吉本興業:出井氏の投資会社に売却で非上場化-資本構成再編

(ファンド出資者などを追記し、見出しを差し替えます)

【記者:松井博司】

9月11日(ブルームバーグ):東証1部上場の芸能プロダクショ ン吉本興業がソニー出身の出井伸之氏が代表を務める投資会社、クオ ンタム・エンターテイメントに506億円で買収されることが決まった。 いったん非公開化することで資本構成を再構築し、新たな成長戦略を とるとしている。

11日の発表資料によると、クオンタム・エンターテイメントは吉 本興業の全株取得を目的に株式公開買い付け(TOB)を実施する。 吉本興業もこれに賛同を表明した。買付価格は1株当たり1350円、買 収予定額は約506億円。TOB完了後、吉本興業は上場廃止となる見 通し。

クオンタム・エンターテイメントは出井氏が立ち上げた経営助言 会社、クオンタムリープが設立した投資会社。出井氏の調整でTOB の決済までに在京民放キー局5社の持株会社や電通、ソフトバンク、 大成建設、岩井証券などから合計240億円の出資を募る。三井住友銀 行、住友信託銀行、みずほ銀行からも上限300億円の融資を受けて吉 本興業を買収する。

吉本興業の筆頭株主である大成土地も、TOBには応募の意思表 示をしているという。TOB完了後、クオンタム・エンターテイメン トは吉本興業を完全子会社化し、その後吸収合併することで吉本興業 の資本構成を再構築する。

吉本興業が発表した資料によると、今回の資本再構築を目的とし た非公開化が実現すれば、簡素化された株主構成で、短期的な業績変 動に左右されず経営判断が迅速化できるとしている。

テレビ局や電話会社など出資者との資本関係を強化することで、 今後同社は吉本興業のコンテンツ(情報内容)を出資者の媒体に提供 していく「マルチユース」を目指すという。また、こうしたコンテン ツやビジネスモデルをアジアでも展開し、停滞するコンテンツ市場で の新たな成長策を模索するとしている。

この日の吉本興業の株価終値は前日比49円高の1341円。同社株 はTOBの正式発表前から急反発していた。10日の相場でも同社が計 画する株式の非上場化をめぐり、ファンドが週明けにも吉本興のTO Bを実施する方針を固めたとの一部報道で大幅に上昇し、約1年3カ 月ぶりの高値となっている。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE