東芝:法人向け起債市場にそろり復帰、SB200億円完売-増資など好感

東芝が3日に起債した法人向け国内 普通社債(SB)200億円の販売は順調だった。業績悪化を背景に約2年 10カ月ぶりとなった同種起債の規模は小さく静かな市場復帰だったが、 業績の底打ち感や資本増強などが好感され即日完売となった。共同主幹 事証券や投資家などへの取材で明らかになった。

東芝の法人向けSBは2006年11月に米ウエスチングハウス(WH) 買収資金の借り換えで調達した発行総額1000億円以来。今回のSBにつ いて市場では、金融危機に伴う業績悪化で製造業の起債が難しくなって いた中、「A格下位の発行体が無事に起債できたという点で意義深い」 (ドイツ証券の村田昭仁クレジットアナリスト)との声が多い。

「リーマン・ショック」を受けAA格以上の発行体に限定される機 能不全に陥っていた社債市場は、金融不安の後退や需給改善で今年4月 以降A格以下の起債が再開した。ただ、東芝は財務悪化からムーディー ズ、S&P、R&Iが年初から相次いで格下げし、R&IではA-と投 資家が敬遠しがちとされる水準にまで悪化した。

今回の東芝債が人気を博した理由について、第一生命保険債券部の 原田浩志次長は、「東芝の業績に底打ち感が出てきたことや、6月に総 額約4900億円の資本増強を行ったことで、買い安心感が出てきたのでは ないか。売れ行きも順調だったようだ」と述べた。

高格付け債以外の起債が難しい状況の中での久しぶりの社債とあっ て、投資家の要求するスプレッドにもばらつきがあり、共同主幹事は当 初、円スワップレート+77bpから+90bpと幅広いレンジを投資家に提示 して需要調査を行った。+90bp台を要求する投資家もみられたが、東芝 債への需要は多く、最終的に+77bpで決まった。

有利子負債のバランス改善

事務幹事を務めた野村証券デット・シンジケート課担当者は生保、 信託銀行、都銀、地銀、系統上部、地方の金融機関、諸法人など幅広い 投資家に販売できたと語った。

東芝が財務省に提出した発行登録追補書類によると、資金使途は借 入金やCP返済資金に充当するとしている。同社広報担当の持田博子氏 は、「昨年度の金融環境の悪化で、有利子負債の長短、直接間接のバラ ンスが崩れた。今回の社債発行で長期固定資金を取り入れ、長短のバラ ンスを改善する」と述べた。

今回の東芝債は第47回債で、表面利率は1.52%、発行価格は100 円、主幹事は、野村証券が事務主幹事、みずほ証券、大和証券SMBC が共同主幹事を務めた。格付けは、ムーディーズのBaa2、S&Pの BBB、格付投資情報センター(R&I)のA-を取得した。

東芝によると、6月の公募増資と劣後債発行により、08年度末で

8.2%だった自己資本比率(少数株主分含まず)は今年6月末に13.8%ま で改善した。目標は2011年度末で20%、今年度末の目標は15%。同社 は06年11月以降でも、投資判断が機関投資家などとは異なる個人向け には、07年2月に300億円のSBを発行している。

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