株・債券市場は「快楽」享受へ-G20財務相らは出口戦略先送りの公算

20カ国・地域(G20)の財務・ 金融当局者らは、世界景気がリセッション(景気後退)から抜け出し つつあるなかでも景気刺激の緊急措置を撤回する意向がないことを相 次いで示唆している。この結果、株式・債券両市場にとって「スイー トスポット(居心地の良い状態)」が訪れているとクレディ・スイ ス・グループとバンク・オブ・アメリカ(BOA)は判断している。

ロンドンで4日に開幕するG20財務相・中央銀行総裁会議の出 席者の中で、戦後最悪の景気低迷からの脱却を宣言するのは時期尚早 との考えを表明したのはガイトナー米財務長官とトリシェ欧州中央銀 行(ECB)総裁。今週発表された一連の指標で不況が和らぎつつあ ることが裏付けられたものの、加盟国の政策当局者らは財政支出抑制 や低金利と資産購入による緩和策を転換させる意志はないようだ。

クレディ・スイスとBOAのエコノミストらは、景気回復が株式 相場の追い風となると同時に、中銀の引き締めへの消極姿勢が債券相 場を下支えると指摘する。先進市場株の指標であるMSCIワールド 指数は3月に付けた安値から54%上昇。メリルリンチのグローバ ル・ソブリン・ブロード・マーケット・プラス指数は国債利回りが4 月以来の低水準にあることを示している。

BOAの国際経済責任者、リカルド・バービエリ氏(ロンドン在 勤)は「金融市場は恐らく、しばらくの間このようなスイートスポッ トにとどまるだろう」とみる。「指標はほぼ全面的に上振れしている ものの、主要中銀は極度に緩和的な政策を維持するという明確なメッ セージを市場に送っている」と同氏は説明する。

トリシェ総裁は3日、ECBが政策金利を1%に据え置いた後の 記者会見で、「慎重と用心が最重要だ」と発言。米連邦公開市場委員 会(FOMC)は先月の会合で金利をゼロ付近に据え置いたことに加 え、連邦機関債と住宅ローン担保証券(MBS)購入プログラムの 延長を協議した。

ダーリング英財務相は、今はブレーキを踏むときではないと発言。 ガイトナー財務長官も2日に、景気回復について「大きく進展したが、 まだ道は遠いという現実を直視しなければならない」と語った。

クレディ・スイスのニューヨーク在勤エコノミスト、ヘンリー・ モー氏は、景気刺激策の出口戦略実行を急がないとの当局者の姿勢が、 景気回復で株価が上昇する傍らで長期債の利回りを低く抑えるだろう として、「この環境は金利にとっても企業にとってもプラス」と指摘 する。同氏は「当社はこれが続くと予想している」と述べた。

To contact the reporter on this story: --* 参考画面: 翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先: アムステルダム 木下 晶代 Akiyo Kinoshita akinoshita2@bloomberg.net Editor:Yoshito Okubo 記事に関する記者への問い合わせ先: Simon Kennedy in Paris at skennedy4@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: John Fraher at jfraher@bloomberg.net

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