7月機械受注額は過去最低、2カ月ぶり減-投資抑制続く

国内民間設備投資の先行指標であ る船舶・電力を除く民需(コア機械受注)は、7月に前月比で2カ月 ぶりに減少し、受注額は過去最低を更新した。減少率も市場予想を大 幅に上回り、基調として設備投資に対する慎重姿勢が続いている。

内閣府が10日発表した7月の機械受注統計によると、コア機械受 注(季節調整値)は前月比9.3%減の6647億円となった。比較可能な 1987年4月以降で過去最低だった5月の6682億円を下回った。前年 同月比では34.8%の減少。内訳は、製造業が前月比20.4%減、非製造 業は同2.8%減だった。6月のコア機械受注は製造業での大型案件が 寄与し4カ月ぶりに増加。7月はその反動で減少した側面もある。

マネックス証券の村上尚己チーフエコノミストは統計発表後、「前 月の大幅な受注回復で高まった『受注下げ止まり期待』が遠のくネガ ティブな結果と言わざるを得ない」とし、「生産指数は順調に回復し、 企業業績が持ち直しているが、それが設備投資回復になかなかつなが らない」との見方を示した。

機械受注は各企業が設備用機械をメーカーに発注する段階で集計 するため、実際の設備投資に半年程度先行するとされる。8月の月例 経済報告は、設備投資について「減少している」とし、前月の「大幅 に減少している」から判断を1年9カ月ぶりに上方修正した。企業は 収益面で最悪期を脱しつつあるものの、その水準は依然低く、過剰な 設備や雇用を抱える中で、新規投資には慎重だ。

反転のシグナル見えず

三井住友アセットマネジメントの宅森昭吉チーフエコノミストは 「設備投資は景気の遅行指数であるため、当面は厳しい状況が続きそ うだ」とした上で、「半年弱から半年程度の先行性を考慮し今後の設備 投資を考えると、年内は前期比で減少基調になりそうだ。まだ反転の シグナルは出ていない」と指摘した。

ブルームバーグ・ニュースの事前調査では、7月のコア機械受注 の予測中央値は前月比3.5%減。予想範囲は8.3%減から5.0%増だっ た。

内閣府は、コア機械受注の基調判断について「減少のテンポが緩 やかになってきている」と、4カ月連続で判断を維持した。内閣府が 6月末に調査・集計したコア機械受注の7-9月期の見通しは、前期 比8.6%減。内閣府の杉原茂景気統計部長は記者説明で、8月と9月 にそれぞれ前月比4.3%減であれば、同見通しを達成するとの試算を 示した。

実績が見通し上回る可能性も

大和総研の熊谷亮丸シニアエコノミストは「機械受注には下げ止 まり感が出てきており、実績は見通しを上回る可能性が高い」とした 上で、「企業の生産活動は依然として水準は低いものの回復が続いてお り、生産設備の過剰感は高原状態が続くも、さらなる悪化はないと見 込まれる」とみている。

7月の機械受注を業種別にみると、前月に原発などに利用される 原子原動機の大型案件で前月比1414.7%増加した非鉄金属業の受注 が同85.7%減少したほか、一般機械(同32.0%減)、その他輸送機械 (同50.1%減)の受注も減少要因となった。非製造業では、通信業、 その他非製造業(卸・小売り、不動産、情報サービスなど)、運輸業の 受注減がマイナスに働いた。

プリント基板製造装置やパチンコなどアミューズメント機器用部 品を手掛ける石井表記の瀬尾裕信総務課長は、受注は減少し、現時点 で先行きを見通すことは難しいとの認識を示した上で、同社の顧客が 生産能力以下で稼働しているため、新たな設備に対する需要はあまり ないと語った。

海外からの受注を示す外需は世界経済の持ち直しを受け、5499億 円と前月比で21.8%増と、2カ月連続で増加した。ただ、前年比では

45.0%減と依然大幅なマイナスが続いている。

To contact the reporter on this story: Jason Clenfield in Tokyo at jclenfield@bloomberg.net; 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保義人 Yoshito Okubo yokubo1@bloomberg.net シンガポール Michael Dwyer mdwyer5@bloomberg.net

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