9月4日の海外株式・債券・為替・商品市場

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではドルと円がほとんどの主要通貨 に対して下落。8月の米雇用統計で雇用者の純減幅の縮小が示された ことから、世界経済の早期回復への楽観が強まり、高利回り資産に資 金が流れた。

カナダ・ドルは主要通貨中、対円での値上がり率トップ。カナダ の雇用者数は4月以降で初の増加となった。ロンドンでは20カ国・ 地域(G20)財務相・中銀総裁会議がきょう開幕。ガイトナー米財務 長官は今週、世界的な景気回復に向けた取り組みをあらためて約束し た。

ウエストパック銀行のシニア通貨ストラテジスト、リチャード・ フラヌロビッチ氏(ニューヨーク在勤)は、「政策的な背景が大きな 支えとなっている」と指摘。「今週末にガイトナー長官やG20当局か ら聞かれるあらゆる前向きな発言が、リスク回帰に貢献するだろう」 と述べた。

ニューヨーク時間午後4時8分現在、円は対ユーロで0.8%安の 1ユーロ=133円4銭(前日は同132円3銭)。ドルは対ユーロで

0.4%安の1ユーロ=1.4302ドル(前日は同1.4252ドル)。ドルは 対円で0.4%高の1ドル=93円ちょうど。

円はニュージーランド・ドルに対して1.9%安。対メキシコ・ペ ソで1.7%値下がり。日本の投資家が円を売って利回りの高い資産に 資金を移すとの観測が背景。日本の政策金利0.1%に対し、ニュージ ーランドは2.5%、メキシコは4.5%に設定されている。

米労働省が午前8時30分に雇用統計を発表すると、ユーロは対 ドルでいったんは値上がりした。同統計発表から30分後には一時今 週の安値水準まで反落し、その後再び値を戻し日中高値の1ユーロ=

1.4327ドルを付けた。同雇用統計で、非農業部門雇用者数は8月に 前月比で21万6000人減少と、純減幅が縮小した。

回復は「不確実」

TDセキュリティーズのチーフ為替ストラテジスト、ショーン・ オズボーン氏(トロント在勤)は「景気見通しについては不確実性が 多すぎる」と指摘。「リセッション(景気後退)の観点からすれば、 引き続き回復への道は長い。雇用者の減少をみるだけでも、1980年 代以降に経験した回復とは違うことがわかる」と述べた。

8月の失業率は26年ぶり高水準となる9.7%に上昇。前月の雇 用者数は27万6000人減と、速報の24万7000人減から下方修正され た。

S&P500種株価指数は1.3%値上がり。8月の雇用者数の純減 幅が、エコノミスト予想を下回ったことを好感した。同株価指数は週 間ベースでは下落した。

ドルは南アフリカ・ランドに対し週間ベースでは2.1安。これで 3週連続の下落となり、週間ベース下落としては5月以来の最長。ユ ーロは対円で今週0.6%の値下がり。

カナダの雇用統計

カナダ・ドルは対米ドルで一時1.8%高。日中取引の上昇率とし ては7月15日以来の最大となった。カナダ統計局が発表した8月の 雇用者数は2万7100人増加した。エコノミストの予想中央値では1 万5000人の減少が見込まれていた。

前日は欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁が、景気回復は起 伏のあるものになると述べたことを受け、ユーロは対ドルで値下がり した。ECB定例政策委員会は政策金利を過去最低の1%に据え置い た。

ウルリヒ・ロイヒトマン氏(フランクフルト在勤)を含むコメル ツ銀行のアナリストらは4日付リポートで「トリシェ総裁の発言は著 しくハト派的だった」と指摘。「ドルがこの恩恵を受けていることは 全く驚きではない」と記述した。

◎米国株式市場

米株式相場は続伸。雇用純減幅の縮小とハイテク企業の利益見通 し改善が好感された。S&P500種株価指数は週間ベースでは下落し た。

複合企業のゼネラル・エレクトリック(GE)やソフトウエアの マイクロソフト、建機のキャタピラーが上昇。労働省が発表した8月 雇用統計では、非農業部門雇用者数は前月比で21万6000人減少。雇 用者数の純減幅はブルームバーグ・ニュース集計のエコノミスト予想 中央値(23万人減)を下回った。

エイボンデールズ・パートナーズが投資判断を引き上げた光ネッ トワーク機器のシエナは大幅高。半導体製造装置のノベラス・システ ムズは受注見通しの引き上げが好感されて値上がりした。

S&P500種株価指数は前日比1.3%高の1016.40。ダウ工業株 30種平均は96.66ドル(1%)高の9441.27ドルで終了した。レー バーデーの休日を7日に控え、過去3カ月の平均より22%薄い商い だった。

アクシオム・キャピタル・マネジメント(ニューヨーク)で11 億ドル相当の資産運用を監督するリアム・ダルトン最高経営責任者 (CEO)は、「予想より良好なデータが大量に続いている。これが 相場を下支えしている」と述べた。

S&P500種は週間ベースで1.2%下落。景気回復見通しと比較 して、過去半年の上昇局面は行き過ぎだったとの見方が広がる中、2 カ月ぶりの大幅な下落となった。

失業率9.7%

雇用統計では失業率が予想を上回る9.7%に上昇し、26年ぶり の高水準を記録し、この日の株価の上値を重くした。失業率上昇は、 出口戦略を実行に移すのは「時期尚早」としたガイトナー米財務長官 の発言を裏付ける格好となった。

一方、カナダの8月雇用統計では雇用者数が4カ月ぶりに増加し、 1992年以降で初のリセッション(景気後退)脱却への期待が強まっ た。

ゼネラル・エレクトリックは3.1%上昇。キャタピラーは2.4%、 マイクロソフトは2.1%値上がりした。

ハイテク株

S&P500種の産業別指数は10種すべてが上昇。このうち情報 技術株価指数は1.7%上昇し、総合指数の押し上げに貢献した。情報 技術株価指数は年初来で39%急伸しており、グループ別の成績トッ プで推移している。

シエナは5%急伸。エイボンデールはシエナの株式投資判断を 「マーケットパフォーム」から「マーケットアウトパフォーム」に引 き上げ、今後1年半の目標株価を18ドルに設定した。

ノベラスは2.9%高。同社は7-9月(第3四半期)の受注が最 大55%増加するとの見通しを示した。7月の時点で示した最大50% 増から上方修正した。

政府の管理下に置かれている住宅金融フレディマック(連邦住宅 貸付抵当公社)は5.4%上昇。ファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)も

7.9%高と急伸した。両社はニューヨーク証券取引所(NYSE)か ら株価が上場最低基準を満たす水準に回復したとの通知を受けた。

若者向け衣料小売りのアバークロンビー・アンド・フィッチは

2.6%下落。シティグループはアバークロンビーの既存店売り上げの 落ち込みが今後も続く公算が大きく、業績悪化につながるとして、投 資判断を「セル」と、従来の「ホールド」から引き下げた。

ロンドンでは20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議 が開幕。大恐慌以来で最悪のリセッションに終止符を打ち、景気回復 の芽を育てるための取り組み継続を協議する。

◎米国債市場

米国債相場は続落。投資家の関心は来週実施される700億ドルの 入札に移った。午前に発表された8月の米雇用統計では、雇用者数の 減少はエコノミスト予想ほど悪くなかったことが示された。

8月の失業率は9.7%と、26年ぶりの高水準をつけたが、債券 相場を押し上げる材料にはならなかった。財務省は来週8日から3 日連続で、3年債(380億ドル)と10年債(200億ドル)、30年 債(120億ドル)の入札を実施する。

バークレイズの金利ストラテジスト、マイケル・ポンド氏は 「雇用統計が通過した現在、来週の入札の消化見通しが不透明だ。 この先数カ月間でリスク資産と国債のかい離に答えがでるだろうが、 この日の雇用統計からはどちらが正しい選択なのかはっきりしなか った」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後2時5分現在、10年債利回りは前日比8ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01ポイント)上昇し3.43%。10年債(表面利率

3.625%、2019年8月償還)価格は22/32安の101 20/32。週間 ベースでは利回りは2bp下げた。

雇用統計

米労働省が発表した8月の雇用統計によると、非農業部門雇用 者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比で21万6000人減少。 雇用者数の純減幅はブルームバーグ・ニュース集計のエコノミスト 予想中央値(23万人減)を下回った。前月は27万6000人減と速 報の24万7000人減から下方修正された。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMC O)の市場ストラテジスト、トニー・クレセンツィ氏は、「持続的 な回復への鍵はまだみえてこない。自律的な成長をもたらすために 所得増が必要だ」と述べる。

PIMCOは、世界経済には「新たな標準」が存在するとの見 方を示している。それには政府規制の強化や低水準の消費、緩やか な成長、さらに世界経済における米国の役割縮小が挙げられている。 PIMCOによると、この先数年間の米経済成長率は約2%程度に 減速するとみられている。

ガイトナー米財務長官は今週、経済成長押し上げのための政策 を解消するのは時期尚早だと警告していた。

国債入札

オバマ政権は景気対策や金融支援、過去最大の財政赤字に対応 するため国債の発行を増やしている。発行額は過去最大の6兆 7800億ドルに膨れ上がった。

ウェルズ・ファーゴ・キャピタル・マネジメント(ミルウォー キー)で約30億ドルの資産を運用するジェイ・ミューラー氏は 「政府の借り入れ需要をみると、米国債に対して強気になるのは非常 に難しい」と語る。

7月の雇用統計

8月7日に発表された7月の米雇用統計は、雇用の減少幅が予 想より小幅だったことから米国債が売られ、10年債利回りは約2 カ月ぶり高水準をつけた。その週の利回りは2003年3月以来で最 大の上げを記録した。

その後は株式相場が調整色を強める中で、10年債利回りは下げ に転じ、最大で60bp低下していた。

ブルームバーグが銀行や証券会社を対象にまとめた調査による と、10年債利回りは年末に3.76%への上昇が見込まれている。2 年債利回りも同1.24%に上昇すると予想されている。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場はほぼ変わらず。6カ月ぶり高値付近を 維持した。ドルが下落したことから代替投資先としての金の魅力が高 まった。

金相場は前日、1オンス=999.50ドルまで値上がりし、2月23 日以来の高値となった。週間ベースでの上昇率は4月以来の最大。主 要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のドル・ インデックスは一時0.6%低下した。金はこの日一時1.1%下げた後、 下げ渋った。

ヘリテージ・ウエスト・フューチャーズのアナリスト、ラルフ・ プレストン氏(サンディエゴ在勤)は「この日の下げ渋りは強気を意 味する。今朝方の米雇用統計で失業率が26年ぶり高水準となったこ とから、ドルは今後下振れるだろう」と指摘。「1オンス=967ドル を割り込んで終了しない限り、相場の反転はない」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 相場12月限は前日比1ドル(0.1%)安の1オンス=996.70ドルで 取引を終了した。週間ベースでは4%値上がり。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場はほぼ変わらず。原油在庫は米国の需要に 対応できるだけ十分な量が確保されているとの見方に圧迫されなが ら、株価の上昇に下値を支えられた。

S&P500種株価指数は続伸。米エネルギー省の2日付リポート によると、先週の原油・燃料在庫は過去5年間の平均を上回った。7 日はレーバーデーの祝日で原油市場が休場となることから、連休前の 取引は薄商いとなった。この日までの3日間、原油相場はいずれもほ ぼ変わらずで終えている。

ストラテジック・エナジー・アンド・エコノミック・リサーチ (マサチューセッツ州ウィンチェスター)のマイケル・リンチ社長は 「大半のトレーダーは連休を心待ちにしており、頭にあるのは白い砂 のビーチであって、沖合のタンカーではない。製油所が点検時期に入 るため、手元の石油製品は十分に確保されている。この先数週間の原 油需要は落ち込むだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物10月限は前 営業日比0.06ドル(0.09%)高の1バレル=68.02ドルで終えた。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は続伸。米ゴールドマン・サックス・グループとス イスのUBSのアナリストらがダウ欧州600指数の年末の予想を上 方修正したことが買いにつながった。週間ベースでは、同指数はマイ ナスとなった。

プラチナ生産大手、英ロンミンと、カザフスタンの産銅会社カザ フミスは大幅高。両銘柄の投資判断が引き上げられたことが買いを誘 った。フランスの自動車メーカー、プジョーシトロエングループ(P SA)は、三菱自動車と電気自動車開発で合意したことが好感され、

7.3%上昇した。

ダウ欧州600指数は前日比1.4%高の233.85で終了。週間ベー スでは1.5%下落した。ブルームバーグのまとめたデータによると、 ダウ欧州600指数のPERは44.7倍と、2003年9月以来の高水準付 近となった。

ゴールドマン・サックスのロンドン在勤ストラテジスト、ピータ ー・オッペンハイマー氏はリポートで、「ラリーの後に相場上昇が続 かないということはない。投資家は総じて、相場がさらに上昇するた めの新たな情報を求めているようだが、当社は好材料が出てくると見 込んでいる」と語った。

同氏はダウ欧州600指数が年末に260になると予想し、従来の 235から引き上げた。同指数は3月9日以降で48%上昇している。

4日の西欧市場では、18カ国すべてで主要株価指数が上昇。ダ ウ・ユーロ50種指数は前日比1.6%高、ダウ・欧州50種指数は

1.5%上げた。

ロンミンは9.4%高。エクサンBNPパリバはロンミン株の投資 判断を「アンダーパフォーム」から「アウトパフォーム」に引き上げ た。スイスの資源会社エクストラータによる同社買収観測が根拠。エ クストラータは1.9%上昇した。

カザフミスは3.6%上げた。モルガン・スタンレーは同銘柄の投 資判断を「イコールウエート」から「アウトウエート」に上方修正。

◎欧州債券市場

欧州債市場ではドイツ2年債相場が上昇。8月の米失業率が1983 年以来の高水準となったことを受け、国債買いが膨らんだ。週間ベー スでは2週連続高となった。

2年債利回りは半年ぶり低水準となった。MSCI世界指数が週 間ベースで下落したのを背景に比較的安全な債券資産の需要が高ま った。欧州中央銀行(ECB)当局者らはこの日、ユーロ圏の景気見 通しが引き続き脆弱(ぜいじゃく)との見方をあらためて示した。

RIAキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、ニック・ スタメンコビッチ氏は、「市場関係者は米失業率がこれほど上昇する とは予想していなかった。このようなデータは力強い景気回復説が見 当違いであることを示唆している」と語った。

ロンドン時間午後4時半現在、2年債利回りは前日比5ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.08%。前週末比では17 bp低下した。同国債(表面利率1.5%、2011年6月償還)価格は前 日比0.09ポイント上げ100.71。10年債利回りは前日比1bp低下 し3.23%となった。週間ベースでは2bp下げた。

米労働省が4日に発表した8月の雇用統計によると、家計調査に 基づく8月の失業率は9.7%と、1983年6月(10.1%)以来の高水 準に上昇し、ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想(9.5%) も上回った。前月は9.4%だった。

◎英国債市場

英国債市場は下落。10年債利回りは3週間ぶりの高水準となっ た。株式相場が上昇したことから、安全資産としての国債の需要が減 退した。

10年債は7月以来で初めてとなる週間ベースでの下落。8月の 米雇用統計で、雇用者数の純減幅が市場予想を下回ったことがこの日 の下げの背景。FT100種株価指数は1.2%高と、2週間ぶりの大幅 上昇となった。米労働省によると、非農業部門雇用者数は前月比で 21万6000人減少と、マイナス幅は過去1年で最小。

クレディ・スイス・グループの債券ストラテジスト、カーステ ン・リノウスキー氏(チューリヒ在勤)は、「リスク志向が根強い。 中期的には英国債利回りの上昇を招く恐れがある」と述べた。

ロンドン時間午後5時15分現在、10年債利回りは3ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01ポイント) 上昇し3.62%。一時は8月14 日以来の高水準、3.69%を付ける場面もあった。週間ベースでは7bp 上昇。10年債価格(表面利率4.5%、償還期限2019年3月)は0.21 ポイント下げ107.07。2年債利回りは前日比3bp上昇の

0.89%。

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