昭シェル会長:太陽電池事業でIPOを検討-生産能力さらに拡充も

昭和シェル石油の香藤繁常会長は、 太陽電池事業を運営する子会社の新規株式公開(IPO)を検討して いることを明らかにした。同社は石油から太陽電池へ事業を拡大して おり、そのために必要な資金を調達するのが目的で、市場の成熟度や 事業拡大の速度を見極めて判断する。

香藤氏は7日、三つ目の太陽電池工場建設を都内で発表したあと、 ブルームバーグ・ニュースのインタビューに応じ、販売が順調で技術 に競争力があると判断できれば、「近いうちに能力の拡充を決定する かもしれない」と発言。さらに成長戦略に資本増強が必要となった場 合には、全額出資子会社昭和シェルソーラーのIPOが「オプション の一つ」と語った。

新工場は、宮崎県日立製作所から薄型テレビ用プラズマパネル工 場を買い取って太陽電池工場に転換する。すでに生産を開始している 第1、第2工場と合わせて2011年下期には年産約1ギガワットの生 産体制を築く計画。新井純社長は会見で「第4、5の工場も視野に入 れている」と述べている。

香藤氏はインタビューで、IPOには「株を引き受けていただく 方々に、ビジネスモデルがグローバルに見て十分競争力があり、投資 のリターンが確保できることを証明しないといけない」と指摘。来年 にかけ価格競争がし烈化しメーカーの淘汰(とうた)が進むとみてお り、製造コスト削減や製品信頼性で競争力を強化したい考え。香藤氏 は「ワット当たり生産コストが、グローバル競争でナンバー1、2の レベルを実現しないと大きな成功は望めない」と強調した。

上場を検討する市場は「一番資金が調達しやすくて、なおかつ評 価ができるマーケット」と述べるにとどめ、明言を避けた。一方で、 自己資本だけで事業を拡大する選択肢も「十分あり得る」と述べ、ど の手段を選択するかは「機会とリスクのバランスの中で決めたい」と 話した。昭和シェルの株価は8日、一時前日比3.7%高の1009円と 3日続伸。8月17日以来の1000円の大台を回復した。

将来は「世界的アライアンス」も

香藤氏は、昭和シェルが太陽電池の製造から販売まで一貫して単 独で取り組むのは「あまりにも無謀」とみており、将来的には「世界 的な事業のアライアンス(提携)も考えている」ことも明かした。今 後は、太陽電池の販売先として需要の増加が期待できるフランスやイ タリア、東欧などへの進出を目指しているという。

製造拠点を日本に構えることは為替相場の変動によるリスクにつ ながることから、収益への影響を軽減するために中東地域など海外に も生産設備を広げたい考え。香藤氏は、3つの国内工場で操業のノウ ハウを蓄え、「ソフトとハード面で、海外に進出する準備を整えた い」と語った。

5月に発表した14年度までの中期経営計画では、太陽電池事業 で経常利益500億円の確保や、現在1%未満の世界シェアを10%に 拡大することを目指している。第3工場の建設決定後もこの目標値に 変更はないという。

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