今日の国内市況:TOPIXが小幅続落、債券軟調-ドルの上値重い

東京株式相場は、TOPIXが小 幅に3日続落。政策当局による自己資本規制強化への懸念が根強い銀行 のほか、現金収支の悪化懸念が高まったその他金融など金融株が総じて 安い。ガラス・土石製品や鉄鋼など素材業種、海運株も下げた。

半面、きのうまでの急激な円高の勢いが一服し、電機や機械株など は堅調。アナリストの銘柄判断の引き上げを受けた大手不動産株も高く、 相場全般を支えたが、相場を一方向に傾ける取引は見送られ東証1部の 売買代金は今月2番目、今年に入って8番目の低水準だった。

TOPIXの終値は前日比1.53ポイント(0.2%)安の932.52。一 方、日経平均株価は15円56銭(0.2%)高の1万217円62銭と3日ぶ りに小反発。

午前半ば以降の株価指数は、前日終値を挟み小幅なプラス圏、マイ ナス圏を往来するこう着感が強い展開だった。TOPIXが昨日三尊天 井を形成するなどチャート上では弱気シグナルが形成され、日経平均も この1カ月間のもみ合い相場の下限に達しつつある。

業種別でTOPIXの下げを主導したのは金融株で、自己資本規制 強化による株式の希薄化懸念が根強い銀行が軟調。米系格付け会社のス タンダード&プアーズ(S&P)が14日午後、資金収支が悪化する懸 念が高まっているとし、アイフルと武富士の長期格付けを格下げ方向の クレジットウオッチに指定したことで、その他金融株も下げた。東証 33業種のその他金融は2.4%安と下落率1位で、終値で約2カ月ぶり安 値。

このほか、燃油価格上昇やコンテナ部門の不振から大和証券SMB Cが業績見通しを減額修正した海運も安かった。また、業種別下落率上 位は、ガラス・土石、パルプ・紙、鉄鋼など素材株。パルプ・紙や鉄鋼 は、新政権の環境政策による不透明感も買い手控え要因という。

東証1部の売買高は概算で15億5819万株、売買代金は同1兆896 億円。売買代金は7日以来の1兆1000億円割れだった。

一方、住友不動産など大手不動産株は上昇。ドイツ証券は14日付 で、金融機関の増資実施やCDSスプレッドの縮小とともに不動産セク ターへの資金貸出姿勢はやや改善したことが期待できると指摘。不動産 セクターの投資判断を「弱気」から「やや強気」に上げた。

医薬品や電気・ガス、食料品、小売など内需の一角も高い。株式市 場で円高への警戒が根強いことで内需関連に資金がシフトしているほか、 きのうの米国で公益株が買われた流れも波及した。9月末の配当権利取 りの動きも、電力株中心に追い風となった。

国内新興3市場は高安まちまち。ジャスダック指数の終値は前日比

0.09ポイント(0.2%)高の50.38、東証マザーズ指数は1.59ポイント (0.3%)高の463.31とそれぞれ反発。大証ヘラクレス指数は2.96ポ イント(0.5%)安の628.84と続落した。

債券は軟調―先物は139円台割れ

債券相場は軟調(利回りは上昇)。前日の米国市場で株高・債券安 となった地合いを継続したうえに、午後に発表された20年利付国債の 入札結果が事前予想に比べてやや低調となったことで売りが優勢となっ た。先物中心限月は終値で139円台を割り込んだ。

東京先物市場の中心限月12月物は、前日比13銭安の139円13銭 で始まった後、下げ幅を若干縮めて8銭安の139円18銭まで値を戻し た。しかし、午後の20年入札結果発表後には138円95銭まで下落。結 局、29銭安の138円97銭で終了した。終値としては10日以来、3営業 日ぶりに139円割れとなった。日中売買高は2兆502億円。

現物債市場で新発10年物の303回債は、前日比1.5ベーシスポイ ント(bp)高い1.305%で始まった後、若干上げ幅を縮小して1.30%をつ けた。午後に入って20年入札結果発表後に水準をやや切り上げ、2bp 高い1.31%まで上昇。その後は2.5bp高い1.315%に上昇した。

財務省がこの日実施した表面利率(クーポン)2.1%の20年利付国 債(113回債、9月発行)の価格競争入札結果では、最低価格が100円 75銭、平均落札価格は100円87銭となった。

最低落札価格は、事前予想の100円80銭を下回ったほか、最低落 札価格と平均落札価格の差(テール)は12銭となり、前回債の3銭か ら拡大した。応札倍率は3.03倍と前回債の3.42倍から低下した。

日本相互証券によると、この日に入札された新発20年債利回りは 業者間市場において2.04%で寄り付いた後、2.055%に上昇している。

ドルの上値が重い

東京外国為替市場ではドルが軟調に推移した。ドルの借り入れコス トが過去最低の水準に落ち込む中、ドルで資金を調達して高利回り通貨 に投資する動きが主流になるとの見方が根強い。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のド ル指数は76台と今年の低水準で推移。3月の年初来高値からは14%超 下げている。

一方、前日に対ドルで2月12日以来の高値1ドル=90円21銭を 付けた円は上昇スピードに対する警戒感から、午前に一時91円21銭ま で水準を切り下げた。ただ、ドル買い・円売りの動きも続かず、午後は 91円ちょうど付近でもみ合った。

ユーロ・ドル相場は、1ユーロ=1.4604ドルまでドルが値を戻す 場面もみられたが、午後の取引では1.46ドル台前半を中心にドルが弱 含みに推移した。前日の海外市場では一時1.4653ドルと昨年12月18 日以来のドル安値を更新した。

英国銀行協会(BBA)によると、14日の3カ月物ドル建てロン ドン銀行間取引金利(LIBOR)は、過去最低を記録。米財務省は、 危機対策からの「出口戦略」についてのリポートを発表。その中で「こ れらの政策からの出口戦略は急がず、慎重に実行する」との姿勢を明ら かにしている。

この日の海外市場では、ドイツの欧州経済研究センター(ZEW) が9月の景況感指数を発表する。ドル売り圧力が強まる中、欧州指標の 改善期待を背景にユーロ買いが後押しされる可能性もある。

一方で、米国でも、8月の小売売上高や生産者物価指数(PPI) などの重要指標が発表される。景気の底打ち感が確認される内容となれ ば、株価の上昇につながり、一段のドル売りが促される展開もありそう だ。

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