4-6月実質GDPは年率2.3%増に下方修正-最悪期脱す

4-6月期の日本の国内総生産(G DP)2次速報値は前期比年率2.3%増と、1次速報値から下方修正 された。在庫投資や設備投資などが下方修正されたことが主因。5四 半期ぶりのプラス成長に変わりはなく、輸出と景気対策の効果により 日本経済が最悪期を脱したことをあらためて示した。

内閣府が11日発表した四半期別国民所得統計(2次速報)による と、今年4-6月期の実質GDPは前期比0.6%増となった。1次速 報では同0.9%増(年率換算3.7%増)だった。設備投資は前期比4.8% 減(1次速報では4.3%減)に下方修正された。成長の原動力となっ た輸出は同6.4%増(同6.3%増)、GDPの約6割を占める個人消費 は政府の景気刺激策の効果が表れ、同0.7%増(同0.8%増)だった。

成長率を最も押し下げたのは民間在庫品の増加で、成長への寄与 度はマイナス0.8%と一次速報時の同マイナス0.5%から下方修正さ れた。これは1999年1-3月期に記録したマイナス1.0%以来のマイ ナス幅となる。林芳正経済財政相は11日午前の閣議後会見で、「全体 として在庫調整自体が進んでいることは良いことだと受け止めてい る」と評価した。

大和総研の熊谷亮丸シニアエコノミストは「在庫調整の迅速な進 展が確認されたとの評価も可能で、必ずしも景気にネガティブな内容 ではない」と指摘。クレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミ ストも「今後、在庫投資は安定あるいは若干の積み上げが予想され、 景気にとってはむしろポジティブととらえられる」との見方を示した。

設備投資は雲晴れず

日本経済は昨年10-12月期に戦後2番目の減少率となる前期比 年率12.8%減(改定)を記録、今年1-3月も戦後3番目となる同

12.4%減(同)。改定の結果、第1次石油危機後の1974年1-3月期 の前期比年率13.1%減が戦後最悪となった。4月以降は企業の在庫調 整や海外経済の持ち直しに伴い輸出や生産が増えたほか、景気対策で 消費も喚起された。ただ、経済活動の水準は低く、雇用所得環境が悪 化する中、民需中心の自律的回復は見えていない。

林経財相は、設備投資の減少幅が小幅増加したことついて、企業 経営者は雇用や設備投資について、ある程度先を見ながら判断するこ とから、「すっきりと雲が晴れていない」との認識を示した。

ドイツ証券の松岡幹裕チーフエコノミストは、「7-9月期以降の 設備投資は大幅な減少面が続くとは考えないが、設備稼働率の低さを 考えれば、更新需要がやや回復する程度にとどまるだろう」とした上 で、「設備投資の回復は早くても2010年後半以降と考えられる」とし ている。

7-9月期は伸び率鈍化へ

ドル円相場は午前11時56分現在、1ドル=91円37銭で推移。 統計発表直前は同91円65銭前後だった。日経平均株価の午前の終値 は、前日比47円81銭安の1万465円86銭。債券先物市場の中心限月 (12月限)は同24銭高の139円17銭。

ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調査によると、4-6 月期の実質GDPの予想中央値は前期比0.9%増、年率換算では前期 比3.7%増と1次速報値と同じだった。

2次速報では、内需の成長率への寄与度はマイナス1.1%(1次 速報はマイナス0.7%)、輸出から輸入を引いた外需の寄与度はプラス

1.6%(同プラス1.6%)だった。また、住宅投資は前期比9.5%減(同

9.5%減)、公共投資は7.5%増(同8.1%増)となった。

エコノミストは7-9月期以降もプラス成長が続くと見込んでい るが、伸び率は4-6月から鈍化する見通し。内閣府の外郭団体の社 団法人経済企画協会が8日発表した民間エコノミストを対象としたE SPフォーキャスト調査 (回答期間8月25日-9月1日:回答数38 人)によると、7-9月期の実質成長率(前期比年率)は平均1.96% と前回調査(7月27日-8月3日)の2.12%から下方修正された。

公共事業執行停止の影響

みずほ総研の草場洋方シニアエコノミストは7-9月期の実質G DPについて、「国内需要の脆弱(ぜいじゃく)さを外需と政府の景気 対策が下支えした4-6月期と似たような姿となりそうで、小幅なが らプラス成長が維持される」との見方を示した。

草場氏はまた、今回政権交代が実現したことで「今後の景気の経 路にも無視できない影響が及ぶことが予想される」と指摘、公共事業 の執行停止などで09年度下期の公共需要が下振れる可能性が高まり そうだとしている。

これに関連して林経済財政相は、「マクロ経済的にみても、いろ いろなマイナスの効果が出てくると思う」と述べ、「経済は正念場な ので、マインドに与える影響も含めて慎重にやっていただきたい」と 注文をつけた。

足元の指標では、既に弱めの数字が相次いでいる。8月の景気ウ オッチャー(街角景気)調査によると、景気の現状判断DIは8カ月 ぶりに悪化した。天候不順で夏物衣料の売り上げが不振だったことや、 新型インフルエンザの流行の影響で、旅行関連のキャンセルが増えた ことなどが響いた。国内民間設備投資の先行指標である船舶・電力を 除く民需(コア機械受注)は、7月に前月比で2カ月ぶりに減少し、 受注額は過去最低を更新した。

名目GDPはマイナス

4-6月期の名目成長率は前期比0.5%減、年率換算では2.1%減 と1次速報時の前期比0.2%減(年率換算0.7%減)から下方修正され た。名目GDPを実質GDPに変換する際に用いられる物価指数のG DPデフレーターは前年同期比0.5%上昇と1次速報値と変わらなか った。ただ、国内需要デフレーターは同1.8%低下と1次速報の1.7% 低下からマイナス幅が拡大した。

内閣府は4月末の経済見通し試算で、09年度の実質成長率を

3.3%減としているが、同数値を達成するためには、7-9月期以降、 各四半期で前期比0.3%程度(年率1.3%程度)の成長が必要で、1次 速報時の前期比0.0%減程度(年率0.1%減程度)から、若干ハードル が高くなった。

--取材協力 Minh Bui Editor Hitoshi Ozawa,Masaru Aoki, Norihiko Kosaka

To contact the reporter on this story: Jason Clenfield in Tokyo at jclenfield@bloomberg.net; 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo yokubo1@bloomberg.net シンガポール Michael Dwyer mdwyer5@bloomberg.net

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