NY外為:ユーロ弱含み、ECB総裁が平坦なき回復警告

ニューヨーク外国為替市場ではユ ーロが対ドルで小幅安。一時は上昇する場面もあったが、欧州中央銀 行(ECB)のトリシェ総裁が、景気回復は起伏のあるものになると 述べたことを受け、下げに転じた。ECB定例政策委員会は政策金利 を過去最低の1%に据え置いた。

ユーロに対しては南アフリカ・ランドとブラジル・レアルの上昇 が目立った。南アとブラジルの高利回り資産に投資資金が流れたとの 観測が背景。円は対ドルで値下がり。米ISM非製造業景況指数が8 月に縮小ペースの鈍化を示したことが材料視された。ECBは今年と 来年の成長率予想を上方修正した一方、トリシェ総裁は回復の道が 「平坦ではない」と警告した。

ウエストパック銀行のシニア通貨ストラテジスト、リチャード・ フラヌロビッチ氏(ニューヨーク在勤)は、「ECBが景気予想をも っと大幅に引き上げなかったとして、一部失望もあるようだ」と指摘。 「明らかに市場はもう少しタカ派的な姿勢を期待していた」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時6分現在、ユーロは対ドルで前日比

0.1%安の1ユーロ=1.4255ドル(前日は同1.4264ドル)。一時 は0.6%高の同1.4348ドルまで値上がりする場面もあった。円は対 ユーロで0.4%安の1ユーロ=132円10銭(前日は同131円54 銭)。ドルは対円で0.5%高の1ドル=92円67銭(前日は同92円 22銭)。

トリシェ総裁は政策決定後の記者会見で、ECB当局が景気刺激 の緊急措置を早急に解除する考えがないことを示唆した。ECBは ユーロ圏の来年の成長率予想として、来年はプラス0.2%程度とし、 従来の0.3%前後のマイナス成長から上方修正した。

「控えめな」見通し

バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(ロンドン)のチーフ為替 ストラテジスト、サイモン・デリック氏は「トリシェ総裁の記者会見 中に、ユーロが対ドルでじりじりと下げ始めた」と指摘。「トリシェ 総裁の発言は、市場の大半が望んでいたよりもずっと控えめだったと いえよう」と述べた。

トリシェ総裁は、市中銀行への1年物資金供給で金利を引き上げ る考えはないと付け加えた。一方、米連邦準備制度理事会(FRB) は前日に公表した議事録で、住宅ローン担保証券(MBS)購入プロ グラム終了時の混乱を最小限に抑えるため、MBSの購入規模を縮小 することを示唆した。

7月のユーロ圏小売売上高指数は、1年2カ月連続での前年割れ となった。欧州連合(EU)統計局によると、同指数は前年同月比

1.8%低下。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予 想中央値では、2.2%低下と見込まれていた。前月は2.0%低下だっ た。

UBSの為替ストラテジスト、ブライアン・キム氏は「バーナン キFRB議長をはじめ米当局は透明性において非常に優れている」と 指摘。「FRBはECBよりも今後の見通しについてより明確だ」と 述べた。

リスク志向

南アフリカ・ランドは対ユーロで2.2%高と、主要16通貨中で は対ユーロでの値上がり率トップ。南アフリカでは、3カ月物の銀行 間金利が7.1%と、ユーロ圏での同金利水準の0.8%を上回る。ブラ ジル・レアルは対ユーロで1.3%値上がりした。

BNPパリバ・セキュリティーズの通貨ストラテジスト、セバス チャン・ゲーリー氏(ニューヨーク在勤)は、「リスク資産に資金が 戻っている」と指摘。「リスク資産通貨を売り持っていた投資家は打 撃を受けている」と述べた。

 円は対南アフリカ・ランドで2.6%安。キャリートレード(低金 利通貨で資金を調達し、高金利通貨などに投資する取引)が拡大する との観測が背景。3カ月物の東京銀行間金利は0.55%。

米供給管理協会(ISM)がこの日発表した8月の非製造業総合 景況指数は48.4と、前月の46.4から上昇した。ブルームバーグが まとめたエコノミスト予想の中央値は48.0だった。同指数は50が サービス業活動の拡大と縮小の境目を示す。

原題:Euro Weakens Against Dollar as Trichet Sees

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