東京外為:ドルと円が対ユーロで弱含み、リスク選好向上で売り圧力

東京外国為替市場では、ドルと円 が対ユーロで弱含み。株高を背景に投資家のリスク選好度が高まる中 超低金利のドルや円に売り圧力がかかった。特に、米短期金利が過去 最低水準に低下しているのを背景にドルの先安観は強く残った。

ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.45ドル台半ばを中心に小動きが 続いていたが、午後には1.4586ドルまでドルが軟化。欧州市場に向け てもドル離れを意識した取引に終始した。

みずほコーポレート銀行国際為替部の宮地崇調査役は、「商品市 況が再び上昇しているし、株価も世界的に底堅いという状況で、リス ク志向の高まりのなかでドルが売られやすい地合いになっている」と 説明する。

ユーロ・円相場は1ユーロ=134円ちょうどを割り込む場面もあ ったが、午後には134円38銭までユーロ買い・円売りが進行。前日 に付けた8月28日以来の円安値まであと3銭と迫った。

また、ドル・円相場は1ドル=92円台前半を中心にもみ合いなが らもドルの上値が重い展開が続き、一時は前日の海外市場に続き、91 円台に突入する場面も見られた。

宮地氏は、「9月末の期末を控えていることもあり、ドル・円は円 買い需要の方が非常に強いという需給的な環境も後押しし、今回は円 売りよりもドル売りで、ドルの上値が重い」と指摘している。

リスク志向

前日の米株式相場は上昇し、S&P500種株価指数は11カ月ぶり 高値を記録。10日の東京株式相場も反発し、アジア株も中国株など一 部を除き、堅調な展開となっている。

株高は投資家のリスク志向の高まりにつながるため、為替市場で は高金利通貨が買われて、超低金利のドルや円に売り圧力がかかりや すくなる。特に前日のロンドン銀行間市場では3カ月物ドル建てロン ドン銀行間取引金利(LIBOR)が0.299%と過去最低水準に低下。 市場ではドルの先安観測が強まっている。

みずほ証券の林秀毅グローバルエコノミストは、米金融緩和策の 出口戦略については「とりあえず棚上げ」という理解が浸透して、流 動性供給の継続期待が短期金利の低下につながり、ドル売り圧力が強 まっていると説明。「ドル懸念」というシナリオが形成されつつあり、 トレンドはドル安に傾いていると指摘する。

豪ドルが下落―雇用減を嫌気

一方、オーストラリア・ドルは、同国の8月の雇用者数が予想を 上回る減少となったことから反落。前日には対ドルで昨年8月以来の 高値、1豪ドル=0.8669ドルを付けたが、この日のアジア市場では

0.85ドル台後半まで値を下げている。

カナダロイヤル銀行債券為替部の高安佳子部長は、「豪ドルはこ のところずっと買われていたので利益確定の売りが出やすい。ただ、 豪ドルは先進国のなかでもっとも利上げが早いのではないかと言われ ている通貨だし、相対的に金利も高いので全体的なドル安のなかで一 番買われやすく、押し目買いは強い」と語る。

ニュージーランド・ドルも下落。ニュージーランド(NZ)準備 銀行(中央銀行)は10日の金融政策決定会合で政策金利を過去最低 の2.5%に据え置くことを決定。ボラード総裁は同日の議会証言で、N Zドルは経常赤字の拡大とともに下落するとの見通しを示した。

金融政策決定会合

この日はイングランド銀行(英中央銀行、BOE)とカナダ中央 銀行の金融政策決定会合も予定されている。イングランド銀は資産買 い取りプログラムの規模を現行の1750億ポンドに据え置く公算が高 く、政策金利も過去最低の0.5%で維持するとみられている。

カナダ中銀も政策金利を過去最低の0.25%に据え置くと見通し。 前回7月の会合ではカナダ・ドル高が景気回復の抑制要因になってい ると指摘しており、当時より一段高となっているカナダ・ドルについ てどのような見解が示されるかが注目される。

--取材協力 吉川淳子 Editors: Hidekiyo Sakihama Hidenori Yamanaka

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