日本株は金融中心に3日続落、大和証G急落-G20の規制警戒感も

東京株式相場は小幅に3日続落。 三井住友フィナンシャルグループとの法人業務の提携解消観測が広が った大和証券グループ本社をはじめ、証券や銀行など金融株が相場の 下げを主導した。

東証1部の証券・商品先物取引指数は5日続落し、終値では7月 23日以来の400ポイント割れ。また大手銀行株には、週末開催の20 カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議での金融機関に対す る規制強化観測が根強く、銀行指数も5日連続の下げとなった。

日経平均株価の終値は前日比27円53銭(0.3%)安の1万187 円11銭、TOPIXは同7.03ポイント(0.8%)安の935.74。

みずほ投信投資顧問の岡本佳久執行役員は、大和証Gの下げに証 券最大手の野村ホールディングスも連動して安くなったことについて、 「大和も独立系となることで、野村の希少性が落ちるほか、銀行系証 券会社の攻勢に対する警戒感も高まったため」と見ていた。

3日の米国株市場では、S&P500種株価指数の金融株指数が

2.3%高と全10セクター中で最も上げた。金融株指数は前日までの 2日間で6.2%下げ、日本の銀行株などにも悪影響を与えていただけ に、米金融株の反発が国内金融株の買い戻しにつながるとの予想が取 引開始前にはあったが、ふたを開けると状況は違った。

証券と銀行ともに相場全般の下げのリード役となり、三井住友F と大和証Gが法人向け証券会社、大和証券SMBCの合弁を解消する 方向で最終調整に入っていると、4日付の日本経済新聞朝刊が報じ、 事業基盤の弱体化懸念から大和証Gが急落。3.5%安の証券・商品先 物取引指数は業種別33指数の中で値下がり率トップだった。三井住 友F、みずほフィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・ グループの3大金融グループ株も下げ、銀行指数はTOPIXのマイ ナス寄与度1位。

ちばぎんアセットマネジメントの長壁啓明ファンドマネジャーは、 「金融株の下げが市場心理を冷やした」と話し、銀行株については、 G20会議で「大手銀への自己資本増強が議論される可能性があるこ とを警戒した売り」と見る。自己資本比率引き上げに向け、「資産縮 小を狙い中小企業などから融資を回収すれば、倒産企業増で銀行は特 損がかさむ可能性がある。一方、増資は当然1株価値の希薄化を招き、 どちらにせよ銀行株にマイナス」と、みずほ投信の岡本氏は指摘した。

米小売業況に安心も徐々に雇用統計警戒

3日の米国で、コストコ・ホールセールなど小売大手各社の8月 の既存店売上高がアナリスト予想ほど悪化せず、米経済の約7割を占 める米個人消費の底入れ期待を背景に、日本の輸出株の一角に買いが 先行、日経平均は上昇して始まった。しかし、日本時間の今晩発表さ れる米雇用統計や為替の円高進行への警戒感が強く、輸出株も徐々に 売りに押され、日経平均は午前10時半ごろ下げに転じた。

日本株は春先以降、世界的な景気底入れ・回復期待を背景に、外 国人投資家が買い戻し、8月まで上昇基調を続けてきた。東証が3日 に発表した8月の投資部門別売買動向でも、外国人は4カ月連続で買 い越した。ただカブドットコム証券の山田勉マーケットアナリストは、 「足元の水準は企業業績の急ピッチな改善を織り込み済み。海外勢の 間では、今後誕生する民主党新政権がどの程度実行力があるかを見極 めたいとの心理も働き、株価は上がりにくくなる」との見方を示す。

この日、株価指数を下支えしたのはホンダやキヤノンや京セラ、 TDKなど輸出株の一角。三菱地所などの不動産株、関西電力や大阪 ガス、JTといった景気動向の影響を受けにくいディフェンシブ関連 銘柄の一部も堅調だった。東証1部の売買高は概算で19億2427万 株、売買代金は1兆3428億円。値下がり銘柄数が1224、値上がり は340。業種別33指数は27業種が下落、6業種が上昇。

低位建設下げ目立つ、貴金属リサイクル株上昇

個別では、民主党政権の下で公共工事が削減されるとの懸念を背 景に、飛島建設や東亜道路工業、大末建設、若築建設といった中低位 建設株の下げが目立った。メリルリンチ日本証券が投資判断を下げた セブン&アイ・ホールディングスとファミリーマートが軟調。最先端 ウエハーの生産能力を今秋以降に1割程度削減すると、4日付の日本 経済新聞朝刊で報じられたSUMCOは、前日の年初来高値から反落。

半面、金先物高を受け、収益寄与への期待でDOWAホールディ ングス、アサヒホールディングス、松田産業など貴金属リサイクル株 が買われた。鉛相場の急騰で、鉛の製錬事業を手掛ける東邦亜鉛も上 昇。東証1部値上がり率上位には、ゼクス、サンシティ、ケネディク スなど新興不動産株の一角が入った。

新興3指数も3日続落

国内新興3市場では、ジャスダック指数が前日比0.89ポイント (1.8%)安の49.80、東証マザーズ指数は同6.81ポイント (1.5%)安の444.72、大証ヘラクレス指数は同3.45ポイント (0.5%)安の631.21とそろって3日続落。

個別では、2-7月期決算の不調が嫌気された日本トイザらスが 株式分割考慮後の上場(2000年4月)来安値を更新。クックパッド、 ミクシィ、楽天が下落。半面、フェローテック、エン・ジャパン、ダ ヴィンチ・ホールディングスが高い。

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