日本株は金融や輸出中心に反落、政策やドル不透明感-期末売りじわり

日本株相場は反落。次期民主党政権 の政策不透明感や、各国政府による銀行の自己資本規制強化の観測が根 強く、三菱UFJフィナンシャル・グループや野村ホールディングス、 オリックスなど金融株中心に売られた。為替相場のドル安・円高への警 戒もくすぶり、収益の先行きを不安視した売りでトヨタ自動車やソニー など輸出関連株も軟調。

ちばぎんアセットマネジメントの安藤富士男専務は、「ニューヨー ク金先物相場が一時1オンス=1000ドル台に乗せ、ドルに対する信認 が揺らいでいるのではという懸念が出ている。国内の金融機関は20日 決算が多く、組閣や大型連休も控えて様子見」と指摘した。

日経平均株価の終値は前日比81円9銭(0.8%)安の1万312円 14銭。TOPIXは同6.56ポイント(0.7%)安の939.84。東証1部の 業種別33指数は23業種が下落、上昇は10。

シカゴ先物市場(CME)日経平均先物9月物(円建て)の8日清 算値は1万415円だったが、この日の日経平均現物は1万343円と、C MEから下方水準でスタート。午後は先物主導で一段安となった。大和 証券SMBC金融証券研究所投資戦略部の高橋和宏部長によると、「先 物の買い戻しで前日は高値引けとなった。きょうはその反動が出た」と いう。

東証1部規模別指数を見ると、大型株0.9%安、中型株0.5%安、 小型株0.2%安と、大型株の下げが大きい。同指数の下落寄与度上位に は三菱UFJ、トヨタ、ホンダ、キヤノンなどが入り、銀行や輸出関連 株が相場全体の押し下げ役だったことが分かる。

民主党が総選挙に勝利して以降、前日までの業種別指数の値下がり 率上位は、1位銀行(7.7%安)、2位証券・商品先物取引(6.4%安)、 3位空運(5.4%安)、4位繊維(4.7%安)、5位その他金融(4.4% 安)、6位保険(4.4%安)となっており、金融株の下げが顕著。

東証銀行指数は2カ月ぶり安値、投資判断下げも

こうした中、JPモルガン証券は8日、「民主党政権の経済政策は まだ不明」などと指摘し、銀行セクターの投資判断を「中立」から「や や弱気」に引き下げた。銀行指数は続落し、終値で7月16日以来、お よそ2カ月ぶりの安値を更新した。みずほフィナンシャルグループは一 時、7月22日以来の200円割れとなった。

為替相場の円高警戒感もくすぶる。8日のニューヨーク金先物相場 は一時1オンス=1000ドル台を突破、2008年3月以来の高値を更新し た。これを受け、前日の米国株市場では資源関連株中心に買われたが、 金上昇の背景にはドル安・円高への懸念があるため、東京市場ではこう した心理が輸出関連株中心に相場全般の上値を抑えた。

一方、指数の下支え役は資源関連株だった。8日のニューヨーク商 品相場では金先物のほか、銅先物も約1年ぶりの高値に上昇、原油先物 も4%超上げてバレル当たり70ドル台を回復した。資源関連株には朝 方から買いが先行、業種別33指数の値上がり率上位には鉱業や卸売、 石油・石炭製品が入り、東証1部の売買代金上位では三菱商事や三井物 産、住友金属鉱山が高かった。

東証1部銘柄の騰落状況は値下がり1011、値上がり526。売買代金 は1兆3533億円、出来高は20億1267万株。

宇部興が大幅安、明豊エンタは6連騰

個別では、UBS証券が投資判断を「買い」から「中立」に引き下 げた宇部興産のほか、クレディ・スイス証券が「中立」から「アンダー パフォーム」に引き下げた綜合警備保障が下落。新株予約権の発行など による資本増強策を発表したが、1株利益の希薄化懸念からCSKホー ルディングス株は急落した。

半面、民主党が掲げる温室効果ガスの大幅削減政策を受け、外断熱 マンションを展開する明豊エンタープライズが6連騰。英老舗ブランド アクアスキュータムグループの全株式と商標権を売却するレナウン、上 場有価証券を売却、1億6600万円の売却益を得た河西工業が大幅高。 大和証券SMBCが投資判断を引き上げたSUMCOも急伸した。

新興市場はまちまち

新興3市場はまちまち。ジャスダック指数は前日比0.1%高の

49.63、東証マザーズ指数は同1.7%高の447.84。一方、大証ヘラクレス 指数は同0.2%安の632.30。

個別では、新規顧客の獲得により遺影写真などのデジタル加工サー ビスが堅調に推移し、第1四半期(5-7月)の単独当期利益は前年同 期比で7%増えたアスカネットが大幅続伸。パナソニック電工と住宅分 野で業務提携契約を結んだエプコがストップ高。半面、データーセンタ ーの稼働開始時期の遅れなどから中期経営計画を下方修正したビットア イルが大幅続落。

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