経済危機でCO2排出ブレーキ、予想を下方修正へ-IEA

国際エネルギー機関(IEA)は、 2030年の世界の二酸化炭素(CO2)排出量予測を、来月発表するリ ポートの中で下方修正する。来日中の田中伸男事務局長(59)が4日、 ブルームバーグ・ニュースのインタビューで明らかにした。

IEAは11月に「世界エネルギーアウトルック」を発表するほか、 気候変動関連のデータに焦点を当てたアウトルックの特別版を10月 6日、バンコクで行われる国連気候変動枠組み条約(UNFCCC) の特別作業部会で発表する予定。このリポートでは20年と30年の世 界全体の排出量予測のほか、IEAとして初めて国別予測も示す。

IEAは昨年11月に発表したアウトルックで、世界全体のエネル ギー起源のCO2排出量が30年に410億トンになると予想していた。 この水準について、田中氏は10月に示すリポートで「景気が後退して おり、多少下げざるを得なくなる」と指摘した。「経済危機で産業活動 が非常に停滞し消費も落ちた。その結果、09年のCO2排出量が減る」 ため、ベースとなる数値が下がることで30年の排出量にも影響が及ぶ 見込みだ。

国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)は、温室効 果ガス濃度を450ppmまでに抑制することができれば気温上昇を産業 革命以前と比べ2度以内に抑えることができると分析。IEAは30 年の排出量を260億トンまで下げることを目指している。排出量の見 通しが下方修正されることで目標の達成には近づくが、田中氏による と「多少は楽」になる程度という。

10月のリポートは、どういったエネルギー政策や投資、技術開発 が必要になるということを各国に示す役割があるという。田中氏は「一 言でいえばエネルギー革命が必要ですよということ。エネルギー革命 を起こして目標を達成する準備がおありですか、という挑戦だ」と強 調した。

田中氏は、今回IEAが示す排出量予測は「初めて昨年秋以降の 経済危機のインパクトを反映させたもの」と説明。新しい予想数値に ついては明らかにしなかったが、各国が現在設定している温室効果ガ ス排出削減の中期目標を踏まえた予測になるという。

国内では、麻生太郎首相が6月、2020年までの中期目標として05 年比15%減(1990年比8%減)とする方針を打ち出した。欧州連合(E U)は同13%減(同20%減)とする中期目標を設定。米オバマ大統領 は2月に05年比で14%削減する考えを示している。16日にも新政権 を発足させる民主党は、05年比30%減(同25%減)を打ち出してい る。

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