日本株は輸出中心に大幅続落、円高で業績懸念広がる-素材株も売り

東京株式相場は大幅続落。外国為 替市場での円高進行で業績の先行き懸念が広がり、電機や自動車など輸 出関連株中心に売られた。原油など国際商品価格の下落が嫌気され、非 鉄金属など素材株も安く、東証1部33業種のうち、30業種が下げた。

日経平均株価の終値は前週末比242円27銭(2.3%)安の1万 202円6銭で、下落率の2%超えは今月2日以来。TOPIXは16.36 ポイント(1.7%)安の934.05。

住友信託銀行の島津大輔調査役は、「日本の輸出企業は売上高減少 などで損益分岐点比率が高くなっている。これ以上の固定費削減にも限 度があるだけに、少しの円高でも収益に与えるインパクトがある」と指 摘した。

週明けの日本株は先物中心に売りが先行した後、午後は安値圏でも み合った。今週明らかになる民主党政権の閣僚人事や政策を見極めたい として、売買は依然低調。大和投資信託の長野吉納シニアストラテジス トは、「市場にプレーヤーが少ないため、株価が上下に大きく振れやす い」と話していた。日経平均は、4日以来となる1万100円台まで下 落する場面があった。

米金利の低下を背景にドル安が止まらず、先週末のニューヨーク外 国為替市場では2月12日以来の円高・ドル安水準となる一時90円21 銭を付けた。みずほ証券の北岡智哉ストラテジストによると、輸出企業 の今期の想定為替レートは93.5円で、1円の円高は今年度の上場企業 の経常利益を0.7%押し下げる。

外需頼みで他市場にない動き

りそな信託銀行の下出衛エクイティチーフストラテジストは、「現 在のドル安はファンダメンタルズの悪化を受けた『悪いドル安』ではな く、リスク許容度の改善による『良いドル安』」と指摘。他市場ではド ル安と株高が同時に進んでいるが、「日本は外需頼みのもろさから他市 場にない値動きになっている」とした。

先週までは、円高による日本株への影響を海外株高が打ち消してき たが、きょうは24時間取引のGLOBEX(シカゴ先物取引システ ム)の米S&P500種指数先物も軟調。今晩の米国株動向への懸念から、 下値で買いも入りにくかった。今期のドル・円の想定為替レートを92 円とするトヨタ自動車は、一時7月24日以来の安値まで下落。東証1 部の業種別下落率上位には精密機器、電機、輸送用機器、機械が入った。

また、11日のニューヨーク原油先物10月限は前日比3.7%安の1 バレル=69.29ドルと5営業日ぶりに反落。銅など金属価格もおおむね 安く、大手商社のほか、非鉄金属やガラス・土石など素材関連株も下げ た。オバマ米大統領は中国から輸入されるタイヤ製品に最大35%の関 税を適用する決定を下し、中国拠点で生産されたタイヤの対米輸出への 影響が警戒されたブリヂストンや住友ゴム工業などゴム株も安い。

東証1部の売買高は概算17億8637万株、売買代金は同1兆1806 億円と売買は低調で、代金は前週末までの9月の1日当たり平均1兆 3766億円を14%下回る。騰落銘柄状況は上昇237、下落1365。

HISが午後急落、電気化や日航は急伸

個別では、海外旅行需要が想定以上に減退したことを要因に、午後 に入って今期業績予想を下方修正したエイチ・アイ・エスが急落。TS UTAYA事業の足踏みへの対応スピードが非常に遅いとして、大和証 券SMBCが投資判断を下げたカルチュア・コンビニエンス・クラブが 5カ月ぶりの600円割れ。三菱UFJ証券が「4(アンダーパフォー ム)」を強調した日立製作所は4.4%安と大幅続落。

半面、インフルエンザ関連以外も好調と評価し、野村証券が目標株 価を460円へ引き上げた電気化学工業は、売買を伴い連騰。米デルタ 航空やアメリカン航空による出資検討が分かった日本航空は、2社によ る争奪戦で株式の潜在価値が上昇すると評価され、2カ月ぶりの高値と なった。業績予想の増額と配当上積みを発表したキッツは反発。

新興3市場は下落

国内新興3市場は下落。ジャスダック指数の終値は前週末比0.03 ポイント(0.1%)安の50.29と4日ぶりに反落。東証マザーズ指数は

1.47ポイント(0.3%)安の461.72と5日ぶり、大証ヘラクレス指数 は8.71ポイント(1.4%)安の631.80と3日ぶりに下げた。

個別では、ローン期限延長協議が困難な見込みになったと発表した ダヴィンチ・ホールディングスは値幅制限いっぱいのストップ安比例配 分。7万株超の売り注文を残した。先週末上場のシーボンは下落。売買 代金上位では、ブイ・テクノロジー、ガンホー・オンライン・エンター テイメント、スタートトゥデイなどが安い。

半面、成果報酬型広告の需要増加から今期業績予想を引き上げたバ リューコマースは買いが殺到し、ストップ高比例配分。今期は連結営業 利益が前期比5割増見通しのフルスピードもストップ高。売買代金上位 ではデジタルガレージが年初来高値を更新し、グリー、日本通信も高い。

--取材協力:近藤 雅岐、平野 朋美 Editor:Shintaro Inkyo Makiko Asai

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