シャープ:社債を増額発行、投資家の強い需要で-慎重論も

液晶テレビ国内最大手のシャープ が10日に募集を行った国内普通社債(SB)は発行額が総額1500億円 となり当初予定していた1000億円を大幅に上回った。共同主幹事証券 や発行企業によると、投資家の強い需要を受けて即日完売となった。

ブルームバーグ・データによると、発行額が1000億円規模の大型 社債(銀行債除く)は直近で7月発行のダイキン工業債(1000億円) 以来となる。6月にはソニーが2200億円、トヨタ自動車が1300億円、 第一三共が1000億円をそれぞれ募集したが、大型起債は細る傾向にあ った。

条件は発行体寄り

同社が財務省に提出した発行登録追補書類によると、この日に法人 向けとして起債したシャープ債は5年物が1000億円、7年物が200億 円、10年物が300億円の3本建て。表面利率はそれぞれ0.846%、

1.141%、1.604%で、発行価格は3本とも100円。

主幹事は野村証券(事務)、みずほ証券、大和証券SMBCが共同 で務める。

野村証によると国債利回りに対する金利の上乗せ幅(スプレッド) は+25bp、+27bp、+28bp(1bp=0.01%)でそれぞれ決まった。格付 けは、格付投資情報センター(R&I)のAA-を取得する。発行日は 16日。償還を迎えるコマーシャルペーパー(CP)などの短期借り入 れを長期へ振り替える。

スプレッドは、投資家の強い購買意欲を背景に今年3月から大幅に 縮小した。世界的な金融不安の後退と低金利政策の継続などが投資家の 債券需要を促し、5年債は前回の+65bpから40bp、10年債は+75bpか ら47bpの縮小幅だった。

長期年限には、慎重な声も

UBS証券の後藤文人クレジット調査部長は、運用難の中、投資家 の資金が社債市場に流入していると指摘している。ただ、「シャープの 大型投資や韓国のサムスン電子など外国勢との競争や8400億円超の有 利子負債の額を考えると、財務が安定化したとは言えず、スプレッドの タイト(発行企業寄り)感は否めない」という。

T&Dアセットマネジメントの宮田遵チーフファンドマネージャー も、「現在の需要が強い市場環境では妥当な価格だろう。ただ主力の液 晶ディスプレイは世界的な価格競争があり、業績の下ぶれリスクが気に なり、7年、10年などの長い年限には慎重にならざるを得ない」と語 った。

事務幹事の野村証券デット・シンジケート課担当者によると、当初 5年債700億円、7年債100億円、10年債200億円の計1000億円で需 要調査を開始。利回りレンジは発行額の大きさを考慮して、5年債が+ 23bpから+30bp、7年債が+27bpから+33bp、10年債が+28bpから+ 35bpと幅広い上乗せ金利を提示していたが、最終的に+25bp、+27bp、 +28bpで決まったという。

また、シャープの「ダブルA格」の信用力や知名度などが評価されて ほほ全業態の投資家に順調に販売できたという。

シャープ広報室中山みゆき氏は、社債発行で確保する資金使途につ いて、「CPなどの短期資金を長期に振り替えることで資金調達の安定 化を図る」と語った。ブルームバーグ・データによると同社の国内SB 発行は、今年3月の起債(500億円)以来6カ月ぶり。

--取材協力 Mariko Yasu Editors:Hidekiyo Sakihama,Hidenori Yamanaka

参考画面:記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 上野 孝司 Takashi Ueno +813-3201-8696 tueno@bloomberg.net 東京 宮沢祐介 Yusuke Miyazawa +813-3201-2698 ymiyazawa3@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +813-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net Singapore William Mcsheehy +65-6212-1140 Wmcsheehy@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE