NY外為:ドル、対ユーロで年初来安値-株や金の上昇で

ニューヨーク外国為替市場ではド ルが対ユーロで下落。年初来安値をつけた。景気回復見通しから株高 が進み、金が1オンス=1000ドルを突破する中で、ドル売りが加速 した。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル指数は7月以来の大幅安。ロンドン銀行間貸出金利(LIBO R)市場でドルが最も低い調達金利通貨となったことが売りを誘った。 新興市場国の高利回り資産を求める動きが強く、ブラジル・レアルと 南アフリカ・ランドは年初からの上昇率が25%を超えている。

P/Eインベストメンツの最高投資責任者(CIO)、ウォーレ ン・ナフタル氏は「高利回り資産に資金が流入し始め、質への逃避が 反転している。ドルは安価な資金の調達先だ」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時9分現在、ドルは対ユーロで1.1% 安の1ユーロ=1.4491ドル(前日は1.4332ドル)。一時は

1.4535ドルと、昨年12月18日以来の安値をつけた。ドルは対円で

0.9%安の1ドル=92円22銭。前日は93円8銭だった。この日の ユーロは対円で0.2%高の1ユーロ=133円71銭(同133円39銭)。

ユーロや円、ポンド、スイス・フラン、カナダ・ドル、スウェー デン・クローナを対象としたドル指数は一時、1.2%安の77.047と、 昨年9月29日以来の低水準まで下落した。下げは7月31日以来で最 大。年初来高値の89.624からの下落率は14%となっている。

JPモルガン・チェースはドル指数が最大で76まで下落する可 能性があるとの見方を示した。同水準を最後につけたのは、リーマ ン・ブラザーズ・ホールディングスが破たんした8日後の昨年9月 23日。JPモルガンのテクニカルアナリスト、ナイオール・オコナ ー氏はドル指数が77.40-77.45に控えていた下値支持線を割り込ん だと指摘。ユーロは対ドルで1.4670ドルまで上昇するとの見通しを 明らかにした。

クローナは一時1.7%高と、8月21日以来の大幅高 。カナダ・ ドルは1カ月ぶり高値となる1米ドル=1.0674カナダ・ドルまで上 昇した。

LIBOR

スイス・フランは最大1.6%上昇し、08年7月31日以来の高値 となる1.0433フランをつけた。ドル建ての3カ月物LIBORが昨 年11月以来、初めてフラン建てを下回り、最も低い調達金利となっ た。

英国銀行協会(BBA)によると、3カ月物ドル建てLIBOR は0.30%と、フラン建ての0.31%を下回った。円建ては0.37%。

シティグループの通貨ストラテジスト、トッド・エルマー氏は 「ドルが有力な資金調達通貨となっている」と指摘。リスク許容度の 高まりを背景に、カナダ・ドルを買って、円を売る取引などを顧客に 提唱した。

米国債需要は強く

ドルの下落にもかかわらず、米国債離れは起こらなかった。発行 額が380億ドルと過去最高になった3年債入札はほぼ1年ぶりの高 い需要を集め、米国債相場はほぼ変わらず。今週はこれを含め3回の 入札が実施される予定で、発行総額は700億ドル。

米財政赤字が1兆ドルに達し、長期的なドル安観測が強まってい る。先渡し契約によると、ドルは今後10年に1ユーロ=1.49ドルま で下落するとみられている。99年のユーロ導入以来の平均は1.17ド ル。

米貿易赤字は1年前の649億ドルからは縮小しているものの、2 月以降270億ドル前後で推移している。これはドルの価値を維持する ために、1日当たり約10億ドルの海外資本が必要であることを示し ている。

パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIIMC O)のマネジングディレクター、エマニュエレ・ラバノ氏は「米国が 必要とする資金調達は巨額で、ドルの適正水準を再検証する動きが出 てくるだろう」と述べた。

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