日本株は円高警戒で輸出中心反落、SQ通過で先物買い一巡-鉄鋼も

週末の日本株相場は反落。為替相 場の円高傾向が警戒され、トヨタ自動車やホンダ、NECなどの輸出関 連株中心に下げた。民主党が掲げる環境政策はコスト増につながるとの 見方から、新日本製鉄やJFEホールディングスなどの鉄鋼株も安い。

日経平均株価の終値は前日比69円34銭(0.7%)安の1万444円 33 銭。TOPIXは同8.08ポイント(0.8%)安の950.41。東証1 部の業種別33指数は28業種が下落、上昇はわずかに5業種。

楽天投信投資顧問の大島和隆CEO(最高経営責任者)は、「国内 企業業績の通期予想の上方修正をマーケットは期待してきたが、為替相 場が現状の円高水準のままであれば、期待がはく落することになる」と 指摘した。ドル・円相場が1ドル=90円を割れれば、「日経平均は1 万円を下回る可能性もあろう」という。

午前の日経平均は上昇する場面があるなど方向感に欠けたが、午後 は明確に下げ基調となり、一時100円以上安くなった。朝方算出され た株価指数先物・オプション9月限の特別清算値(SQ)は、複数証券 の調べによると日経平均型で1万541円92銭。その水準を一度も上回 らず、相場の勢いは乏しかった。

SQ算出に伴う思惑を背景に、先物主導で上昇してきた日本株。し かしSQを通過し、着々と進みつつある円高の動きが警戒され始めてい る。午後の東京外国為替市場では、一時1ドル=91円ちょうどと2月 13 日以来の円高・ドル安水準となった。主要6通貨に対するドルの実 効相場(インターコンチネンタル取引所、ICE)は11日に一時

76.572と、昨年9月以来の安値を付け、ドル安懸念の強さを示す。

日本時間午前11時に発表された中国の鉱工業生産や小売売上高な ど複数の経済指標は景気の底堅さを示したが、投資家のリスク志向から 円が買われ、結果として日本株相場に重しとなった。TOPIXの下落 寄与度1位は輸送用機器指数。朝方は高かった電機指数も、午後には下 落に転じた。

日興コーディアル証券エクイティ部の西広市部長は、「来週は鳩山 新政権が誕生するが、政策の行方が気になる。その後の為替相場や外国 人投資家動向に注目している」という。

鉄鋼株の下げも目立った。ゴールドマン・サックス証券では、民主 党政権による新環境政策は膨大なコスト負担になるとの業界レポートを 発行。「日本の鉄鋼業界の競争力がますます弱まる可能性がある」と指 摘している。

東証1部の騰落銘柄状況は、値上がり370、値下がり1218。売買 高は27億8877万株、売買代金は2兆1585億円と、SQ算出に絡む売 買の影響で膨らんだ。

長谷工100円割れ、電化や吉本、国際帝石高い

個別では、第三者割当で転換社債型新株予約権付社債(CB)を発 行すると発表、これを受けクレディ・スイス証券が投資判断を引き下げ た長谷工コーポレーションが急落し、8月20日以来の100円割れ。ボ ーイングの新型航空機の納入延期の影響などから10年3月期の連結純 損益が2億円の黒字予想が一転、8億円の赤字となる見通しの東邦チタ ニウムも大幅反落した。

半面、特別利益の発生で10年3月期の最終利益予想を上方修正し たインプレスホールディングス、KBC証券が投資判断を「ポジティ ブ」に格付けしたキヤノンマーケティングジャパンが大幅続伸。電子材 料の販売数量の回復を受けて10年3月期の業績予想を上方修正し、通 期の配当予想を引き上げた電気化学工業も買われた。

TOB(株式公開買い付け)を週明けにも実施する方針と11日付 の毎日新聞が報じた吉本興業が続伸。業種別では、海外原油先物価格の 上昇を受けて国際石油開発帝石など鉱業も高く、相場全般を下支えした。

新興3市場は高い、新規上場は明暗

新興3市場は軒並み上昇。ジャスダック指数は前日比0.1%高の

50.32、東証マザーズ指数は同0.8%高の463.19、大証ヘラクレス指 数は同0.1%高の640.51。個別では、米国でリチウムイオン電池の正 極材素材製造法の特許を取得した田中化学研究所が大幅続伸。8日にパ ナソニック電工と住宅分野での業務提携を発表したエプコが大幅高。

半面、消費者の生活防衛意識の高まりから10年1月期の業績予想 を下方修正したナイスクラップが大幅反落。セイクレスト、日本エスコ ン、ワークスアプリケーションズなどの下げが目立った。

またきょうは、およそ2カ月ぶりに新規株式公開(IPO)があり、 2銘柄がジャスダックに新規上場した。化粧品メーカーのシーボンの初 値は1830円と公開価格の1830円を1.6%下回り、終値も1790円。一 方、化粧・雑貨の企画や製造を行うSHO-BIの初値は、公開価格比 89%高の720円。終値は802円で、一時882円まで上げるなど明暗を 分けた。SHO-BIの最低売買金額の少なさや、シーボンは新株発行 を伴わない売出しのみだったため、事業展開力の違いなどを指摘する声 が市場で聞かれた。

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