今年末に1ドル=85円、米ドル安誘導は想定できず-モルガンS証

モルガン・スタンレー証券経済調 査部長のロバート・フェルドマン氏は、11日に都内で開催したセミナ ーで、為替相場の動向に関して、日本企業の輸出回復などを背景に、今 年末に1ドル=85円程度まで円高・ドル安が進んだ後、日米の金融政 策などを受けて、来年末には同100円程度に戻るとの見通しを示した。

フェルドマン氏は、米国によるドル安誘導は考えにくいが、世界経 済の持ち直しによる輸出増と、内外金利差が拡大しない見通しを背景と する国内投資家による対外投資の低調さが円高・ドル安につながると述 べた。

フェルドマン氏の予測が当たれば、円相場は1995年7月以来の円 高・ドル安水準を記録することになる。

円は対ドルで11日に一時、約7カ月ぶりに90円68銭まで上昇し た。同氏は、足元の水準について、「大して円高ではない」と指摘。 様々な国で同じ商品を買った場合の価格を比較して算出する購買力平価 (PPP)分析で、日米の長期的な物価上昇率の格差を考慮すると、 1995年4月に記録した円の戦後最高値79円75銭は「今の50円前後に 相当する」と語った。

しかし、来年末にかけては円安・ドル高に転じると予想。「日本銀 行が今年末にかけて金融緩和措置を取る可能性がある」とみる一方、 「米連邦準備制度理事会(FRB)は来年半ばごろから徐々に政策金利 を引き上げるだろう」と語り、内外金利差が拡大するため、対外投資が 活発化すると見ている。

長期金利は年末1.15%に低下

一方、モルガン・スタンレー証の大橋英敏債券調査本部長は、日本 の債券市場に関して、デフレ観測が強いことや景気の力強い回復が見込 めないことから長期金利は今年末に1.15%まで低下すると予想する。

同社日本担当チーフエコノミストの佐藤健裕氏は、今週発足する民 主党主導の政権による公共事業や補正予算の基金などの執行凍結が短期 的に日本経済に悪影響を与える見通しを示し、景気の二番底が早まる可 能性を指摘。「年度末にかけて景気が一段と減速していくだろう。二番 底を来年4-6月、7-9月ごろとみていたが、来年1-3月に早まる 可能性がある」と語り、年末に日銀が追加利下げを行う可能性があると 見込んでいる。

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