A格下位銘柄に復活基調、日産が東芝に次ぐ起債-700億円(Update2)

社債市場でA格付け低位企業の起債 に復活の兆しが出てきた。信用不安の後退と世界的に金融緩和政策が継 続する中で、これまで購入に慎重だった投資家が触手を伸ばし始めてい ることが背景にあると市場関係者はみている。

日産自動車は11日、起債額700億円の国内普通社債(SB)の発行 条件を決定した。ブルームバーグ・データによると、2008年9月の米 リーマン破たん以降、製造業が法人向けに発行した社債の中でA-(格 付投資情報センター)といったA格付けの下位にあたる銘柄は、今年9 月3日起債の東芝債(200億円)が初めてで、この日に発行条件を決め た日産債は2件目。金融危機の影響で大きく業績が落ち込んだ総合電 機、自動車メーカーの社債発行が同時期に復活したことになる。

日産の国内SB発行は、07年6月の起債(1000億円)以来、2年3 カ月ぶり。今回は、第48回債(3年債)350億円と第49回債(5年債) 350億円の2本建て。表面利率はそれぞれ、1.453%、1.931%。発行価 格は2本とも100円で決まった。募集開始は11日午前9時50分、均一 価格販売リリース(完売宣言)は同9時52分で瞬間的な完売となった。

国債利回りに対する金利上乗せ幅はそれぞれ+115bp、+135bp (1bp=0.01%)だった。主幹事は、みずほ証券(事務)、三菱UFJ 証券、日興シティグループ証券が共同で務める。格付けは、R&Iか らA-を取得する。

第一生命保険債券部の原田浩志次長は、日産の社債発行について 「需給関係など起債環境の改善を象徴するものだ。だが、景気の先行き には懸念されるところもあり、今後の日産の業績にも不透明感が残る」 とコメントした。国債対比で、金利上乗せ幅(bp)が3けただったこ とについては、「現在、ここまで厚みのある銘柄はみられない」といい、 この観点からは投資妙味のある水準との認識を示した。

事務幹事のみずほ証券デット・シンジケーション部担当者によると 、当初200億円から行った日産債の需要調査は、強い需要を反映して 大幅な増額発行となった。A格下位債が発行できたことで、後続案件 につながる起債とみている。

共同主幹事の日興シティグループ証券デット・シンジケート部担 当者は、2年ぶりの起債とあって、投資家が要求する金利上乗せ幅の 水準が定まっていなかったこともあり、時間をかけて需要調査を行っ たと指摘。発行体のIR活動や良好な需給関係もあって、生保、信託 、投信・投資顧問、系統下部、諸法人などに販売できたという。3年 債では、公的部門も購入した。

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