FRB、利上げでECBに先行へ-投資家は欧州債を選好

欧州債のパフォーマンスが今年、 米国債を上回ると正確に予想した複数の機関投資家は、ドイツや英国、 イタリアの国債をなお割安とみている。

F&Cアセット・マネジメントやDWSインベストメント、シュ ローダー・インベストメント・マネジメントは、欧州の景気回復が米 国よりも遅れるとの見方を手掛かりに欧州債を購入している。米国債 との比較で見た2年物ドイツ国債と英国債利回りが、2007年10月 以来最も低い水準にある現状でも、彼らは欧州債に対して強気だ。

金利先物市場では、欧州中央銀行(ECB)が来年、米連邦準備 制度理事会(FRB)よりも遅れて政策金利引き上げを開始し、利上 げペースもゆっくりとしたものになると見込まれている。FRBが9 日公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)によれば、全12地 区連銀のうち11連銀が経済活動の安定ないし改善の兆候を報告した。 一方、ECBは翌10日に発表した月報で、欧州の景気回復は「かな りまだら模様」になるとの見通しを示した。

F&Cの債券担当責任者、ミヒール・デブルーイン氏(アムステ ルダム在勤)は「ドイツ国債は比較的良い投資先だ」と述べ、「景気 回復をめぐる予想外の上向き材料が出てくるとすれば、欧州からでは なく米国からである公算が大きい」と指摘した。同氏は4-6月(第 2四半期)に米国債よりも欧州債を選好し始めた。

欧州銀行間取引金利(EURIBOR)先物には、ECBの利上 げが10年10-12月(第4四半期)以降になるとの見通しが反映さ れている。これに対して、シカゴ商品取引所(CBOT)のフェデラ ルファンド(FF)金利先物は、FRBが10年4-6月(第2四半 期)にも利上げに動く60%以上の確率を織り込んでいる。

成功している戦略

欧州債投資はこれまでのところ成功している戦略だ。メリルリン チの指数によると、年初来のパフォーマンスに基づけばドイツ国債の 今年のリターン(金利再投資含む)はプラス2.26%となる見通し。 一方、米国債はマイナス3.95%の見込み。ドイツが上回る形での両 国債のリターン格差は、直近では1992年に記録した5.92ポイント が最大だ。

メリルの指数によると、イタリア国債のリターンは9.68%、フ ランス国債は3.64%、スペイン国債は5.94%になると予想されて いる。英国債は今年、横ばいとなっているが、6月以降では2.89% に達している。

ブルームバーグ調査によると、10年物米国債利回りは10年末 までに4.43%と、先週の3.35%から上昇するとみられている。ド イツ国債は4.20%と、これも先週の3.23%から上昇する見通し。 英国債は3.6%から4.61%への上昇との予想だ。

ブルームバーグのデータに基づくと、利回りが予想された水準に 上昇した場合、現時点で米国債1000万ドルを購入した投資家は来年 末までにドイツ国債に投資した場合と比べ約1万ドル多く失うこと になる。

10年物ドイツ国債利回りは5月、同年限の米国債を半年ぶりに 下回った。INGグループの投資適格級債券ストラテジー責任者(ア ムステルダム在勤)、パドライク・ガービー氏によると、先週末に11 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)だったスプレッドは、 今後半年間で40bpに拡大する可能性がある。

ガービー氏は「転換点は米国の方が早く訪れる」とし、「そうな れば、債券相場の値下がりが米国で始まるだろう」と指摘した。

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