日本株は反発、銀行中心33業種すべて上げ-世界的株高、先物主導

日本株相場は反発。欧米を中心 とした世界株式や資源国通貨が上昇傾向にあり、投資マネーがリスク 志向を強めている影響を受けた。前日まで下げの目立った銀行株を中 心に、東証1部の業種別33指数はすべて上昇。しかし、売買代金が 低調にとどまるなど薄商いの中、先物主導で上昇した側面が強かった。

農林中金全共連アセットマネジメント運用部の中村一也次長は、 「予想外に強い動き」としながらも、「日本株はパワーがない。民主 党が打ち出した温暖化ガス25%削減など政策的な影響が大きい。国 内の生産は改善してきたが、年末辺りでピークを迎える懸念があり、 株価は調整する可能性がある」と、慎重姿勢だ。

日経平均株価終値は前日比201円53銭(2%)高の1万513 円67 銭。TOPIXは同18.65ポイント(2%)高の958.49。

欧米株高の流れを受けて、朝方から上昇基調にあった日経平均は、 午後に入って一段高。この日の高値圏で終了し、7営業日ぶりに1万 500 円台を回復した。東証1部の騰落銘柄状況は値上がり1377、値 下がり220。

終日上げを主導したのは銀行株。前日の東証銀行指数は終値で7 月16日以来の安値となったが、きょうは業種別33指数の値上がり 率1位。民主党が総選挙に勝利して以降、前日までの業種別値下がり 率上位は1位銀行(9.4%安)、2位証券(7.1%安)、3位その他 金融(6.6%安)。新政権の政策不透明感や、世界的な銀行の自己資 本規制強化観測などから金融株の下げが顕著だった。しかしきょうは、 こうした懸念が後退した。

インド・台湾株、豪ドル

背景にあるのが、世界的なリスク資産への資金流入だ。米S&P 500 種、英FT100、独DAX、仏CACなど欧米の主要株価指数は 前日の取引で軒並み2008年10月以来の高値を終値で更新、台湾加 権、インドSENSEX30指数はこの日の取引時間中に08年6月以来の 高値を付けた。また、資源国通貨の代表である豪ドルは、対ドルで約 1年ぶりの高値圏だ。

東海東京調査センターの中井裕幸専務は、「投資資金はリスクを 回避していたが、リスク資産に目先は戻っている」と指摘する。イン ターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数が前日の取引で約1 年ぶりの安値を付けるなど、ドル資産離れ懸念が出ていたが、「ドル 不安というより、リスク資産に流れている表れ」(同氏)という。

東京時間の為替市場で、一段と円高が進まなかったことも、ドル 不安の後退につながった。前日のニューヨーク時間のドル・円相場は 一時1ドル=91円61 銭と、2月中旬以来の円高・ドル安水準を更 新したが、東京市場では92円台前半で推移。株式市場では、輸出関 連株が買い戻され、TOPIXの上昇寄与度上位には電気機器、輸送 用機器が入った。

もっとも、市場エネルギーは低調なまま。東証1部の売買代金は 1兆3706億円と、前日までの過去1年間の平均1兆5666億円を下 回った。前日に、7営業日ぶりに20億株を回復した売買高も19億 8658 万株と減った。

日MDMやコーセル急伸、三井海洋開は急落

個別では、10日付の日経産業新聞が、売上高の4割超を占める 主力の骨接合材料の独自開発・生産に乗り出すと報じた日本エム・デ ィ・エムがストップ高(値幅制限いっぱいの上昇)。通信機器や医療 機器関連の受注が堅調に推移し、09年5-11月期の業績予想を引き 上げたコーセルが反発した。

大和証券SMBC金融証券研究所が9日付で、投資判断「4(ア ンダーパフォーム)」から「3(中立)」に引き上げた伊藤園も4営 業日ぶり反発。インフルエンザの感染の有無を調べる簡易検査で、感 度を現状の100倍に高める技術を開発したと10日付の日本経済新聞 朝刊が報じた富士フイルムホールディングスも反発。

半面、入札手続の遅れで、今期の受注額が大きく落ち込む見通し と10日付の日経新聞で伝えられた三井海洋開発は急落。モルガンス タンレー証券が投資判断を引き下げた三井ホーム、いちよし経済研究 所が投資判断を「極めて投資妙味あり」から「割安」に引き下げた東 建コーポレーションが反落した。

新興3市場も軒並み高い

国内新興3市場はいずれも上昇。ジャスダック指数は同1.3%高 の50.26、東証マザーズ指数は同2.7%高の459.72、大証ヘラクレ ス指数は同1.2%高の639.80。3指数はいずれも右肩上がりとなり、 この日の高値圏で終えた。

個別では、一部製品の受注回復などで10年3月期の業績予想を 引き上げたFCMがストップ高(値幅制限いっぱいの上昇)比例配分。 いちよし経済研究所が投資判断を「割安」から「極めて投資妙味あ り」に引き上げたそーせいグループは大幅続伸。半面、09年9月期 の単体純利益計画を前期比3.1%減の1億4900万円と、従来の同 46%増の2億2300 万円から減額したMICメディカルが7日続落。 総和地所、フルヤ金属などの下げが目立った。

--取材協力:近藤 雅岐 Editor:Shintaro Inkyo、Makiko Asai

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