今日の国内市況:株式1万500円台回復、中期債堅調-円は92円中心

日本株相場は反発。欧米を中心と した世界株式や資源国通貨が上昇傾向にあり、投資マネーがリスク志 向を強めている影響を受けた。前日まで下げの目立った銀行株を中心 に、東証1部の業種別33指数はすべて上昇。しかし、売買代金が低調 にとどまるなど薄商いの中、先物主導で上昇した側面が強かった。

日経平均株価終値は前日比201円53銭(2%)高の1万513円 67銭。TOPIXは同18.65ポイント(2%)高の958.49。

欧米市場における株高の流れを受けて、朝方から上昇基調にあっ た日経平均は午後に入って一段高。この日の高値圏で終了し、7営業 日ぶりに1万500円台を回復した。東証1部の騰落銘柄状況は値上が り1377、値下がり220。

終日上げを主導したのは銀行株。前日の東証銀行指数は終値で7 月16日以来の安値となったが、きょうは業種別33指数の値上がり率 1位。民主党が総選挙に勝利して以降、前日までの業種別値下がり率 上位は1位銀行(9.4%安)、2位証券(7.1%安)、3位その他金融(6.6% 安)。新政権の政策不透明感や、世界的な銀行の自己資本規制強化観測 などから金融株の下げが顕著だった。しかしきょうは、こうした懸念 が後退した。

こうした動きの背景にあるのが、世界的なリスク資産への資金流 入だ。米S&P500 種、英FT100、独DAX、仏CACなど欧米の主 要株価指数は前日の取引で軒並み2008年10月以来の高値を終値で更 新、台湾加権、インドSENSEX30指数はこの日の取引時間中に08年6 月以来の高値を付けた。また、資源国通貨の代表である豪ドルは、対 ドルで約1年ぶりの高値圏だ。

東京時間の為替市場で、一段と円高が進まなかったことも、ドル 不安の後退につながった。前日のニューヨーク時間のドル・円相場は 一時1ドル=91円61 銭と、2月中旬以来の円高・ドル安水準を更新 したが、東京市場では92円台前半で推移。株式市場では、輸出関連株 が買い戻され、TOPIXの上昇寄与度上位には電気機器、輸送用機 器が入った。

もっとも、市場エネルギーは低調なままだった。東証1部の売買 代金は1兆3706億円と、前日までの過去1年間の平均1兆5666億円 を下回った。前日に、7営業日ぶりに20億株を回復した売買高も19 億8658万株と減った。

債券はもみ合い、中期ゾーンは堅調続く

債券市場では中期債相場が堅調(利回りは低下)。朝方に発表され た7月の機械受注統計が市場予想比で下振れしたことで金融緩和政策 の長期化観測が強まり、中期債への買いが継続した。一方、先物市場 では中心限月が期先の2009年12月物に移行した。

東京先物市場で中心限月12月物は前日比3銭安い138円90銭で 始まった後、いったんは16銭高の139円9銭まで上昇した。その後は 株高加速を警戒した売りに押されて、23銭安の138円70銭まで値を 下げた。結局、前日比変わらずの138円93銭で引けた。日中売買高は 2兆1453億円。一方、9月物の売買高は5969億円にとどまった。

内閣府が10日発表した7月の機械受注統計(船舶・電力を除く民 需)は前月比9.3%減少と、2カ月ぶりの減少に転じた。ブルームバ ーグ・ニュースの調査では前月比3.5%減少が見込まれていた。

現物債市場で新発10年物の303回債利回りは前日比0.5ベーシス ポイント(bp)低い1.32%で始まった後、いったんは1.315%まで低 下した。その後は徐々に水準を切り上げ、1bp高い1.335%まで上昇 したものの、午後の取引では横ばい圏で推移している。午後3時39 分時点では前日比変わらずの1.325%で取引されている。

中期債相場が前日に続いて堅調だった。投資家の運用難に加えて、 機械受注が弱い内容となったことから買いが継続したもよう。新発5 年債利回りが一時は2bp低い0.59%となって、再び0.6%台を割り込 んだほか、新発2年債利回りは0.5bp低い0.215%と、連日で約4年 ぶりの低水準をつけた。

一方、超長期債が弱含み。新発20年債利回りは一時1bp高い

2.075%まで上昇した。来週15日実施の20年債入札を踏まえて売りが 出やすい地合いとなっていた。

ドルと円が対ユーロで弱含み

東京外国為替市場では、ドルと円が対ユーロで弱含み。株高を背 景に投資家のリスク選好度が高まるなか低金利のドルや円に売り圧力 がかかった。特に、米短期金利が過去最低水準に低下しているのを背 景にドルの先安観は強く残った。

ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.45ドル台半ばを中心に小動きが 続いていたが、午後には1.4586ドルまでドルが軟化。欧州市場に向け てもドル離れを意識した取引に終始した。

ユーロ・円相場は1ユーロ=134円ちょうどを割り込む場面もあ ったが、午後には134円38銭までユーロ買い・円売りが進行。前日に 付けた8月28日以来の円安値まであと3銭と迫った。

また、ドル・円相場は1ドル=92円台前半を中心にもみ合いなが らもドルの上値が重い展開が続き、一時は前日の海外市場に続き、91 円台に突入する場面も見られた。

前日の米株式相場は上昇し、S&P500種株価指数は11カ月ぶり 高値を記録。10日の東京株式相場も反発し、アジア株も中国株など一 部を除き、堅調な展開となっている。

株高は投資家のリスク志向の高まりにつながるため、為替市場で は高金利通貨が買われて、低金利のドルや円に売り圧力がかかりやす くなる。特に前日のロンドン銀行間市場では3カ月物ドル建てロンド ン銀行間取引金利(LIBOR)が0.299%と過去最低水準に低下。 市場ではドルの先安観測が強まっている。

一方、オーストラリア・ドルは、同国の8月の雇用者数が予想を 上回る減少となったことから反落。前日には対ドルで昨年8月以来の 高値1豪ドル=0.8669ドルを付けたが、この日のアジア市場では0.85 ドル台後半まで値を下げている。

ニュージーランド・ドルも下落。ニュージーランド(NZ)準備 銀行(中央銀行)は10日の金融政策決定会合で政策金利を過去最低の

2.5%に据え置くことを決定。ボラード総裁は同日の議会証言で、NZ ドルは経常赤字の拡大とともに下落するとの見通しを示した。

この日はイングランド銀行(英中央銀行、BOE)とカナダ中央 銀行の金融政策決定会合も予定されている。イングランド銀は資産買 い取りプログラムの規模を現行の1750億ポンドに据え置く公算が大 きく、政策金利も過去最低の0.5%で維持するとみられている。

カナダ中銀も政策金利を過去最低の0.25%に据え置くと見通し。 前回7月の会合ではカナダ・ドル高が景気回復の抑制要因になってい ると指摘しており、当時より一段高となっているカナダ・ドルについ てどのような見解が示されるかが注目される。

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