債券相場は堅調、現物好需給や米債上昇が支え-GDP下方修正も好感

債券相場は堅調(利回りは低下)。 金融機関の潤沢な運用資金を背景とする好需給のほか、前日の米債相場 上昇が買い材料視された。4-6月期の国内総生産(GDP)の2次速 報値が下振れたこともあり、中期から超長期債まで幅広く買われた。

岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は、GDP統計な どから景気認識が慎重になり、もともと需給が良好な現物市場で金利水 準を押し下げたと指摘。「米国の金利も安定するなかで、来週の10年 債利回りは1.2%台での低下余地を探る展開」とも予想する。

東京先物市場の中心限月12月物は、前日比17銭高い139円10銭 で取引を開始。国内株価が下げに転じるなか、一時は30銭高の139円 23銭まで上昇した。その後いったんは139円8銭まで上げ幅を縮めた が、午後には139円10銭台で推移し、結局は22銭高い139円15銭で 引けた。日中売買高は1兆7095億円。

今週は5年国債入札が順調な結果だったこともあり、市場で銀行勢 を中心におう盛な需要が意識されていた。さらに、前日の米債相場が大 きく上昇したことや、日本のGDP下振れなどが買い材料視された。

4-6月期の実質GDP2次速報値は前期比0.6%増、年率換算で は2.3%のプラス成長と、1次速報値の年率3.7%成長から下方修正さ れたことも債券相場を支えた。岡三アセットの山田氏は、景気回復のい わば象徴でもあった4-6月期のGDPが下振れたことは、債券市場関 係者の景況感にも影響しており、「外部環境面ではしばらく相場の追い 風になる」との見方を示した。

先物12月物は午前の取引で一時、前日に取引最終日を迎えた9月 物の終値139円30銭に接近する場面もあった。BNPパリバ証券の山 脇貴史シニア債券ストラテジストは、限月交代直後の12月物が139円 台で推移することによって、9月物との限月間格差を一気に埋める格好 となっていることも、相場の地合いの強さをうかがわせる動きだと指摘 していた。

10年債利回りは1.300%

現物市場で新発10年物の303回債利回りは、前日比1.5ベーシス ポイント(bp)低い1.31%で始まり、開始後しばらくは同水準での推 移となった。午前の取引終盤以降は1.305-1.31%で取引されたが、午 後3時過ぎに2.5bp低い1.300%に低下した。午後4時10分時点でも

1.300%で取引されている。

新発10年債利回りは週初に1.355%に上昇して、3週間ぶりの高い 水準で取引されたものの、その後は中期ゾーンがけん引する格好で金利 に押し下げ圧力がかかっている。BNPパリバ証の山脇氏は、2年や5 年債には銀行勢中心に需要が強いだけに、足元は好需給に支えられて金 利低下余地を探る展開だといい、「10年債利回りも引き続き1.2%台を うかがう流れではないか」とみている。

この日は中期から超長期ゾーンにかけて、幅広い年限に買いが入っ た。新発2年債利回りは0.5bp低い0.205%、新発5年債利回りは2bp 低下の0.575%といずれも2005年9月以来、4年ぶりの低水準を記録し た。20年物の112回債利回りは2.5bp低い2.045%となった。

一方、2年や5年債利回りが4年ぶり低水準に到達して、急激な金 利低下への警戒感もくすぶる中、来週以降には現物需給が緩むとの指摘 も出ていた。みずほ証券の三浦哲也チーフマーケットアナリストは、再 来週の5連休前の現物債取引の受け渡しを意識した投資家からの駆け込 みの買いが続いたとしながらも、「こうした特殊な買いが一巡すれば金 利低下が一段落する可能性が高まる」との見方を示した。

景気回復に陰り

この日に発表されたGDP統計は設備投資の減少と在庫削減を背景 に下方修正された。損保ジャパン・アセットマネジメントの平松伸仁シ ニアインベスメントマネジャーは、「景気の二番底観測とのコンセンサ スはできていないが、債券市場は力強い回復に懐疑的な見方が多い」と したうえで、引き続き金利低下の基調が続くとみていた。

実際、今週は景気回復モメンタム(勢い)の陰りを意識させる指標 が目立った。これまで市場の景況感の改善をけん引した景気ウォッチャ ー調査では、8月に景気の現状判断DIが8カ月ぶりに低下。また、7 月の機械受注統計では船舶・電力を除く民需が前月比9.3%減と予想対 比で下振れた。受注額が2カ月ぶりに過去最低を更新するなど企業の設 備投資に対する慎重姿勢が続いていることを示した。

岡三アセットの山田氏は、債券市場で景気の先行き不透明感が一段 と強まったといい、「中間期末に向けて利益確保の売りが出る場面があ っても、一定の債券残高を維持しておきたいとの意向が強まる可能性が 高く、金利がもう少し低下してもおかしくない」と読む。

--取材協力:池田祐美 Editor:Hidenori Yamanaka, Joji Mochida

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