8月の街角景気:現状は8カ月ぶりに悪化-先行きも低下

スーパーや家電量販店の店長、ガソ リンスタンドの営業担当者など景気の動きを肌で感じやすい職業に就 いている人の景気の現状判断は、8月に8カ月ぶりに悪化した。天候 不順で夏物衣料の売り上げが不振だったことや、新型インフルエンザ の流行の影響で、旅行関連のキャンセルが増えたことなどが響いた。

内閣府が8日発表した8月の景気ウオッチャー(街角景気)調査 によると、3カ月前と比べた景気の現状判断DIは41.7と、7月の

42.4を下回った。一方、2-3カ月先の景気を示す先行き判断DIは

44.0と7月の44.9を下回った。2カ月連続の低下。内閣府は景気ウ オッチャーによる判断について「景気の現状は厳しいながらも下げ止 まっている」と、2カ月連続で据え置いた。

内閣府の出口恭子調査官は記者説明で、天候不順や新型インフル エンザなど「一時的な」要因で下振れしていると指摘した。家計関連 DIと企業関連DIは現状、先行きともに低下した一方、雇用関連D Iは現状、先行きともに上昇した。出口氏は、企業関連では「生産・ 出荷はともに持ち直しているが、価格低下の圧力が続いている」こと を挙げた。

改善足踏みの可能性も

BNPパリバ証券の加藤あずさエコノミストは統計発表後、家計 部門について、エコカー減税などの政策効果で支えられているものの、 「天候不順で雨が降ったり、インフルエンザが流行してしまうと、負 けてしまう程度」であることを露呈したと指摘。その上で、10-12月 期にかけて政策効果がはく落する中、「改善は足踏みする可能性があ る」との認識を示した。

足元の景気の状態を示す鉱工業生産指数は7月に前月比5カ月連 続で上昇し、8月、9月も上昇が見込まれている。一方、7月の完全 失業率は5.7%と過去最悪の5.5%を超え、雇用情勢は悪化が続いてい る。また、7月の家計調査によると、2人以上の世帯の消費支出は日 照不足の影響などで前年同月比2.0%減少した。

ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調査では、現状判断D Iの予想中央値は43.0、先行き判断DIは44.0だった。

8月の現状を示すコメントでは、「天候不順で夏物衣料の動きが 低迷しているが、不況の影響により秋物衣料の立ち上がりも遅れてい る」(東北:衣料品専門店)、「いったん決まっていた旅行需要が、新 型インフルエンザの国内まん延状態をみて、変更または中止になるケ ースが続発してきた」(北陸:旅行代理店)、「仕事の引き合い件数は 必ずしも減っていないが、提示される価格が低いため受注すべきかど うか非常に悩ましい」(東海:金属製品製造業)-などが寄せられた。

先行きについては、「新型インフルエンザの流行で観光客の減少 が予測される。絶対数が減ることで、悪循環を受ける店舗が出てくる」 (沖縄:コンビニ)、「総選挙の結果、公共事業の今後の動向を含め、 特に建設業においては先行きの判断がつきにくい状況」(北陸:金融 業)-などの声があった。

調査は、北海道、東北、北関東、南関東、東海、北陸、近畿、中 国、四国、九州、沖縄の11地域で、小売り、飲食、サービス、住宅な どの家計関連、製造業・非製造業の企業関連、雇用関連の3つの経済 活動について、景気の変化を反映しやすい仕事に携わる2050人を対象 に実施した。調査は8月25日から月末にかけて行われた。

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