みずほ投信の中村氏:二番底観測で長期金利に低下余地、年末は1%も

みずほ投信投資顧問の中村博債券 運用部長は、日本の長期金利が年末に一段と低下すると予想している。 景気は政策対応によって足元で回復途上にあるとはいえ、2010年度以 降に息切れを起こして二番底をうかがう局面がくるとみており、投資家 が運用資金を長期債にシフトする公算が大きいと読む。

みずほ投信投資顧問はみずほフィナンシャルグループ傘下の資産運 用会社。中村氏は14日のブルームバーグとのインタビューで、年末に かけて景気の不透明感が広がると予想したうえで、投資家は2年債など 短い年限の金利水準が低いことを敬遠して長期債を選好するといい、 「10年国債利回りは11月か12月に1%程度に低下する」とみる。10 年債利回りが1%に到達すれば2003年8月以来、6年ぶりの低い水準。

景気懸念に加えて市場に資金が大量に還流する流動性相場の様相を 強めていることも、当面の金利の押し下げ要因と意識される。米国では 連邦準備制度理事会(FRB)が巨額の超過準備を供給して、足元では まさに金融相場の色合いを強めており、為替市場においてはドル安・円 高の一因ともなっている。中村氏は、「日本も06年までの量的緩和時 ほどでないにしても、プチ流動性相場にある」との認識だ。

一方、16日に発足する民主党政権の財政政策には不透明感がある ものの、市場のリスクプレミアム(金利上乗せ)が大きく拡大するとは みていない。中村氏によると、旧大蔵省出身の藤井裕久最高顧問が財務 相に起用されれば、債券市場には一定の安心感が広がるといい、「金利 のすう勢を大きく変えるには至らない」とみている。

出口戦略は2011年度以降か

日本銀行が金融政策を非常時の対応から平時に戻す「出口戦略」の 時期については、早くて2011年度以降の実施ではないかとみる。中村 氏によると、政策に支えられた需要はいずれはく落するなど、ファンダ メンタルズ(経済の基礎的諸条件)が弱いなかでの利上げは困難とみて おり、「来年度の長期金利はおおむね1.2%-1.6%をコアレンジとし て、低位安定が続く可能性が高い」との見方だ。

もっとも、景気はすでに大底からは脱却しており、来年度に二番底 を試すにしても構造問題に根ざすものではないと分析。中村氏は、量的 緩和当時は消費者物価が安定的にゼロ以上になるまで金融政策を変えな いとしたが、現在は市場が自発的に作り出した時間軸を追認するにとど まっているとして、「いかに流動性相場ではあっても、10年債利回り の下限はやはり1%付近だろう」との見方を示した。

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