NY外為:ドルは対ユーロ大幅安、低金利でキャリー調達通貨

ニューヨーク外国為替市場では ドルがユーロに対して下落。年初来の安値水準まで売られた。借り 入れコストが過去最低となり、投資家はドルを売って高金利通貨に 買いを入れた。

ポンドはドルに対して5週ぶりの高値付近から下落。英国の住 宅価格は来年また下落するとの企業リポートが嫌気された。ニュー ジーランド・ドルは対米ドルで大幅安。同国の7月の小売売上高が 予想に反して減少したのが背景。

英銀HSBCホールディングスのデービッド・ブルーム氏(ロ ンドン在勤)は「米国でこの先数年間予想される低金利構造がドル の価値を押し下げ始めるだろう」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時現在、ドルは対ユーロで0.4%下げて 1ユーロ=1.4621ドル。前週末は1.4571ドルだった。この日は一 時昨年12月18日以来の安値となる1.4653ドルまで売られた。円は ドルに対して0.2%安の1ドル=90円91銭。この日は2月12日以 来の高値となる90円21銭まで上昇する場面もあった。円はユーロに 対して0.6%安の1ユーロ=132円92銭(前週末は132円17銭)。

LIBOR

英国銀行協会(BBA)によれば、3カ月物ドル建てロンドン銀 行間取引金利(LIBOR)は14日、0.5ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)弱低下し0.295%と、過去最低を記録した。

ブルームバーグ・データによると、ドルを調達資金とするキャリ ートレードは先月、08年3月以来初めて円で調達したキャリートレー ドよりも高リターンで低リスクとなった。リスクに対するリターンの 指標であるシャープ・レシオのドルと円の差は5月以降、平均で1.35。 04年以降の平均はマイナスの0.37。シャープ・レシオが高くなるほ ど、リスク調整済みのリターンは高くなる。

米中タイヤ関税問題

この日ドルは一時、ユーロに対して値上がりする場面もあった。 米国が中国からのタイヤ製品に対して追加関税を決定したことから、 米中の関税摩擦で世界景気の回復が足踏みする可能性が懸念され、高 金利通貨への需要が落ち込んだ。

RBSセキュリティーズの為替戦略責任者アラン・ラスキン氏に よると、その後トレーダーがドルのロング(買い持ち)ポジションを 手じまったとの観測で、ドルは値上がり分を消した。

ラスキン氏は「米中関税問題によるドル上昇には疑問が残る。貿 易関連の問題は資金の流れにも影響を及ぼす。今回の米中関税問題が ドルへの逃避を招いたとの見方は納得がいかない。私個人の意見とし ては、持続的にドルを買う根拠にはならない」と述べた。

米政府は11日、中国製輸入タイヤへの上乗せ関税を発表した。 これに対し中国政府は13日、米国から輸入される鶏肉と自動車製品に 対して反ダンピング(不当廉売)と補助金の調査を実施すると発表。 中国商務省は13日、ウェブサイトを通じて、国内企業が「不公正な貿 易慣行」によって打撃を受けていると訴えた。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル指数はほぼ変わらずの76.697。11日は08年9月25日以来の最 低となる76.457をつけた。

原題:Dollar Falls to Weakest in 2009 on Record Low

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