SUMCO株がプラス転換、ウエハー価格上昇期待-野村証強気継続

半導体用シリコンウエハーを手が けるSUMCOの株価が、下げて始まった後プラスに転じた。ウエハ ーの販売単価が今後上昇に転じることなどで、同社の収益が底入れ・ 回復に向かうと期待した買いが徐々に優勢となった。午前終値は前週 末比1.4%高の1996円。

SUMCOは4日、未定としていた今期(2010年1月期)連結 最終損益予想を1000億円の赤字(前期は189億円の黒字)と発表し た。前期40円だった年間配当を無配にすることもあり、朝方は一時

3.2%安まで売られたが、売り一巡後は急速に下げ渋り、午前9時半 すぎからは安定的にプラス圏で推移している。

野村証券の御子柴史郎アナリストは、異常な低操業から脱し、今 後は販売価格の是正、投資の抑制、固定費削減による高収益事業への 回帰を織り込む局面を迎えると分析。「半導体チップメーカーの稼働 率上昇と業績回復、ウエハーメーカーの競合の沈静化などポジティブ な情報フローが顕在化してこよう」(7日付の投資家向けリポート) と指摘した。

野村証では、SUMCOを電子材料のトップピックとして投資判 断「1(買い)」を継続し、目標株価を従来の1860円から2500円 に引き上げた。

目標株価の算出には、従来は割引キャッシュフロー(DCF)法 を用いたが、10年1月期-12年1月期の利益実現度が高まったと判 断、短期的な業績をより重視したバリュエーション手法であるEV/ EBITDA倍率に変更した。固定費削減などの取り組みが寄与する 11年3月期をベースに、同証の調査対象企業で構成されるNOMU RA400(除く金融)の平均EV/EBITDA7.7倍を用いたと いう。

EV/EBITDAは、有利子負債と株式時価総額の合計である EV(企業価値)をEBITDA(利払い前・税引き前・償却前利 益)で割った倍率。

300ミリウエハーの適正価格は現状比3-4割高

SUMCOは4日、アナリストや投資家向けに説明会も開催。J Pモルガン証券の尾脇庸仁アナリストによると、5月に就任した田口 洋一社長が説明会で初めて投資家の前に登場し、「300ミリウエハー の適正価格は現状より3-4割高い水準」との認識を示したという。

尾脇氏は4日付の投資家向けリポートで、目標とすべき価格水準 について定量的な発言があったことを評価。また、「新社長がシェア や規模よりも収益性を優先する考えであることが明確になった点も、 ウエハー業界全体にとってポジティブ」と、受け止めている。

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