NY外為:ドル下落、指数は1年ぶり安値-資金調達通貨に

ニューヨーク外国為替市場ではド ルが下落。主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(IC E)のドル指数はほぼ1年ぶりの安値をつけた。借り入れコストが記 録的な低水準にあり、ドルを売って高金利通貨を買う動きが促進され た。

リスク許容度が高まり、主要通貨の対ドルでの上昇ではノルウェ ー・クローネと韓国ウォンの上昇が目立った。米連邦準備制度理事会 (FRB)が午後に発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)で、 個人消費はなお低調だと指摘されたことが伝わると、ドルは下げ渋っ た。

ドイツ銀行の通貨戦略のグローバル責任者、バイラル・ハフィー ツ氏(ロンドン在勤)は「リスクをとって投資する際、資金調達通貨 としてドルが使われている」と指摘した。

ニューヨーク時間午後4時14分現在、ドル指数は0.4%安の

77.029。一時は0.7%安の76.803と、2008年9月26日以来の低 水準に下落した。

ドルは対ユーロで0.5%安の1ユーロ=1.4556ドル(前日は

1.4478ドル)。一時は1.4601ドルと、昨年12月18日以来の安値 をつけた。円は対ドルで一時0.8%上昇し、2月17日以来の円高・ド ル安水準となる1ドル=91円61銭まで買い進まれる場面があった。 対ユーロでは0.2%安の1ユーロ=133円99銭(同133円67銭)。

ベージュブックは「大半の地区では個人消費はなお低調だ。借り 入れ需要は弱く、多くの地区連銀は融資基準がなお厳しいと報告し た」と説明した。これを材料にドルはやや下げ渋った。今回の報告は 22―23日に開催される次回米連邦公開市場委員会(FOMC)会合で の討議資料となる。

ドルが調達通貨に

今週、ロンドン銀行間貸出金利(LIBOR)市場でドルが最も 低い調達金利通貨となり、高利回り資産を購入する際の資金調達手段 としての魅力が高まった。英国銀行協会(BBA)によると、3カ月 物ドル建てLIBORはこの日、0.299%と過去最低を記録した。一 方、スイス・フラン建ては0.307%、円建ては0.370%。

低金利通貨で資金を調達し、高金利通貨で運用するキャリー取引 が強まるとの思惑を背景に、ドルはクローネやウォンに対して下落し た。

ドル安基調の再開か

シティグループのアナリストによると、ユーロが対ドルで1.4622 ドルを上抜くと、ドルの「中期的な下降トレンドが再開する」という。

シティのアナリスト、トム・フィッツパトリック氏とシャム・デ バニ氏は9日付リポートで、この水準はユーロにとって1.4509ドル の次の「短期的な抵抗線」だと指摘。同水準はトレーディングレンジ の上限にあたり、ユーロ売り注文が大量に控えているとの見方を示し た。また、同水準はフィボナッチ分析の61.8%戻しにもあたるという。

英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RB S)の通貨ストラテジスト、グレッグ・ギブズ氏はリポートで、円が キャリー取引の調達通貨としての地位をドルに明け渡し、対ドルで上 値を伸ばす可能性があるとの考えを明らかにした。

さらに、「今後数カ月、円は対ドルで対欧州通貨で強含むだろう。 高リスク・高利回りの資産や通貨を調達する資金として、円からドル、 さらには欧州通貨への交替が続く可能性がある」と指摘した。

一方、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)の シニア為替ストラテジスト、マイケル・ウールフォーク氏は円がこの 日、対ドルでつけたほぼ7カ月ぶりの高水準は維持するのは困難かも しれないと述べた。その理由として、景気が回復することなく円が上 昇するのを日銀が容認しそうにないことを挙げた。

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