スティグリッツ教授:米国にリセッション再来でも欧州やアジアは回避

ノーベル経済学賞受賞の経済学者、 米コロンビア大学のジョゼフ・スティグリッツ教授は8日、米経済が 再び収縮しても、アジアと欧州がそれに伴って自動的にリセッション (景気後退)に陥ることはないと述べた。

スティグリッツ教授は先週、米経済がいったん回復した後、再び リセッションに陥る「高い可能性」があると指摘。8日にアイスラン ドのレイキャビクでインタビューに答えた同教授は、その場合は世界 全体に「悪影響」が及ぶだろうが、他国の景気拡大の妨げにはならな いとの見方を示した。

同教授は「アジアは米国への依存度を低下させる方向に構造改革 を進めている。アジアには巨額の外貨準備がある」と指摘。「このた めアジアは回復軌道を進み続けるだろう」と予想した。

欧州に関しては、「米国の低迷を受けて欧州は力強い回復が極め て困難になるだろう」としながらも、「世界の市場を落ち込ませた要 因の一つは信用収縮だ。信用収縮は銀行への信頼が全く欠如した結果 だった。これまでに銀行に十分な資本が投入されたため、銀行が責任 を果たすことができると言っても構わないだろう」と説明した。

教授はその上で、これは米国の金融システムが困難を脱したとい う意味ではないと述べ、依然として多数の住宅ローンで担保差し押さ え手続きが取られており、商業用不動産市場は「大混乱している」と 指摘。このため、さらに多くの銀行が政府の管理下に入る可能性が高 いが、「監督当局と銀行の間の黙認で何とか乗り切ることができるか もしれない」と語った。

教授は、主要銀行の破たんや金融システムを危機にさらすことを 米政府は望んでいないと述べ、「政府がそう言わない限り、銀行は破 たんしない。このため、銀行が実際には破産状態にあっても、破たん しない可能性は相当ある」との見方を示した。

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