世界の鉱山業界のM&A:10年1-3月に回復か-金属相場上昇で

世界の鉱山業界のM&A(企業の合 併・買収)が、2010年1-3月(第1四半期)に回復する可能性があ る。第2次世界大戦以降で最悪のリセッション(景気後退)が和らぐ 兆しが示されるなか、金属相場が上昇しているためだ。

デロイト・コーポレート・ファイナンス(パース)のオーストラ リア鉱業担当責任者、エリック・リルフォード氏は「既存の大手企業 同士だけでなく、中堅企業間でもM&Aが増えて大手となるケースも あるだろう」と予想。「10年1-3月末までにM&Aは全般的に活発 化するとみている」と述べた。

金属相場は今年に入って68%高騰しており、バンク・オブ・アメ リカ(BOA)傘下のメリルリンチやスタンダード・バンクは鉱山業 界での買収の増加を見込んでいる。カナダのエルドラド・ゴールドや 中国のエン州煤炭が豪州の競合企業の買収で合意したことから、7- 9月(第3四半期)のM&A総額は前期比で約20%増加した。豪州は 鉄鉱石と石炭の世界最大の輸出国。

米モルガン・スタンレーの金属担当チーフエコノミスト、ピータ ー・リチャードソン氏は「M&Aと相場動向との間に密接な相関関係 があることは歴史が証明している」と指摘。「M&Aのサイクルは間違 いなく加速すると予想している」と述べた。

プルデンシャル・ベーチェ・アセット・マネジメントは、景気回 復に伴う金属など原材料の需要拡大により商品指数は上昇を続けると みている。

信用危機の影響

ブルームバーグが集計したデータによると、鉱業や金属、石炭、 鉄鉱石、鉄鋼業界のM&Aの総額は、完了済みが1870億ドル(現在の レートで約17兆4000億円)に達した07年以降、減少している。金属 相場が昨年、ほぼ半分の水準まで下落したことや信用危機による融資 抑制が背景にある。今年7-9月の提案・完了済みのM&A総額は約 190億ドルと、4-6月(第2四半期)の約160億ドルから増加した。

大手会計事務所アーンスト・アンド・ヤング(E&Y)の世界鉱 業・金属担当責任者、マイケル・エリオット氏(シドニー在勤)は、 資産を「買収する側の数が増加している」と指摘。「自信が強まり、こ うした取引が可能な企業が増えているため、資産をめぐる競争が激化 している」との見方を示した。

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