【コラム】ペイリン前アラスカ州知事に中国はどう見える-Wペセック

サラ・ペイリン前アラスカ州知事が 今月、生まれて初めて香港を訪問する。訪れたことさえない地域の展 望に関して投資家会議でスピーチするというのだ。

これは本当に短いスピーチになるだろう。だがそれは姿を見せた 場合だ。昨年の米大統領選挙で共和党副大統領候補だったペイリン氏 には、スピーチの約束を破った経緯があることは広く知られている。

ただメリットはある。ペイリン氏は薄っぺらなパスポートに新し いスタンプを押してもらい、国際経験を積むことになる。人気番組「サ タデー・ナイト・ライブ」に出演していたコメティディアンのティナ・ フェイさんは以前、風刺コントでペイリン氏の物まねをして、アラス カの自宅からロシアが見えると言った。フェイさんは今度、アラスカ の自宅から中国本土が見えると言うかもしれない。

今月21-25日に開催する投資家会議でペイリン氏にスピーチを 依頼したCLSAアジア・パシフィック・マーケッツは報道機関から 大きな注目を集めるだろう。CLSAは一体何を考えているのだろう。 砕けた言葉遣いを披露する以外、32カ国から総額10兆ドル強の資産 を運用するファンドマネジャー1300人が出席するイベントで、ペイリ ン氏が知性面で不屈の精神を見せるかどうかは分からない。

ペイリン氏への講演料の支払いの有無や支払額についてCLSA 広報のシモーヌ・ウィーラー氏は言おうとしないが、香港を訪問する だけの価値はあるのだろう。本当にペイリン氏が姿を現したとしたら、 CLSAの頑張り屋さんたちは米国で最も有名な女性共和党員であ る同氏からこんな話を聞くことになるのではないだろうか。

アジアにて

香港の皆さん、こんにちは。調子はどうです?丁重なもてなしに 感謝します。香港がどのように中国の一部に戻ったかを説明してくれ て本当に感謝してますし、この場に参加できてうれしいです。それに 食事も気に入ったし、おいしかったです。

わたしが香港のものすごい空港に到着して衝撃を受けたのには2 つの理由があります。まずは、発展途上のアジアにしては本当に近代 的だということ。ニューヨークやワシントンの空港に行ったことのあ る人なら、わたしが言いたいことを分かると思います。大したもので すね。それに、わたしを見て誰もがとても驚いていたことも衝撃でし た。まるで姿を見せないとでも思っていたみたいです。わたしが約束 を守らないという米メディアの論評に聞く耳を貸している人がここに もいたのですね。

さて、1年半の任期を残してアラスカ州知事を辞めた理由につい て説明しましょう。中国の主催者側の方々の不快な思いをさせるつも りはありませんが、わたしは米国を最優先しているのです。アジアの 皆さんはわたしの愛国心から学ぶことがあるかもしれません。大統領 選挙はちっとも楽しくなかったし、予想していたものとは違いました。 「サタデー・ナイト・ライブ」への出演はとても面白く、豪華な選挙 イベントはどれもすごかったけれども、わたしのような一匹狼は、中 に入ってワシントンの権力者たちとかかわり合う方が好きです。

見晴らし

ご存知の通り、香港とアラスカは本当によく似ています。わたし がライフルを持って香港のビクトリアピークに狩猟に出かけると言う 意味ではありませんが、本当に見晴らしが良いですね。どちらもフェ リーが多いし、前哨基地とされていた歴史があるし、それに経済的自 由があります。

みなさんご承知の通り、経済的自由が今攻撃にさらされています。 わたしの国では、オバマ大統領は政府主導の医療制度や死刑制度、自 由選択の廃止で米国を社会主義国家に変ぼうさせようとしており、い わば最も偉大な経済を共産主義、ええっとその、つまり、自由市場の 度合いを弱めようとしているようです。以前にも話したように、流れ に身を任せるのは死んだ魚だけで、わたしは死んだ魚ではありません。 香港は大きな湖に囲まれているから、皆さんにはわたしが言いたいこ とを分かってもらえると思います。

香港にとって重要なのはビジネスだと理解していますし、その考 えが好きです。米国では、ワシントンの権力者たちがビジネス、そし て国民をとても豊かにしてくれた自由で束縛のない市場に戦争を仕掛 けています。ワシントンの権力者やメディアが決して理解できないの は、国を優先することの重要さです。これこそ、アラスカ州知事を辞 めて海外に来た理由です。

あら、ごめんなさい。夢中になって話してしまいました。本来な らわたしは皆さんのような投資家に市場で自由を実践するため役立つ ことを提供しなければいけなかったのに。幸いにもそろそろ時間切れ のようです。ありがとう香港、そして皆さん。 (ウィリアム・ペセック)

(ウィリアム・ペセック氏は、ブルームバーグ・ニュースのコラ ムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)

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