中部電力:元ABNアムロのリスク管理専門家を採用-ヘッジ強化で

液化天然ガス(LNG)や石炭 の消費量で国内電力第2位の中部電力が、元ABNアムロ証券の土屋 正法氏(41)を8月に経営戦略本部企画グループのスタッフ課長と して採用したことが11日までに分かった。石炭や液化天然ガス(L NG)といった火力発電用燃料の価格が変動する中、変動リスクのヘ ッジを強化する。

土屋氏によると、同氏はABNアムロ証券東京支店のトレーディ ングリスク・マネージメント部で、10人の部下を率いるディレクタ ーとして信用リスクの管理などを担当。約4年間のABNアムロでの 勤務前は、みずほ証券リスク管理部で同様の業務に携わっていた。

中部電力の鬼頭大介広報担当は「燃料の調達や価格にはさまざま な変動要素があり、このリスクの管理が狙い」と述べた。その上で 「土屋氏はリスクマネージメントの専門家であるため、このスキルを 活用し事業に貢献していただきたい」と強調した。

ドイツ証券の直原知弘アナリストは「ここ1-2年の原油価格の 異常な上昇を受け電力会社の中でヘッジに対する意識が高まっている なか、中部電力は素早いアクションを取った」と評価。「今後も価格 の動きを注視しながら、他の電力会社がこういった動きに追随するこ とはあり得る」と指摘した。

中部電力のデータによると2008年度の全発電電力量に占める火 力発電の割合は72%。この割合は電力10社では52%で、中部電力 が他の電力会社よりも石炭やLNG、原油などを燃料とする火力発電 に高く依存していることが分かる。

財務省の貿易統計によると、08年度の石炭(一般炭)輸入価格 は57%上昇。液化天然ガスの輸入価格も30%上昇している。同社は 09年3月期に189億円の純損失を計上。最終赤字となるのは1980 年3月期以来初めて。燃料価格の上昇で火力燃料費は前の期比351 億円増加した。

価格変動のリスクヘッジを目的とした金融機関からの人材起用で は、国内電力最大の石炭ユーザーJパワーも今月、バークレイズ・キ ャピタル証券コモディティーズ部の元ディレクター、黒田豊彦氏を採 用している。

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