米国債:続落、小売売上高の急増で売り-10年債3.45%

米国債市場では10年債が続落。 8月の小売売上高が3年ぶりの大幅な伸びを示し、景気回復を示唆す る新たな兆候となったたため、売りが出た。

生産者物価指数(PPI)が予想の2倍以上の伸びを示したこと も売り材料。2年債に対する10年債の上乗せ利回りは2.51ポイント に拡大した。前週末は2.44ポイントだった。

RBCキャピタル・マーケッツの金利ストラテジスト、クリスチ ャン・クーパー氏は「小売売上高統計が売りのきっかけとなった。前 週の終盤に見られた上昇の巻き戻しが起こっている」と指摘した。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後3時47分現在、10年債利回りは前日比3ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)上昇の3.45%。10年債(表面利率

3.625%、2019年8月償還)価格は8/32下げて101 14/32。

小売売上高は前月比2.7%増加と、ブルームバーグ・ニュースが まとめたエコノミスト予想の中央値1.9%増を上回った。

ジョン・ハンコック・ファイナンシャル・サービシズのファンド マネジャー、ジェフリー・ギブン氏は「景気は回復期にある」としな がらも、「国内総生産(GDP)伸び率が4-5%になるような従来 のような回復にはならない可能性がある。本当に読めないのは2010 年にどの程度成長するかだ」と語った。

インフレ率

8月の生産者物価指数(PPI)全完成品は前月比1.7%上昇。 プラスは過去5カ月で4度目。伸び率はブルームバーグ・ニュースが まとめたエコノミスト予想中央値(0.8%上昇)の2倍以上となった。 前年同月比では4.3%低下。

キャンター・フィッツジェラルド(ニューヨーク)の金利責任者、 ブライアン・エドモンズ氏は「インフレ率は前年比ではまだ低下して いる。強い経済指標は今の段階で国債相場にとって致命的な売り材料 ではない。問題はこの状況が持続するかどうかだ」と述べた。

ブルームバーグの調査によれば、16日発表の8月消費者物価指数 (CPI)は前月比0.3%上昇が予想されている。7月は前月比変わ らずだった。8月の前年同月比の予想は1.7%低下。

10年物インフレ連動国債(TIPS)に対する通常の10年債の 上乗せ利回りは1.84ポイントと、2週間前の1.66ポイントから拡 大傾向にある。過去5年の平均は2.19ポイント。同利回り差は市場 の消費者物価見通しを示唆している。

国債購入

米連邦準備制度理事会(FRB)は2021年2月から22年8月に 償還を迎える国債を20億4900万ドル購入した。FRBは3月25日 の購入開始以来、総額2833億7000万ドルを購入している。10月ま でに総額3000億ドルを購入して同プログラムを終了する計画。

メリルリンチの指数によると、景気回復を背景に米国債の年初か らの投資収益率はマイナス3%。ドイツ国債はプラス1.4%、日本国 債は同0.5%。昨年は住宅不況やリーマン・ブラザーズ・ホールディ ングスの破たんなどで安全な国債を求める動きが強まり、米国債はプ ラス14.9%だった。

サンフランシスコ連銀のイエレン総裁は14日、「弱い」景気回復 がインフレを抑制する可能性があると指摘。経済にはスラック(たる み)が多くみられ、緩やかな成長しか見込めない状態にあり、インフ レは低水準からさらに下がることもあり得ると分析した。

財務省は17日に2、5、7年債の入札の詳細を発表する。入札は 22日から3日連続で実施される。

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