ドル、「スパイラルなドル売り」-1月安値割れだと「底なし」に

ドル・円相場が心理的な節目である 1ドル=90円を割り込んだ場合「スパイラル的なドル売り」に陥る。東 海東京証券金融市場部トレーディンググループマネージャー、二瓶洋氏 は11日のブルームバーグ・ニュースとのインタビューでドル安が加速す る可能性を指摘した。今年1月に付けた1995年7月以来のドル安値87円 10銭付近を下抜ければ、ドルの底が見えなくなると言う。

11日の東京市場では午後2時25分現在までに、ドルが対円で一時1 ドル=91円13銭で下落し、2月13日以来の安値を記録した。対ユーロで も1ユーロ=1.4621ドルと年初来の安値を4営業日連続で更新した。

二瓶氏は、ドル売りを促している要因として「もともと商品価格か ら始まった今回の相場だが、米長期金利の低下や中国による外貨準備多 様化、米銀格付けの『ネガティブ』見通し据え置き、国連などが提唱す る新準備通貨の議論」などを例に挙げている。

また、米国の通貨政策について、「介入姿勢も見受けられず、緩や かなドル安に傾きつつあると」と分析。各国中央銀行や機関投資家の「 ドル資産離れ」が起きているなかで、「流れは短期的なドル売りから中 期的なドル売りに移行しているようにみえる」と語る。

「スパイラル的なドル売り」

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル指数は一時76.625と08年9月25日以来の水準まで低下。3月につ けた年初来高値からは14%下げている。

二瓶氏は、ユーロ・ドル主導のドル売りの流れのなか、他通貨に 比べてドル・円は出遅れている状態であり、「いずれキャッチアップ しに行く可能性がある」と指摘する。

二瓶氏によると、当面はフィボナッチ分析で1月の安値と4月に 付けた戻り高値の101円45銭付近の76.4%戻しにあたる90円50銭近辺 が支持線として意識されるが、ノックアウト・オプションなどが設定 されている90円ちょうどを突破すれば、本格的なドルの投げ売りが始 まるという。

また、90円を突破しドル安・円高が加速する局面では「輸出関連 株が売られて、日本株をはじめ世界的な株安が必ず続いてくる」と予 想。「世界的な株安により安全資産である米国債が買われ、米長期金 利の低下がドル売りに拍車を掛けるという、スパイラル的なドル売り に陥る可能性がある」としている。

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