欧州M&A市場は雪解けか、米クラフトの英キャドバリー買収提案で

世界2位の食品会社の米クラフト・ フーズによる英菓子メーカーのキャドバリーへの102億ポンド(約1 兆5500億円)規模の買収提案は、凍結状態にあった欧州M&A(企 業の合併・買収)市場の雪解けが始まる前兆かもしれない。

クッキーの「オレオ」を手掛けるクラフトは7日、チョコレート の「デイリーミルク」を製造するキャドバリーに1株当たり745ペン ス相当の買収案を提示したが拒否されたことを明らかにすると同時に、 買収計画を引き続き追求していく方針を示した。エボリューション・ セキュリティーズのロンドン在勤アナリスト、ウォーレン・アッカー マン氏によると、今回の買収提案を引き金にスイスのネスレや米ハー シーが対抗して買収提案に乗り出し、クラフトは条件引き上げを余儀 なくされる可能性があるという。

キャドバリー買収が実現すれば、国境を越えたM&Aとしては今 年最大規模となる。ブルームバーグがまとめたデータによると、8月 の欧州における企業買収の発表は合計210億ドルと、5年ぶり低水準 だった。企業は信用危機の間、M&A計画を棚上げにしてきたが、リ セッション(景気後退)緩和の兆しを受けて再びM&Aを検討し始め ている。MSCI世界指数は3月に14年ぶりの安値を付けてから 58%値上がりしたため、株式による企業買収を実施しやすくなってい る。

シティグループの元マネジングディレクターで現在はロンドンの カス・ビジネス・スクールで企業金融に関する講師を務めているピー ター・ハーン氏によると、「株価上昇に伴って企業セクターの自信が強 まっており、業界再編の可能性は高い」と指摘した。

欧州ではこれ以外にもM&Aの動きがあり、事情に詳しい関係者 2人によると域内最大の通信会社のドイツテレコムとフランステレコ ムは英国の携帯電話部門の合併で近く合意し、英最大の携帯電話会社 を誕生させる見通し。関係者らが匿名を条件に語ったところでは、両 社は早ければ8日にも合併を発表する。

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