ドルが92円台後半で小動き、米雇用統計・G20を警戒―値幅26銭

東京外国為替市場ではドルが小幅な 値動きに終始した。前日にほぼ1カ月半ぶりの安値を付けたドル・円 相場は、ドルの下値を試す動きが一服。注目の米雇用統計の発表や20 カ国地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を控え、様子見姿勢が広 がるなか、ドルはこう着感の強い相場展開が続いた。

ドル・円相場は1ドル=92円77銭から92円51銭とわずか26銭 のレンジで推移。午後にかけては92円60銭前後でほぼ横ばいの状態 となった。

三菱UFJ信託銀行資金為替部の井上英明グループマネージャー は、重要イベントということで米雇用統計に注目が集まるが、雇用減 少幅の縮小と失業率の悪化が見込まれており、今週発表された民間統 計が予想より弱かったということもあり、「事前の予想あるいはポジシ ョンに極端な偏りはない」と分析。基本的にドルの下値を試す流れは 続いているが、米国がレーバーデーの祝日で三連休になるということ もあり、「ポジション調整中心の一日になりそう」と語る。

一方、ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.42ドル台半ばを中心にも み合う展開が続いていたが、欧州市場に向けてはややユーロ買いが優 勢となり、1.42ドル台後半まで値を切り上げている。ユーロ・円相場 も1ユーロ=132円ちょうど挟みの展開が続いた後、132円台前半へユ ーロがじり高となっている。

欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁が「適切な時期に出口戦 略を実行する用意がある」と発言したことに反応した。

米雇用統計見極め

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によれば、 8月の米雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比23万人減と、過 去1年間で最も小さい減少幅になると予想されている。ただ、8月の 失業率は9.5%と前月の9.4%から悪化する見通しだ。

前回7月の統計では雇用の減少幅が予想より小幅にとどまったほ か、失業率が予想外に低下したことから、米国の景気回復期待が高ま り、米国株が上昇。米金利の先高観も強まり、ドルは対円で6月中旬 以来の高値となる97円79銭へ急伸した。しかし、楽観ムードは長続 きせず、その後ドルは反落。今月3日には一時、7月13日以来の水準 となる91円95銭までドル安・円高が進んでいる。

ドイツ証券の深谷幸司シニア為替ストラテジストは、ドル・円は 前日に92円から下を攻め切れなかった感があるため、「雇用統計が良 ければ良いで、もう少し上方向に調整の動きが出てくる」と予想。逆 に予想よりも悪い内容となれば、再びドルの下値を試す展開になると みている。

一方、東海東京証券の二瓶洋トレーディンググループマネジャー は、「雇用統計の数字が改善しても、米金融当局が低金利を長期間据え 置くとし、米国債の買い入れ期間も延長しているなかでは、早期の『出 口戦略』の織り込みが抑制されてしまう」と指摘。雇用統計の良し悪 しにかかわらず、ドル安・円高が進むとの警戒感は強いという。

規制強化の議論警戒―きょうからG20

フランスのラガルド財務相は同国紙フィガロに寄稿し、ロンドン で4日から開かれるG20財務相・中央銀行総裁会議では、フランス政 府として金融機関が支払う賞与(ボーナス)を厳しく規制する規則を 要求していく考えを明らかにした。

三菱UFJ信託銀の井上氏は、G20について、「為替に関して特 別言及されるということはない」と予想。その上で、「規制強化など株 式市場に与える影響に注目しており、株価に悪影響が出てくると、間 接的に為替も影響を受ける」とみている。

--取材協力 吉川淳子 Editor:Joji Mochida,Hidenori Yamanaka

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