インドネシア住民が全面敗訴、日本のODAで初の司法判断

日本の政府開発援助(ODA)に よるダム建設で転居を余儀なくされて生活水準が低下したなどとして インドネシア住民8400人が日本政府や国際協力銀行に420億円の損害 賠償を求めていた民事訴訟で東京地裁は10日、住民側の請求を全面的 に却下した。ODAをめぐる初めての司法判断で、原告側は敗れた。

中村也寸志裁判長は判決で、「住民の移住は借り入れ側政府の内政 問題だ」と述べ、日本政府への損害賠償請求に根拠はないと結論付け た。ダム撤去を含む原状回復措置のインドネシア政府への日本政府に よる勧告請求も退けられた。原告側の「コタパンジャン・ダム被害者 住民を支援する会」によると、日本のODAを裁く裁判は過去に例が ない。

この訴訟はスマトラ島のコタパンジャン・ダム(1996年完成)建 設で住居移転を迫られた住民が2002年9月と2003年3月に起こした。 ダム水門を開けて河川を含む環境を復帰・復元させることや1人当た り500万円の損害賠償・慰謝料を求めた。訴えられたのは日本政府、 国際協力銀行、国際協力機構と東京電力関連会社の東電設計。

原告側の浅野史生弁護士は東京地裁内で記者会見し、一審判決に ついて「非常に怒りを持っており、高裁で徹底的に問題を追及したい」 と控訴する方針を示した。原告の1人イスワディ氏は通訳を介して「日 本の援助によるダムの被害に日本は何の責任もないことは大変残念で 怒りを感じている」と述べた。

国際協力機構は訴訟についてサイト資料で、「ダム建設の計画立案 調査をして結果をインドネシア政府に提言したが、何ら損害賠償請求 の原因となるような法的責任を生じさせるものではないという立場を 裁判所に対して述べた」と記述している。

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