東京外為:ドル反発、下落ピッチ警戒―円もドル除く対主要通貨で上昇

東京外国為替市場ではドルが反発。 先週からのドルの下落がやや速すぎたとの見方が広がるなか、商品相 場の下落などを手掛かりに対資源国通貨を中心にドルの買い戻しが先 行した。円もユーロなどドルを除く主要通貨に対して買われた。

ユーロ・ドル相場は前週末に1ユーロ=1.4634ドルと昨年12月 18日以来のユーロ高・ドル安水準を付けた後、週明けの東京市場では 一時、1.4516ドルまでドルの買い戻しが進行。ドル・円相場も朝方に 前週末に付けた2月12日以来のドル安・円高水準の1ドル=90円21 銭に並んだ後、一時、90円74銭まで値を戻す場面が見られた。

大和証券SMBC金融市場調査部のチーフFXストラテジスト、 長崎能英氏は、先週は米国債の入札をこなして米長期金利の低下し続 けたことがドル全面安の動きにつながったが、米長期金利がこのまま どんどん下がっていくかというと不透明な部分もある、と指摘。ただ、 「ドルの下値不安はまだある」といい、「今週どこかでクライマック ス的なドル売りがあってもおかしくない」とみている。

ドルはニュージーランド(NZ)ドルやオーストラリア・ドルに 対しても先週末に付けた昨年8月以来の安値付近から反発。ニュージ ーランドの7月の小売売上高が予想外に減少したほか、豪州とNZの 輸出の半分強を占める商品相場が値下がりしたことが、ドルの買い戻 しにつながった。

一方、欧州通貨や資源国通貨が対ドルで売られるなか、クロス円 (ドル以外の通貨の対円相場)は軟調に推移。ユーロ・円相場は前週 末に付けたユーロ安値を割り込み、一時、今月3日以来となる1ユー ロ=131円30銭までユーロ売り・円買いが進んだ。

「利食いのドル買い」先行

ユーロ・ドルは先週1週間で約300ポイントもユーロ高・ドル安 が進行。相場の勢いを判断する14日間の相対力指数(RSI)は一 時、67.72まで上昇し、ユーロが買われ過ぎと判断される目安の70に 近づいていた。

ドル・円のRSIも26.54と、ドルから見て「売られ過ぎ」の目 安となる30を下回っている。また、米商品先物取引委員会(CFT C)によると、シカゴマーカンタイル取引所(CME)国際通貨市場 (IMM)のドル・円先物取引の非商業部門の円の買い越し幅は、今 月8日時点で4万799枚と2月以来の高水準に拡大している。

新生銀行キャピタルマーケッツ部のキム・カンジャ次長は、金相 場が反落していることもあり、「朝方からモデル系のヘッジファンド など利食いのドル買いが先行している」と説明。ユーロ・ドルは1.4500 ドルにストップ(損失を限定するためのドル買い注文)もあるため、 「欧州市場に入ってもう一段利食いが入ると、ドル・円も91円あた りを試す可能性がある」と指摘している。

ドルの先安観―金利動向に注目

もっとも、米国の長短金利の低下傾向が続くなか、市場のドル先 安観は根強い。英国銀行協会(BBA)によると、3カ月物ドル建て LIBORは先週、0.299%と過去最低を記録。一方、米10年債利回 りはほぼ2カ月ぶり低水準となっている。

みずほ証券の林秀毅グローバルエコノミストは、米金利の低下傾 向を背景にドルを売って比較的金利の高い他通貨を買うという「ド ル・キャリー取引」の動きが出やすく、ドル・円相場については「日 米金利差の縮小」が材料視され、90円を突破する可能性が高いとみて いる。

ドルの下値不安がくすぶるなか、今週は米国で8月の小売売上高 や鉱工業生産指数、住宅着工件数や9月のニューヨーク連銀製造業景 況指数などの経済指標が発表される。

大和証券SMBCの長崎氏は、米国債の入札という需給要因をこ なしたことで、今週は米国のファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条 件)が米金利動向にどのような影響を与えるかが注目されると指摘。 特に「小売売上高は強めの数字が期待されているだけに、逆に悪い数 字が出た場合は、米金利の一段の低下につながり、ドルが売られる可 能性もある」とみている。

また、15日にはバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長 の講演が予定されており、金融緩和策の継続姿勢が改めて確認されれ ば、ドルを調達通貨とし、商品や資源国通貨など高利回り資産に投資 する動きが強まりそうだ。

一方、日本では16日にも民主党を中心とした連立新政権が発足 する。為替政策に大きな変更はないとみられるが、内需重視の政策な ど円高容認との思惑につながりやすい面があり、投機的な円買いが強 まる局面も想定される。

---Editors: Hidekiyo Sakihama Joji Mochida

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