銅:ゴールドマンは22%上昇予想-景気回復示唆に懐疑的見方も

今年の商品市場で最大の上昇率を 示している銅が2010年にかけてさらに22%上昇する可能性がある。 世界経済が回復する一方、鉱山生産が需要に追い付かないためだ。

中国の輸入が予想外に倍増したため、銅相場は今年に入って高騰。 現在では、米国の1930年代以降で最悪のリセッション(景気後退)が 和らぎ、新築住宅や耐久消費財の販売が増加していることが相場上昇 の要因となっている。一方、国際銅研究会(ICSG)によると、産 銅各社が鉱山投資を削減しているため供給は抑制されている。

ジャネット・コン氏やジェフリー・カリー氏率いる米ゴールドマ ン・サックス・グループのアナリストらは先週のリポートで「中国の 経済成長や、余剰生産能力が限定的であること」が他の工業用金属よ りも銅の相場を押し上げると予想されるため、「引き続き銅に対して最 もプラスの見方をしている」と指摘した。

ブルームバーグ・ニュースが1月にアナリスト23人を対象に実施 した調査の中央値では、今年のロンドン金属取引所(LME)の銅相 場平均は49%下落し1トン当たり3525ドルになるとの見通しが示さ れた。相場は08年7月に過去最高値の8940ドルを付けた後、下げて いた。この予想に反し、銅相場は今年8月28日には11カ月ぶりの高 値である6549ドルに上昇。年初来平均は4591ドルとなっている。

ゴールドマンは今月8日のリポートで、銅相場は7650ドルに上昇 するとの見方を示した。1月に下落を予想して以降、3回にわたって 相場見通しを引き上げている。現時点では今月11日の6250ドルから 22%上昇するとみている。同じく年初に下落を予想していた米シティ グループも4日、10年の平均は6430ドルと、今年の推定である5300 ドルから21%上昇するとの見方を示した。

中国の需要拡大と供給減少

世界最大の銅消費国である中国の銅需要は、同国政府が4兆元(約 53兆円)規模の景気刺激策を導入し銀行融資が過去最高の1兆1000 億ドルに達したことを受け増加した。

鉱山各社が昨年、悲観的な見方をしていたことから、銅供給は逼 迫(ひっぱく)する可能性がある。株式公開している産銅会社として は最大手、米フリーポート・マクモラン・カッパー・アンド・ゴール ドは、北米と南米の10年の生産を08年と比較して約7%削減する方 針だ。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の銅先物 に投資する投資家らはますます強気な見方をしている。米政府と取引 所のデータによると、ヘッジファンドなど大口投機家による相場下落 を見込む売り越しは、ピークだった2月時点と比較して92%減少して いる。

すべての市場関係者が、上昇が続くと予想しているわけではない。 オスカー・グラス・アンド・サンの投資戦略担当責任者、マイケル・ アロンスタイン氏は、商品に関する投資判断は「中立」に移行してお り、一部の資産を売却していることを明らかにした。3月時点では運 用資産の20%を原材料に投資していた。同氏は08年の商品相場暴落 と今年の回復を予測した。

アロンスタイン氏は「わたしが懸念しているのは、中国に関する すべての材料がかなり誇張され過ぎていたということだ」と指摘。「わ たしは中国が世界的なリセッションからの脱出をけん引するとの見方 に対して懐疑的だ。投資を減らし始めた。これまでの売りの大半は工 業用金属部門が占めた」と語った。

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