NEC:携帯事業をカシオ・日立開発会社と統合-負担減で

NECとカシオ計算機、日立製作 所は14日、来年4月に携帯電話端末開発部門を統合すると発表した。 NEC主導で新会社を設立し、高機能化で増大している開発負担を分 担して事業を効率化。海外での端末販売増を通じ、2012年度には3社 販売台数を1200万台とする計画だ。

NECが年末までに、同社の携帯端末事業全体の受け皿会社を設 立し、来年4月にカシオと日立が共同出資している開発会社「カシオ 日立モバイルコミュニケーションズ」(CHMC)を吸収する。ブラン ド展開は個別に続けるが、生産については将来の統合も検討する。

新会社「NECカシオ・モバイルコミュニケーションズ」の資本 金は当初10億円だが、来年6月までに50億円に増やす。増資後の出 資構成はNEC71%、カシオ20%、日立9%。

日本の携帯電話市場は昨年から、販売方式変更や不況を受け市場 が縮小。CHMCも09年3月期(前期)には売上高1568億円に対し 125億円の純損失を計上した。現出資構成はカシオ51%、日立49%だ が、統合による出資比率低下で両社は連結業績への影響を抑制できる。

みずほインベスターズ証券の石田雄一アナリストは「国内携帯メ ーカーが進めている再編の一環」とコメント。3社としても「国内市 場主体では先が見え始めており、打開策が必要だった」と指摘した。 さらに「かつて国内首位だったNECが、提携効果を具体的にどう出 すかが注目点だ」と述べた。

海外に販路

調査会社MM総研の2008年度国内携帯出荷統計によると、NEC はシェア13%で3位。カシオは7位の4.1%、日立は9位の2.2%。 単純合計すれば3社合計の出荷台数は約700万台で、シェアは計19% と、首位シャープの825万台、23%に次ぐ2位となる。

海外では3社中でカシオだけが、米国や韓国で事業を展開。14日 会見したNECの大武章人取締役執行役員専務は、12年度の販売目標 は国内が現状と変わらない700万台だが、海外は500万台と説明。08 年度でのカシオの海外販売について「実数は非公表だが、3社全体の 15-20%だ」と述べた。

MM総研の統計から逆算すれば08年度の海外販売は124万-175 万台。同専務は、12年度に500万台まで増やすため、主に米国での販 売を強化すると語った。

新会社の収益について大武氏は、設立後3年後で「営業利益率5% 程度」を目指すと述べた。CHMCの前期営業利益は9億5900万円で 利益率は0.6%。NECの携帯端末を主体とする「モバイルターミナ ル事業」の前期実績は、売上高3481億円に対し約50億円の営業赤字。

「住み分け」は続く

大武氏は、今回の開発統合が生産部門に発展する可能性について 「いずれ検討したい」としながらも、「ここ1年間くらい」は3社個別 に生産を続けると説明。同席したカシオの高木明徳常務は「内外で生 き残っていくには事業規模拡大による開発効率化が必須だった」と語 った。

大武氏は3社間で異なる国内携帯会社向けの供給関係について、 今後も「基本的に住み分けたい」と語った。NECは国内首位のNT Tドコモと同3位ソフトバンクモバイル向け、カシオと日立はKDD Iとソフトバンク向けに、端末供給をそれぞれ限定している。

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