米デルタ:日航への出資を検討、数億ドル以上-関係者(訂正)

(12日送信記事の見出しと第2段落の額を「数億ドル」に訂 正)

【記者:Mary Jane Credeur、松田潔社】

9月11日(ブルームバーグ):航空世界最大手の米デルタ航 空が経営再建中の日本航空に出資を打診していることが、事情に 詳しい関係者1人の話で明らかになった。実現すれば、デルタは 日本でより多くの都市へのアクセスが可能になる。

交渉が公になっていないとして匿名を条件に同関係者が語っ たところでは、デルタが打診している出資額は少なくとも数億ド ルに上る。出資が決まれば、両社提携へのステップになると同関 係者は話した。デルタ航空は08年10月に米ノースウエスト航 空を買収して世界最大の航空会社となっている。

スタンダード・アンド・プアーズの株式アナリスト、ジム・ コリドー氏(ニューヨーク在勤)は11日のリポートで、日航へ の出資が実現すれば「デルタの日本での存在感が高まる。米航空 会社の中でもデルタは既に最も広範な国際線ネットワークを持っ ているが、その強みがさらに増すことになるだろう」と指摘した。

デルタの広報担当、ケント・ランダーズ氏はコメントを差し 控えた。デルタと日航の交渉については、日本時間11日夜にN HKが報道したのに続き、米紙ウォールストリート・ジャーナル も報じた。日航の広報担当者、田中聡氏は11日夜、ブルームバ ーグ・ニュースの電話取材に対し、「デルタ航空と資本提携に向 けて交渉を始めた事実はない」と語った。

NHKは12日朝には、日航はエールフランス・KLMグル ープとも資本提携する方向で検討に入ったと報じた。さらに同日 昼のニュースでは、日航はデルタ側に500億円の支援を求め、 エールフランスには数十億円程度の支援を受ける方向で交渉に入 ると伝えた。

日航の広報担当の南場太郎氏は11日夜の段階で、電話取材 に対し「エールフランスに協力を打診している事実はない」と述 べた。エールフランスの広報担当、セドリック・ルールカン氏は 12日、電話取材に「日航に関するコメントはない」と答えた。

当局の承認獲得は困難か

世界の航空会社は複数のグループに分かれており、デルタや エールフランスは「スカイチーム」、日航は「ワンワールド」と それぞれ異なるグループに加盟。日航は同じワンワールドのアメ リカン航空と複数の路線で共同運航を実施している。

日本経済新聞英文ニュースは、日航がアメリカン航空に出資 を求める可能性があると報じたが、アメリカンの広報担当、ティ ム・スミス氏はこれについてコメントを控え、「日航はアメリカ ン、デルタ双方にとって非常に優れたパートナーだ」とだけ述べ た。

法律事務所ジョーンズ・デイ(ワシントン)のパートナーで 米運輸次官補を務めたアンドルー・スタインバーグ氏はデルタと 日航は日米それぞれの最大手であるため、提携の承認を当局から 得るのは「非常に困難」ではないかとの見方を示す。

同氏はまた、デルタが日米政府間の「オープンスカイ」交渉 の進展を遅延させようとしている可能性があるとも語った。同交 渉が進めば、デルタのライバルであるアメリカンにとっては追い 風となる。同氏はさらに、同交渉が行われている間は当局がデル タと日航の提携を条件付きで承認することはないだろうと指摘し、 それは交渉を事実上「葬る結果」になるだろうと述べた。

日航は今期(2010年3月期)の連結最終損益が630億円の 赤字と2期連続で損失を計上する見通し。借入金返済や機材購入 資金も必要で財務状況が悪化しており、9月末までに経営改善計 画を策定することになっている。

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