価目標も引き上げ、従来の24ドルから28ドルに設定し た。

原材料株は2.3%高と、S&P500種の主要10業種で上昇率トッ プ。米小売売上高が予想を上回り景気回復の兆しが示されたことを受 け、銅相場が5日ぶりに反発したことが買い材料になった。フリーポ ート・マクモラン・カッパー・アンド・ゴールドは1%値上がり。

◎米国債市場

米国債市場では10年債が続落。8月の小売売上高が3年ぶりの 大幅な伸びを示し、景気回復を示唆する新たな兆候となったため、売 りが出た。

生産者物価指数(PPI)が予想の2倍以上の伸びを示したこと も売り材料。2年債に対する10年債の上乗せ利回りは2.51ポイント に拡大した。前週末は2.44ポイントだった。

RBCキャピタル・マーケッツの金利ストラテジスト、クリスチ ャン・クーパー氏は「小売売上高統計が売りのきっかけとなった。前 週の終盤に見られた上昇の巻き戻しが起こっている」と指摘した。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後3時47分現在、10年債利回りは前日比3ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)上昇の3.45%。10年債(表面利率

3.625%、2019年8月償還)価格は8/32下げて101 14/32。

小売売上高は前月比2.7%増加と、ブルームバーグ・ニュースが まとめたエコノミスト予想の中央値1.9%増を上回った。

ジョン・ハンコック・ファイナンシャル・サービシズのファンド マネジャー、ジェフリー・ギブン氏は「景気は回復期にある」としな がらも、「国内総生産(GDP)伸び率が4-5%になるような従来 のような回復にはならない可能性がある。本当に読めないのは2010 年にどの程度成長するかだ」と語った。

インフレ率

8月の生産者物価指数(PPI)全完成品は前月比1.7%上昇。 プラスは過去5カ月で4度目。伸び率はブルームバーグ・ニュースが まとめたエコノミスト予想中央値(0.8%上昇)の2倍以上となった。 前年同月比では4.3%低下。

キャンター・フィッツジェラルド(ニューヨーク)の金利責任者、 ブライアン・エドモンズ氏は「インフレ率は前年比ではまだ低下して いる。強い経済指標は今の段階で国債相場にとって致命的な売り材料 ではない。問題はこの状況が持続するかどうかだ」と述べた。

ブルームバーグの調査によれば、16日発表の8月消費者物価指 数(CPI)は前月比0.3%上昇が予想されている。7月は前月比変 わらずだった。8月の前年同月比の予想は1.7%低下。

10年物インフレ連動国債(TIPS)に対する通常の10年債の 上乗せ利回りは1.84ポイントと、2週間前の1.66ポイントから拡大 傾向にある。過去5年の平均は2.19ポイント。同利回り差は市場の 消費者物価見通しを示唆している。

国債購入

米連邦準備制度理事会(FRB)は2021年2月から22年8月に 償還を迎える国債を20億4900万ドル購入した。FRBは3月25日 の購入開始以来、総額2833億7000万ドルを購入している。10月ま でに総額3000億ドルを購入して同プログラムを終了する計画。

メリルリンチの指数によると、景気回復を背景に米国債の年初か らの投資収益率はマイナス3%。ドイツ国債はプラス1.4%、日本国 債は同0.5%。昨年は住宅不況やリーマン・ブラザーズ・ホールディ ングスの破たんなどで安全な国債を求める動きが強まり、米国債はプ ラス14.9%だった。

サンフランシスコ連銀のイエレン総裁は14日、「弱い」景気回 復がインフレを抑制する可能性があると指摘。経済にはスラック(た るみ)が多くみられ、緩やかな成長しか見込めない状態にあり、イン フレは低水準からさらに下がることもあり得ると分析した。

財務省は17日に2、5、7年債の入札の詳細を発表する。入札 は22日から3日連続で実施される。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は上昇。インフレに対するヘッジ策とし て商品需要が拡大し、終値は3営業日連続でオンス当たり1000ドル を上回った。

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は15日、米リ セッション(景気後退)は恐らく終了したが、この先の経済成長は失 業率の急低下につながるような力強いものではないだろうと警告した。 連邦公開市場委員会(FOMC)は昨年12月以降、事実上のゼロ金 利政策を継続。今年、住宅ローン関連証券を1兆4500億ドル買い取 ることを承認した。

プロスペクター・アセット・マネジメントのレナード・カプラン 社長は「市場参加者はFRBによる流動性吸収が適切な時期を逃し、 インフレを引き起こす可能性があると予想している」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 12月限は前日比5.20ドル(0.5%)高の1オンス=1006.30ドルで取 引を終了した。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は急反発。上げ幅は2ドルを超えた。8月 の米小売売上高が急増したことに加え、バーナンキ米連邦準備制度理 事会(FRB)議長がリセッション(景気後退)は恐らく終わったと 発言したことが買いを誘った。

小売売上高が過去3年で最大の伸びだったことが伝わると、原油 は一時3.4%上昇。株価は過去8営業日で7度目の上昇となった。ド ルが軟化したことも代替投資としての商品の魅力を高めた。石油輸出 国機構(OPEC)は15日発表した月報で2009、10両年の世界の原 油需要見通しを引き上げた。

MFグローバル(ニューヨーク)のエネルギー担当上席バイスプ レジデント、ジョン・キルダフ氏は「ドル安やOPECの需要見通し 上方修正、小売売上高などの経済指標を受け、原油が上昇するのは時 間の問題だった。商品相場はほぼ全面高になっている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物10月限は前 日比2.07ドル(3.01%)高の1バレル=70.93ドルで終了した。年 初からは59%高。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は上昇。この日発表されたドイツの投資家信頼感指 数が予想を下回ったものの、8月の米小売売上高と、9月の米ニュー ヨーク地区の製造業景況指数がエコノミスト予想を上回ったことが、 株価上昇につながった。

金属相場の上昇を材料に英豪系鉱山会社リオ・ティントと、スイ スの同業エクストラータが高い。米経済指標を受け、景気低迷の最悪 期が過ぎたとの観測から金属相場が上げた。英電話会社、BTグルー プは、クレディ・スイス・グループが同銘柄の投資判断を引き上げた ことが好感され、買われた。

一方、英民間放送のITVは5.7%下落。英競争法当局がITV に対して主要チャンネルの広告規制を維持する必要があるとの見解を 示したことが売りを誘った。

ダウ欧州600指数は前日比0.2%高の241.36で終了。1年前の 米リーマン・ブラザーズ・ホールディングス破たんで同指数は一時 44%安となった。リーマンが破産法適用を申請する以前の水準からは 14%下げている。

バンク・サラシンのグローバル・チーフストラテジスト、フィリ ップ・ベアトシ氏(チューリヒ在勤)はブルームバーグテレビジョン に対し、「2010年の増益率は20%以上となる可能性がある。こうし た見方を考慮すると、相場はそれほど割高ではない。景気は引き続き 予想外に回復するだろう」との見方を示した。

ダウ欧州600指数は3月9日以降、53%上げている。ブルームバ ーグがまとめたデータによれば、同指数構成銘柄の株価収益率(PE R)は46.8倍と、6年余りで最高となっている。

15日の西欧市場では、18カ国中15カ国で主要株価指数が上昇。 ダウ・ユーロ50種指数は前日比0.5%高、ダウ・欧州50種指数は

0.1%上げた。

リオ・ティントは1.7%上げ、エクストラータは2%高となった。 ロンドン金属取引所(LME)の銅、鉛、ニッケル、亜鉛の各相場は いずれも高い。

BTは4.4%上昇。クレディ・スイスは2009、10両年の業績見 通し引き上げを理由に、同銘柄の投資判断を「ニュートラル」から 「アウトパフォーム」に引き上げた。

◎欧州債券市場

欧州債市場ではドイツ国債相場が下落。9月の独景況感指数がこ の3年余りでの最高水準に上昇したことを受け、国債の安全性に対す る需要が減退した。

独10年債の下げが最もきつかった。欧州経済研究所センター (ZEW)が投資家やアナリストを対象に調査した9月の期待指数は

57.7と、8月の56.1から上昇。ブルームバーグ・ニュースがまとめ たエコノミスト予想中央値の60.0は下回った。アイルランドは2014 年と2020年に償還期限を迎える国債10億ユーロを入札した。

野村インターナショナルの債券ストラテジスト、ショーン・マロ ーニー氏(ロンドン在勤)は、「ZEWの調査と今週の入札は国債相 場にとってリスクとなっており、相場を若干押し下げる要因となっ た」と指摘。「構造的な需要は根強いため、リスク要因が通過した後 の市場の関心はこうした点に移るだろう」と述べた。

ロンドン時間午後4時50分現在、独10年債利回りは前日比4ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し3.29%。同国債 (表面利率3.5%、2019年償還)価格は0.31ポイント下げ101.69。 2年債利回りは前日比1bp上昇の1.25%。

◎英国債

英国債市場では2年債相場が大幅上昇。同利回りは前日比13ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)低下の0.75%と、少な くとも1992年1月以来の低水準となった。

一方、10年債利回りは3.62%と、前日から1bp上昇。この結 果、2年債に対する10年債の上乗せ利回りは285bpとなり、92年 1月以降で最大の幅に拡大した。

イングランド銀行(英中央銀行)のキング総裁は15日、金融機 関が中銀に積む準備預金の金利の引き下げを検討していることを明ら かにした。金融機関の貸し出し促進が目的。

英中銀は現在、準備預金に0.5%の金利を支払っている。資産買 い取りプログラムによって、銀行の準備金は増えているが、キング総 裁は準備預金が過度に増えることは望んでいないと述べた。

RBCキャピタル・マーケッツのエコノミスト、リチャード・マ クガイアー氏(ロンドン在勤)は電子メールで配布したリポートで、 「準備預金金利の変更で、英国債利回りがスティープ化する可能性が 高まる」との見方を示した。

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