米国債:下落、市場参加者の関心は長期債入札に向かう(Update1)

米国債相場は下落。3年債入札と しては過去最大規模となる380億ドルの入札では強い需要が示され たものの、市場の関心は9日実施の10年債200億ドルの入札に移っ ている。

3年債入札の最高落札利回りは1.487%と、5月以来の最低水準 だった。ブルームバーグ・ニュースがプライマリーディーラー18社 のうちの10社を対象に実施した事前予想は、1.50%だった。投資家 の需要を測る指標の応札倍率は3.02倍と、昨年11月以来の最高と なった。過去10回の入札の平均は2.58倍。

BNPパリバ証券の金利戦略責任者、ブレント・ベイガン氏は、 「この日の入札は、明日とあさって実施される2回の入札が順調にい くことを必ずしも意味しているわけではない」と指摘。「期間の長い 国債の利回りが低下するには、市場の方向性に対する強い確信が求め られる」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時33分現在、10年債利回りは前週末比3ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)上昇の3.48%。10年債(表面利率

3.625%、2019年8月償還) 価格は9/32下げた101 7/32。

ドルが下落し、米政府の財政赤字が拡大しているものの、最近の 入札への需要は底堅い。世界的な景気回復ペースに対する懸念が需要 を後押ししているもようだ。2週間前の2年、5年、7年債入札では 海外中央銀行を含む間接入札の割合が増加した。

「ドル売り」

キャンター・フィッツジェラルドのチーフ債券ストラテジスト、 ジョージ・ゴンキャルベス氏は、「ドルが売られ、リスク市場が堅調 となるなか、この日の入札は米国債相場が独自に強さを保ちドルの値 動きからデカップリングできることを示した」と指摘する。

10年債利回りは6月に4%に上昇。米景気が戦後最悪のリセッ ション(景気後退)から回復しつつあるとの兆しをみせるなか、記録 的規模の国債供給が需要を大幅に上回るとの懸念が広がった。同利回 りはそれ以降、約52bp低下している。

HSBCセキュリティーズの金利ストラテジスト、ローレンス・ ダイヤー氏は「国債供給増の背景には、経済成長の低迷と財政赤字の 拡大がある」と指摘。「供給と、低金利を示唆する低成長のどちらが 懸念材料かといえば、市場の答えは供給よりも実体経済だ」と述べた。

米連邦公開市場委員会(FOMC、8月11-12日開催)の議事 録によると、FOMCメンバーは景気回復の強さについて「著しく不 確実」だと表明した。

ガイトナー米財務長官や欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁 は、ロンドンで4日から2日間の日程で開催された20カ国・地域 (G20)財務相・中央銀行総裁会議で、景気後退に対する勝利宣言 をするのは時期尚早だとの見解を示した。

「景気低迷」

HSBCセキュリティーズのダイヤー氏は「今後の見通しにおけ るリスクは、米国でインフレが加速するかどうかだ」と指摘。「加速 すれば、低金利に対する懸念が強まるほか、赤字規模が持続可能かど うかも不安視されるだろう。現時点では両方ともまだ早過ぎる。低金 利は景気低迷が要因だ」と述べた。

議会予算局によると、30日に終了する今会計年度の財政赤字は 1兆8500億ドルに拡大する見通しだ。これは米実質国内総生産(G DP)の13%に相当する。

オバマ大統領の下、米国は経済成長や金融システム、記録的な財 政赤字を支えるため国債発行を進め、流通市場で取引される国債総額 は過去に例のない6兆7800億ドルに膨らんだ。

この日の入札は、3年債入札としては過去最高規模だった。3年 債の入札は18カ月の中断後、昨年11月に再開された。

原題:Treasuries Fall After 3-Year Sale as 10-Year

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