TOPIXが小幅続落、金融や素材中心安い-売買代金低調でこう着

東京株式相場は、TOPIXが 小幅に3日続落。政策当局による自己資本規制強化への懸念が根強い 銀行のほか、現金収支の悪化懸念が高まったその他金融など金融株が 総じて安い。ガラス・土石製品や鉄鋼など素材業種、海運株も下げた。

半面、きのうまでの急激な円高の勢いがやや一服し、電機や機械 株などは堅調。アナリストの銘柄判断の引き上げを受けた大手不動産 株も高く、相場全般を下支えしたが、相場を一方向に傾ける取引は見 送られ、東証1部の売買代金は今月2番目、今年に入って8番目の低 水準だった。

みずほ投信投資顧問の柏原延行執行役員は、「新政権の政策に対 する不透明感が頭を抑えている。米国債投資など従来の政策を継続さ せるのか、為替水準に対するスタンスなどが見えてこない」と指摘し た。ただ、米住宅市場の本格的な底入れなどで下にも行きづらく、 「急いでポジション(持ち高)を調整する必要性を感じない」という。

TOPIXの終値は前日比1.53ポイント(0.2%)安の

932.52。一方、日経平均株価は15円56銭(0.2%)高の1万217 円62銭と3日ぶりに小反発。

午前半ば以降の株価指数は、前日終値を挟み小幅なプラス圏、マ イナス圏を往来するこう着感が強い展開だった。TOPIXが昨日三 尊天井を形成するなどチャート上では弱気シグナルが形成され、日経 平均もこの1カ月間のもみ合い相場の下限に達しつつある。日産セン チュリー証券ディーリング部の菊池由文部長は、「出来高が少なく、 まったく方向感のない様子見相場」と嘆いている。

きのうまでの極端な円高の勢いは一服したが、相場全体を押し上 げるほどの力はなかった。MU投資顧問の森川央シニアストラテジス トによると、「円高懸念は簡単には払しょくできない。景気の最悪期 は脱したが、金融当局も慎重な見方を続けており、来年の状況に確信 が持てない」という。

金融弱い

業種別でTOPIXの下げを主導したのは金融株で、自己資本規 制強化による株式の希薄化懸念が根強い銀行が軟調。米系格付け会社 のスタンダード&プアーズ(S&P)が14日午後、資金収支が悪化 する懸念が高まっているとし、アイフルと武富士の長期格付けを格下 げ方向のクレジットウオッチに指定したことで、その他金融株も下げ た。東証33業種のその他金融は2.4%安と下落率1位で、終値で約 2カ月ぶり安値。

このほか、燃油価格上昇やコンテナ部門の不振から大和証券SM BCが業績見通しを減額修正した海運も安かった。また、業種別下落 率上位は、ガラス・土石、パルプ・紙、鉄鋼など素材株。パルプ・紙 や鉄鋼は、新政権の環境政策による不透明感も買い手控え要因という。

東証1部の売買高は概算で15億5819万株、売買代金は同1兆 896億円。売買代金は7日以来の1兆1000億円割れだった。みずほ 投信の柏原氏は、「今度の臨時国会でどのような法案を通すかが新政 権の判断基準になろう」とし、それまで様子見相場は続く可能性があ ると予想する。

大手不動産や内需一角高い

一方、住友不動産など大手不動産株は上昇。ドイツ証券は14日 付で、金融機関の増資実施やCDSスプレッドの縮小とともに不動産 セクターへの資金貸出姿勢はやや改善したことが期待できると指摘。 不動産セクターの投資判断を「弱気」から「やや強気」に上げた。

医薬品や電気・ガス、食料品、小売など内需の一角も高い。株式 市場で円高への警戒が根強いことで内需関連に資金がシフトしている ほか、きのうの米国で公益株が買われた流れも波及した。9月末の配 当権利取りの動きも、電力株中心に追い風となった。

ダイキン工が活況、松屋は4年半ぶり安値

個別銘柄では、インフルエンザ対応機の市場投入に期待などとし てクレディ・スイス証券が目標株価を引き上げたダイキン工業が東証 1部の売買代金首位で大幅高。公募増資の発行価格を1株1152円に 決定したエルピーダメモリは、不透明感の後退で3日ぶりに反発。業 界再編観測も追い風となったエディオンは1年ぶりの高値。

半面、10年2月期の連結営業損益予想を1億円の黒字から8億 円の赤字に下方修正した松屋は4年半ぶりの安値。株価上昇と円高・ ドル安リスクを考慮してみずほ証券が投資判断を「1(強い買い)」 から「3(ホールド)」へ下げたキッコーマンは3日続落、クレデ ィ・スイス証券が投資判断を下げたジェイテクトは大幅続落となった。

新興3市場は高安まちまち

国内新興3市場は高安まちまち。ジャスダック指数の終値は前日 比0.09ポイント(0.2%)高の50.38、東証マザーズ指数は1.59 ポイント(0.3%)高の463.31とそれぞれ反発。大証ヘラクレス指 数は2.96ポイント(0.5%)安の628.84と続落した。

個別では、住友金属鉱山と独総合化学大手BASFの子会社の2 社が出資比率を引き上げる方針を公表したことで、エヌ・イーケムキ ャットが値幅制限いっぱいのストップ高比例配分。大和証券SMBC が格上げしたサイバーエージェントも急伸。売買代金上位ではSHO -BI、グリー、プレシジョン・システム・サイエンスも高い。

半面、9月中旬に予定していた09年7月通期の決算発表を延期 するアルデプロはストップ安比例配分となった。ローン期限延長協議 で期日までの合意が困難な見込みになったと11日に発表したダヴィ ンチ・ホールディングスは2日連続のストップ安。売買代金上位では フリービット、デジタルガレージなどが下げた。

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