7月の経常収支は6カ月連続の黒字-前年比では黒字減少(Update3)

7月の日本の経常収支は6カ月連 続で黒字を維持した。このうち、貿易収支の黒字幅は拡大したものの、 所得収支の黒字幅が縮小したほか、サービス収支も赤字幅が拡大した 結果、経常収支の黒字幅は前年同月比で減少した。

財務省が8日発表した7月の国際収支状況(速報)によると、経 常収支の黒字額は前年同月比19.4%減の1兆2656億円となった。前 年同月比で減少したのは2カ月ぶり。このうち、貿易収支は6カ月連 続のプラスで、黒字額は同42.3%増の4373億円。

これに対し、所得収支は同24.2%減の1兆2468億円と2カ月ぶ りに黒字幅が縮小した。サービス収支は海外生産の落ち込みによる特 許料の減少などを背景に2883億円の赤字と、赤字幅を拡大した。

昨年秋以降急激に落ち込んだ輸出は、各国の在庫調整の進展や政 府の景気刺激策などにより、今年3月以降、 前年比の減少率が縮小傾 向にあるのに対し、輸入は原油価格の下落や内需の低迷から輸出を上 回る勢いで減少しているため、貿易黒字は拡大基調で推移している。 一方、海外からの直接投資や証券投資の収益の受け取りを示す所得収 支の黒字幅は円高や金利低下などを受けて減少傾向にある。

 第一生命経済研究所の小杉晃子エコノミストは統計発表後のリポ ートで、経常収支の先行きについて輸出の回復が継続していることや、 原油価格の下落により輸入金額の減少が続くとみられるとして、貿易 黒字は「今後も増加傾向が続くだろう」と予想した。

一方、所得収支については、世界経済の回復に向かう下で直接投 資収益や配当金受け取りは持ち直していくと見込むものの、円高傾向 や低金利持続で債券利子の受け取りが低迷する可能性が高いとして、 「回復力に乏しい動きが継続されよう」と指摘した。

ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調査の予測中央値は、 経常収支が1兆4526億円、貿易収支が4902億円のそれぞれ黒字。

7月の貿易収支の内訳は、輸出額が前年同月比37.6%減の4兆 5456億円と3カ月ぶりに減少幅が拡大した。輸入額は同41.2%減の4 兆1083億円で、減少幅は2カ月連続で縮小した。また、季節調整済み でみると、7月の経常黒字は前月比35.6%減の1兆1590億円、貿易 黒字は同35.4%減の4753億円だった。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE